野田 力(Chikara Noda)

2児の父。産前産後の女性の身体を整えたり、整え方を教えたりするのがおしごと。2019年…

野田 力(Chikara Noda)

2児の父。産前産後の女性の身体を整えたり、整え方を教えたりするのがおしごと。2019年2月に中咽頭がんの告知を受ける。自分を見つめ直しながら癌を乗り越え、克服していく過程を綴っていけたらいいなと思います。

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#049 【治療終了後109日経過】年を一つ重ねたことと、体調の回復と。

2019年8月31日8月も今日で終わり。今日ではないのだけれど、今月後半に誕生日を迎えた。47歳。別に年齢はどうでもいいのだけれど。癌を患っておよそ半年経って、初めての年齢更新だ。 緊急に命に別状があるような性質の癌ではないことは初めから分かっていたことなので、命が永らえてよかった、というような特段の感慨といいうのもないのだけれど、それでも何か一つの山を越えたような気もしている。生きていることの実感、とまでいうのは大袈裟なのかもしれないけれど、なんとなくそんな感じの一区切り

    • #048【治療終了94日経過】身体に起きた様々な変化を確認する

      2019年8月16日昨日は一ヶ月ぶりの定期検診で頭頸部外科へ。前回新たに発見された右側の腫瘍らしき影の正体を突き止めるべく再検査を受けたのだけど、前回となにも変わっていないとのことで、今回も結論は持ち越し。また来月様子を見ましょうとのこと。 悪くはなっていないのだけど、消失したわけでもない。なんとも煮え切らない結果だがそれが現実なのだろう。たとえ今回のこの影が限りなく良性なものであったとしても、ほんの少しでも悪性の可能性があれば医者はそれを「大丈夫」とは断定しない。結果とし

      • #047【治療終了後70日経過】最凶の副作用がやってきた

        2019年7月23日今日は月に一度の放射線外来の日。とは言っても特にすることもなく、副作用の進行具合を含めた近況を放射線技師の担当者に報告してはい終了、と言った感じ。痛みや不調を訴えたところで「副作用の典型的な症状なので、しばらく様子を見ましょう」しか言ってもらえないし、うーむ、この邂逅には何か意味があるのだろうか。 ただでさえもここに来ると自分が癌患者だったことを再認識してしまって気が重くなるし、地下の薄ら寒い放射線科の待合室で待機していると放射線治療中のブルーな気持ちを

        • #046【治療終了後62日経過】一難去ってまた振り出しに戻る

          2019年7月15日随分と間の空いた更新。前回行ったCT検査の結果が出たので内容を聞きに病院まで行ったのが先週の木曜日。 検査結果としては、従来あった左中咽頭とリンパ節のガンは現時点においては綺麗に消滅しているとのこと。 これはもちろん喜ばしいことなのだけど、しかし今度は右のリンパ節に1cm大の腫瘍らしき影が発覚。一応エコーで詳細を確認したのだけど、如何せん大きさがまだ小さいので実態がつかめなかった様子。 担当医の見解としては、現時点で悪性の腫瘍が転移してできることは考え

        #049 【治療終了後109日経過】年を一つ重ねたことと、体調の回復と。

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        • 治療終了後
          11本
        • プロローグ〜癌の発見から告知までの記録
          13本
        • 放射線治療
          16本
        • ガン告知〜治療前夜
          0本

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          #045【放射線治療終了後50日経過】CT検査再び。生と死を受け止めながら一歩一歩を踏み出すということ。

          2019年7月4日今日はCT検査の日。放射線治療が終了して、あらかた副作用も収まって、ようやく治療の効果測定を行えるようになったので、実際に検査を行うために病院から紹介された都内のクリニックに向かう。 こじんまりとしたクリニックだけど、決して狭っ苦しさは感じない。待合室もソファを中心とした視線を低めに抑えたレイアウトで、なんだかちょっとセレブな感じ?なかなかオシャレな印象だ。 しかし残念ながら、全てをぶち壊しているのが待合室の中に掲げられた大画面でエンドレスに熱唱し続けて

