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#02 アウトレットのスニーカーと両親への告知と

2019年2月17日

午前中に宅配便が届く。スピングルムーブのスニーカーを探していたらメルカリでかなりお得な値段で出品されていたのがヒットして、それを購入していたものだ。

今回購入したのはSPM−443というモデルで、ミドルカットでサイドにファスナーがついているのがポイント。

子供の頃から靴紐の蝶々結びが苦手で、現在でも基本的に靴紐で結ぶタイプのシューズやスニーカーは持ってない。しかし最近は白衣よりもシャツ+チノパンといったスタイルで仕事をすることが増えたため、カジュアルでもちょっと綺麗目なシルエットのシューズを探していたところ。
ファスナー付きのこのモデルなら靴紐は結びっ放しでも履けるのではないかと思い、気になっていた。

早速開封。着用してみると履き心地もなかなか良い。未使用品をかなり割安で購入できてラッキーと思ったが、よくよくみると左のつま先周辺サイドのゴムの部分にちょっとした色ムラを発見。
中敷を見たらまさかの「2nd」のハンコが押してあった。
早い話がアウトレット品。どうりで安かったはずだ。商品説明にはそんなこと一言も書いてなかったけどな。

出品者をよくよく見てみると、同じような価格帯で同じスピングルのスニーカーを大量に出品していた。何らかのコネクションがあってアウトレットな商品を引っ張ってきているのかもしれない。
どちらかというと個人的にはあまり気にしないのだけど、そういうのを表示しないで出品していてクレームは来ないのかね。
それともいわゆるメルカリクオリティ、これくらいのことは織り込み済みで皆売買している?

まあ商品自体は気に入ったので、大切に履かせてもらうけど。


早速そのスニーカーを履いて、午後からは実家へ向かう。

今回がんを患った旨を両親に伝えるのが目的だけど、事前に「ちょっと話したいことがあるから一人で行く」としか伝えてなかったため、どうやら離婚か何かの報告ではないかと両親は早合点していたらしい。
ステージ2の中咽頭がんになったと伝えたら確かに驚いてはいたのだけど、どちらかといえば離婚の話ではなかったことに安堵していた様子。
なんだよそれ。離婚なんてするわけないだろ、百歩譲ってあるとしたら間違いなく俺が愛想を尽かされる側だぜ。

母親は涙もろい人で、こんな話を切り出したら絶対泣かれて重苦しい雰囲気になるのかと思って気が重かったのだけど、意外としっかり受け止めてくれて助かった。この歳になって母親を泣かせるというのは流石に辛い。
まあまだ直に命に関わるような状況でもないし、そもそも話を伝える側の俺自身があまり悲壮感を伴っていないからというのもあるのかも知れない。

ひと通り話が終わったあとは、久しぶりに家族3人での夕食を囲む。

しかし料理が出るわ出るわ。これでもかというくらいの量を運んでくる。
数多のオカズとともにメインのうな重が出たのだけど、それを食べ終わってお吸い物を啜っていたらお盆に牛丼を乗せて運んできたのには流石に仰天した。

母親の頭の中では、未だに俺が20歳前後の食欲旺盛な時期の記憶が残っているんだろうなと思う。
しかし残念、あの時の若者も今ではすっかり46歳のオッサンだぜ、流石にそんなに食えねえよ。いい加減その脳内メモリーを更新してくれ。なんだかんだで残すのもったいないから完食したけどな。

帰宅して久々に体重計に乗ったら、正月に測った数字より3kg増えていた。
うな重食った後に牛丼まで平らげてたら増量するに決まっているが、この3週間ほどほとんど走っていないのが主な原因だと思う。
今日走る予定だった京都マラソンに向けて昨年末あたりからトレーニングは継続していたので、それなりのコンディションはキープできていたのだけど、がんの疑いが出てきてランニングを中断して以来、少しずつ、でも確実に身体が重たくなってきているのを感じる。

まあいいか、どうせ今シーズンはマラソンなんて走れないんだし、そもそも放射線治療やら抗がん剤やらでゲッソリ痩せてしまうんだろ?
いっそのこと治療が始まる前の今くらい、食いたいもん食って好きなように過ごしてやろう。体力つけておかないとね。せめてものささやかな反抗だ。

美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。