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義父が退院するっぽい<6>

実はですね。
義父の火葬の日からの三日間、私は連休を取ってたんです。
例によって例のごとく、イベントなんとか割でテンションの上がった夫が、二泊三日の旅行を計画してしまったのですよ。この状態で。

義父が容態が悪化した、という連絡で、キャンセルしようかどうかという話になったモノの、キャンセル料は三日前からだったので、ちょっと様子を見ていたら、「命の危険は脱しました」連絡で、あら、大丈夫かなって思ってしまったのです。うかつでした。
まさかまさか、三日前に死ぬとか思わないじゃん。
(ちなみに義兄の時は、私たちが旅行から帰って家について荷解きをしようとした頃合いに、危篤の連絡が入りました。そのまま病院に直行したので、その日は寝てません。せめて高速道路上にいるときに連絡を寄越せ)

「ちかちゃんに(仕事を休ませるような)迷惑がかからないようにしたのかな」
って、心優しい私の末妹はフォローしてくれましたが、
正直、キャンセル料発生日を見計らった上、私の休みにピンポイントでかぶせてくる辺り、死に際まで悪質と言わざるをえない(言い方

ということで、東北旅行が義実家イベントにすり替わった連休一日目、火葬で終了。
夜はさすがに疲れて、ゲームをしながら寝落ちしかけて危険だったので、早めに寝ました。

二日目

遺骨を義実家に持っていく予定でしたが、急ぐこともないだろうし、朝はのんびりしてたいし。
と思ってたのに、冷え対策で足元に入れてた使い捨てカイロが温かすぎたのか、四時過ぎに目が醒めてしまい、水を飲みに起き出したら、夫が定位置で暴れん坊将軍を見ていた。

この人も休みなのに、休みの日なのに、朝から何やってんだ。
このまま寝直して、私が次に目を覚ます八時半頃まで、同じ位置でテレビ見ながらスマホをいじってるのかと思ったら、げんなりしてしまい、

「今から(義実家に)行けば、燃えるゴミの収集に間に合うから、行く?」

四畳半にまとめた六袋以上の燃えるゴミ。
四畳半は遺骨を安置するために使うので、一旦あけて掃除して、祭壇を設置しなければいけません。ゴミがなくなれば、作業も気分も楽になる。

かくして、夜明け前から義実家に向けて出発。
昨日の荒天が嘘のような晴れた空。星も見える。義父は亡くなった日も火葬の日も、嫌がらせのように寒い雨をぶつけてきました。負けない。

夜明けに白む空をバックミラーで眺めながら、義実家着。
入る前に、まず床を拭き、四畳半からゴミ袋を放り出しゴミ捨て場まで夫を何往復かさせて、準備していた燃えるゴミは四畳半から消えました。やったー。

溜まっている段ボール、衣装ケースは別の部屋に移し、二人で四畳半の掃除と後飾り祭壇の設置。

義母の時の後飾り祭壇が、再び日の目を見る日がやってきました。
使い切れずに保存していた、一年前の蝋燭も、線香も、問題なく使えます。

白木位牌も遺影もないので、義母の遺影代わりの写真が入った写真立てに、在りし日の義父母が並んで写った写真を入れ替え、遺影代わりに飾る。
壁には、投げ売りされていた花柄ののれんをさげ、日に灼けてどうしようもない砂壁をそれっぽく演出してみました。

ご近所がいつきてもいい準備は出来たけど、とりあえずお腹がすきました。
近くのファミレスにモーニングを食べに行き、そこで義父がお世話になったNさんに、ケアマネさんに、叔母の娘さんに、一斉に連絡。

その足で区役所に行き、葬祭費の申請、介護保険証の返納、年金の死亡届をゲットし、これは除籍届けが発行されたらうちの地元の年金事務所に予約を取って提出して、とのこと。