          #045【放射線治療終了後50日経過】CT検査再び。生と死を受け止めながら一歩一歩を踏み出すということ。

          #044【放射線治療終了後43日目】一歩前進二歩退却

          2019年6月27日体調は二転三転して、今はちょっぴり悪い方に傾いている。体調が、というよりは全ては味覚の問題で、食事が思うように摂れないゆえに体調が悪化しているといっても良い。 味覚はここ一週間ほどでまた新たなフェーズに突入し、従来からの苦味に加えて常に酸味を感じるようになった。酸味といっても柑橘系の爽やかなものではなく、簡単にいうと、嘔吐して、嘔吐して、嘔吐して、何も出なくなった後に口の中に感じる胃液のような味だ。何を食べてもゲロの後に残った胃液の苦くて酸っぱい味がして

          #044【放射線治療終了後43日目】一歩前進二歩退却

          #043【ガンとお金の話】癌治療の収支報告〜で、いったいいくら掛かったの?

          2019年6月14日今日で全ての治療が終わってから 1ヶ月が経過した。 体調はすこぶる良い。現時点で気になるのは喉の奥と舌の付け根にわずかに残っている口内炎と、味覚障害くらいのものだ。と言っても味覚障害は不快要因としてものすごいウエイトを占めるのだけど、それでも現在残ってる副作用としてはほぼその二つの集約されると言って良い。逆に言うとそれ以外はほぼ健康な状態を取り戻しつつあると言うことだ。 ちょうど1ヶ月が経過して、来週からはセミナーも再開しする。ようやく仕事復帰だ。まあ

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          #043【ガンとお金の話】癌治療の収支報告〜で、いったいい…

          #042 【放射線治療終了後26日目】チープなドラッグに酔いしれる日々

          2019年6月10日東京は梅雨入りしたそうだ。朝から雨で気持ちも籠りがちだが、当分出勤する必要もないだけまだマシと言ったところか。 口内炎自体はすっかり綺麗になったのだけれど、喉の奥の炎症だけが意外としつこく残っていて、いまだに食べ物が当たると痛い。前回気になっていた舌の付け根の炎症はかなり楽になって、もう舌を右の奥まで伸ばしても大丈夫。これだけで食事のストレスが随分と軽減された気がする。 しかし味覚だけは思うように戻らず、先週からほとんど進捗なし。亜鉛も昆布水もさほど劇

          #042 【放射線治療終了後26日目】チープなドラッグに酔いしれる日々

          #041【放射線治療終了19日目】人の身体は回復するようにできている

          2019年6月3日6月に入ってからいろいろと良い方向に向かいつつある。まずは口内炎だが、ほぼ8割〜9割がた治まってきた。口腔内の口内炎はほぼ消滅して、あとは左側の鼻腔と喉の間、のどちんこの奥のあたりに白く化膿している部分が残っている。ちょうど癌があった場所だ。やはり患部そのものには一番放射線が当たっていたであろうから、一番治りが遅いのかもしれない。 同じくらいに治りが遅い場所がもう一つあって、左側の舌の付け根から側部にかけて。これもまた治りが遅い。左の奥歯の一つが銀歯なのだ

          #041【放射線治療終了19日目】人の身体は回復するようにできている

          #040 【放射線終了後13日経過】味覚がちょっとだけ戻ってきた件について

          2019年5月28日味覚に若干の変化あり。食べてる物の味の違いを少しだけ感知できるようになってきた。でも単にリンゴとみかんの違いがわかる、というレベルの話で、従来のレベルで甘さや旨味が感じられるようになったわけではない。しかし今までは何を食べても同じ味(=苦い)しかなかったわけだから、それに比べれば大いなる一歩を踏み出したとも言える。 リンゴとみかんの味の違いなんて、わかって当たり前じゃねーか。そう思うかもしれない。俺もつい半年前まではそう思ってた。今の俺はそんな「当たり前

