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恵まれている国内食文化。ホテルや食事処が賑わえば、経済が回り、再び幸せな時が戻ってくる。

 筆者の口癖は、「ホテルは文化発信基地」である。

 ホテルのホテルと言われる、国内ホテル旧御三家の一つ名門「帝国ホテル」。筆者はファンの一人と勝手に思っているが、同ホテルが約130年(1890年開業)前に、列強の仲間入りのシンボルとして開業し、我々庶民に対して、欧米文化は勿論のこと、日本の新たな文化発信基地として、重要な役割を果たしてきた。

 歴史と伝統を誇る高級ホテルは、我々庶民にとっては、些か高嶺の花的存在でもあるが、時には、紳士淑女が集う、質高きホテル文化を学ぶことは、大変刺激にもなり、カルチャーショックを受けることで、豊かな気持ちになれるに違いない。

 とても幸運なことに、この島国日本の地方においても、各県庁所在地には歴史あるシティホテルやリゾートホテルがあり、最近では、外資系のホテルも多く進出し、世界各国の多種多様な料理を食すことができるようになった。

 世界のどの国へ足を運んだとしても、これだけ上質な食文化に、なかなか遭遇することはできない。それを証拠に、ミシュランガイドでも、世界各都市ランキングでは、ニューヨークやパリを抑え、東京、京都が常に最上位に位置している訳だ。

 また、オリンピック選手村を見ていると、他国の料理は苦手で、自国の料理ばかりを食べる選手も少なくはないと言う。ところが、日本人はどこへ行っても、色んな国々の料理に興味を持つ人の方が圧倒的に多く、違和感などなく食べまくる。

 元々、素朴な料理が和食(ユネスコ無形文化遺産)の原点ではあるものの、江戸時代のベストセラーグルメ本「豆腐百珍」を見ても分かるように、和食は、長きにわたり進化に進化を遂げ、現在に至っている。更に、いつの間にやら、他国の料理をアレンジした和食も多く出回る様になった

 この有難い上質なる食文化を有する日本において、御多分に洩れず、コロナ禍によりホテルも旅館も食事処も大変な時期を過ごしてきたことになる。しかし、恵まれ過ぎる、勿体無いほどの食文化レベル。ホテルや食事処がこれからどんどん賑わってくれば、経済が回り、再び幸せな時が戻ってくるに違いない。

★料理写真は、脇宮盛久和食料理長の作品。
熊本ホテルキャッスル


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