もうすっかりやりきった感で義実家に戻り、ミカンを剥いてぼけっとしていたら、突然思い出す。
そうだ、葬儀屋の互助会費! 解約してとり戻さなきゃ!
この互助会については別記事にまとめるとして、電話している間に、義父義母が長らくお世話になったNさんがやってきた。
私は電話応対中。夫が一通り対応し、町内会の手続き的なモノも、Nさんがやってくれるということで甘えることにします。

固定電話は今月中に解約が決定。これは電話で済みました。

あとは、公営住宅の引き払いについてですが、これは夫が電話したところ、担当者が明日にでも折り返します、とのこと。
私的にはこの時点で、HPの「六ヶ月猶予」を鵜呑みにして、あまりあせってはいませんでした。明日でいいなら、明日でいいか、って感じで。

Nさんのお知らせで、ご近所の方も顔を出し、来客が一段落した頃にはお昼をまわってました。

今日はもう、出来ることもなさそうだし、衣装ケースを車に積める分積んで、途中でリサイクルショップに寄って帰ろう。
古いけどミッ○ーマウス柄だし、お値段つくでしょう、と。
前回も前々回も、ジュース代程度だったけどひきとってくれたので、すっかり油断してたんです。

高速に乗って、いつもの地元のリサイクルショップで卸したら、
「ペンで書き込んだあとがあるのと、日焼けもひどく状態も悪いので、お引き取りできません。大きいモノなので、無料でも引き取れません」
まさかの受け入れ拒否。
よろしい、ならばクリーンセンターだ。
予定外でしたが持って帰るわけにも行かないので、クリーンセンターに突入。
こんなことなら、中に一杯詰め込んでくれば良かった。衣装ケースを売り払ったら、早く帰ってのんびりするつもりだったのに、遠回りです。

それでも三時過ぎには家に着き、車を整え、お風呂の準備をしていたら、夫の携帯電話が鳴る。
公営住宅のスタッフさんからです。

聞いて置いて欲しかったのは、退去の時、どこまで片付ければいいのか。家電はまだしも、公営住宅は、風呂釜と湯船、入居者が自分で設置するのです。無駄に新しいもの好きな義兄が頼んだと思われる後付のウォシュレットもあります。
結果的に、「敷金を払っているので、処分が難しいものは残しておいても大丈夫、ほかはできるだけ処分してください」とのことで、そこは一安心だったのだけど、

「退去は、死亡日から一ヶ月半が目安です」

な ん で す っ て ?!

一ヶ月半って、四十九日ギリギリじゃないの? せめて納骨まで使いたいんだけど?
ていうか、義母の三回忌まではいられると思ってのんびり構えてたよ。
もちろん目安なので、多少の遅れは見逃してくれるんでしょうけど。向こうの事情もあるでしょうし、あまりわがままもいえません。

そうなると、大物は先に片付けて安心したい。
エアコン三台、冷蔵庫(大型)、洗濯機、これは早めに片付けたい。
残ったタンスひと棹は粗大ゴミで出せる、押し入れ一杯の布団は計画的にクリーンセンターに行けばなんとかなる。
でも、家電リサイクル法にひっかかるやつは、他人の手を借りなければいけません。
買ったところなら必ず回収してくれるけど、冷蔵庫と最初の二台のエアコンを買った店は、もうないのでは? 洗濯機なんか、どこで買ったか判らない。
判っているのは、義兄が死んだときに義母が買った一番新しいエアコンの購入先だけです。

ということで、明日もう一度、早朝から義実家に行き、今度は資源ゴミをゴミ捨て場にインして、各家電の説明書に購入先が書かれていないか調べ、
あとはエアコンを買ったお店に相談しにいきます。
ダメなら、ほかに方法を考えないといけません。
そして帰りに積めるモノを積めるだけ車に積んで、再びクリーンセンターに行ってきます。

義父の火葬自体は面倒が無かったのに、付随するほかのモノが面倒すぎる。

ステージは、義父の死から、公営住宅引き払いと、互助会の解約へと移行します。
納骨? そんなんいつだっていいわ(暴言

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