          #040 【放射線終了後13日経過】味覚がちょっとだけ戻ってきた件について

          #039【治療終了1週間経過】少しずつ回復はしているのだけど

          2019年5月22日味覚というのはどういうメカニズムで機能しているのだろう。よく聞く例としてかき氷のシロップの話がある。メロン、いちご、レモン、ぶどうにブルーハワイ、様々な種類のあるかき氷のシロップだけど、あれは色と匂いを変えてあるだけで味は全部同じなのだという。子供達がかき氷を食べているときに実際に目を閉じて、鼻をつまんで食べ比べてみたこともあるのだけど、正直よくわからなかった。しかしそれがもし本当だとするのであれば、味覚というのは嗅覚と視覚によって大きく影響を受けているこ

          #039【治療終了1週間経過】少しずつ回復はしているのだけど

          #038【治療終了5日目】とりあえず現状の報告など

          2019年5月20日15日を持って35回の放射線治療全てが終了し、晴れて自由の身となった。ついに治療から解放されたのだ。 しかしそこに清々しさは全くなく、あったのはひたすら副作用が辛くて伏している日々。まさに満身創痍、肉体の許容範囲限界まで放射線を浴び切り、蓄積し尽くした結果のような吐き気と重だるさにここ数日は支配されていて、ひたすら就寝、何もする気が起きなかった。 昨日辺りからようやく回復の兆しが見えてきた気がする。しかし抗ガン剤の副作用は投与後2〜3週間がピークだという

          #038【治療終了5日目】とりあえず現状の報告など

          #037 【放射線治療34日目】無事に退院、そして治療もあと2回

          2019年5月14日昨日無事に退院。今回の入院は最後の抗ガン剤ということもあって覚悟はしていたのだけど、流石に色々ときつかった。このnoteを更新する気力もなくなるくらいで、ひたすら寝ていた、まじで1日20時間くらい寝てた。しかしそのお陰か奇跡的に順調に回復できて、予定通りに無事に退院。正直言って明日くらいまでは入院を延長するくらいの覚悟だったのだけど助かった。やはり点滴に繋がれてベッドで横たわり続けるのはしんどい、自宅が一番だ。 まあそれでもギリギリで退院できたようなもの

          #037 【放射線治療34日目】無事に退院、そして治療もあと2回

          #036【放射線治療30日目】最後の入院。最後の抗ガン剤

          2019年5月8日久しぶりの更新になった。相変わらず不具合は大きいが、連休後半の4日間は放射線治療も休みだったので、体調も緩やかに回復して比較的楽に過ごすことができたように思う。やはり放射線を受けなければ口内炎は収まってくるようで、口腔内での広がりも一番酷かった時に比べて今では半分程度しかない。たった4日間放射線から離れるだけでこんなに変わるのか、これは治療が終わったら口内炎からは意外と早いうちに解放されるかもしれないぞ、なんて淡い期待を抱いてしまう。さてどうなることやら。

          #036【放射線治療30日目】最後の入院。最後の抗ガン剤

          #035【放射線治療26日目】ジャンクフードに救われた話

          2019年4月30日昨日と今日はすこぶる体調が良い。土日月とこの3日間は放射線治療が休みだったからか、確かに口内炎も多少はマシになって膿の分泌も減り、比較的楽に過ごすことができた。やはり放射線の照射が副作用の直接的な原因となっていることを強く実感する。今日からまた3日間の照射が再開されるから、ひょっとしたらまた悪化するかもしれない。しかしそのあとはまた来週の月曜まで間隔が空くため、また落ち着きを取り戻すのではないかという淡い期待が湧いてくる。3歩進んで2歩下がる、まさにそんな

          #035【放射線治療26日目】ジャンクフードに救われた話

          #034【放射線治療:あと10回】光と陰のカウントダウン

          世間はゴールデンウィーク。10連休で話題になっているが、治療は流石に10日間も休んではいられない。今週末から3日休んで火、水、木は放射線照射を受けにいかなくてはならない。週に5日の照射がこの期間は3日になるから、少しは副作用も軽減されるかもしれない。淡い期待だ。しかしその分治療効果まで軽減されてしまうということはないのだろうか。若干の不安がよぎる。 先日で放射線治療は25回目を終了した。全35回なのであと10回で終了となる。あと10回というのはなかなか分かり易い指標で、よう

          #034【放射線治療:あと10回】光と陰のカウントダウン