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父が亡くなった話<6>

T某がやってきて、納棺も終わり、翌日は友引なのであとはなにもできず。小休止です。

離婚に至るまでの経緯から、心療内科にお世話になっているWはこの日、予約が入っていたそうで、キャンセルしようかとも言ってたのですが、
ずっとテンション高くて、それはそれで心配だったので、
納棺の後でも時間は大丈夫だし、せっかくだから行ってくるようすすめ、病院がショッピングモールの近くなのでわたしも一緒に乗せていってもらいました。

一方で、一晩寝て、別の意味でテンション高めなT某は、実家の自転車を借りて周辺をうろうろ。体力あるなぁ。

で、夜は無難にお弁当、快適なお風呂とベッドでそれぞれ休息。
Wは心療内科で睡眠導入剤を出してもらったので、今日は大丈夫でしょう。

わたしはやはり眠れず、みんなが寝静まったあとはだらだらと本を読んだり、持ち込んだスイッチで遊んだりして、やっと部屋でうとうとしたと思った深夜、
なんだか廊下でバタバタやっている。

様子を見に行ったら、
睡眠導入剤が合わなかったらしいWは、吐き気と頭痛で起きだして、
一通り吐いて楽になった後も、一緒の部屋の末妹に気を遣って、居間代わりの部屋のソファで横になっていた。
毛布を掛けてそのまま休ませた頃には、やはり明け方になっている。わたしは眠れない。眠れないけど、寝ているWの横でテレビを見るわけにも行かず、部屋に戻ってスマホを見ながら、なんとかうつらうつらしてました。

一方で、短時間ですがやっと眠ったWは、少し正気に戻った様子でした。寝るの大事です。

実家を片付ける

何かあるたびにこんなことばっかやってる気がしますね。
友引で、式的なことはなにもできない27日。

近くで早朝からやっているラーメン屋さんがあるというT某にのっかり、
WとOも朝ラーです。わたしは留守番してました。
最近の流れでは、朝の清掃が入るのに合わせてスタッフさんがやってくるので、
喪主の挨拶は式から抜いてくれ、という話をするために待っていたのですが、清掃スタッフが来ても葬儀担当の人が来ない。
清掃担当さんに話したら、その程度なら伝えてくれるというので、
三人が戻ってきた後は、T某は自転車に乗せて野に放ち、わたしたちは実家の片付けに行きました。

父の部屋の、表面的な部分。
ベッドからシーツやら布団やらをはぎ、壁面にタンスが三つもあるのに更に収まらずに衣紋掛け(えもんかけです、ポールハンガーじゃありません)やプラケースに収まっている衣類を片付け、枕元のスチールラックの上の意味のないものを片付け、
えもんかけのものは問答無用で袋に突っ込んでいったのですが、プラケースのものに関しては、
「このまま清掃センターに持ち込めばいいのでは」
という話になり、引き出しからだしもしませんでした。大体が下着ばかりなので、ポケットを確認する手間もないし。

しかし。
父の部屋、すごい。
油断して素手で片付けてたんだけど、衣類を触っているだけで短時間で手が真っ赤、かゆいし喉もイガイガするし鼻水もでてくる。明らかなアレルギーの症状です。
ダニか?
この部屋が片付いたらT某に使わせていいかとも思ったけど、こんな状態じゃ使わせられません。あいつはわたしより肌が弱くアレルギーも持っています。
今後の片付けは、換気とダニ対策を併行しながら行う必要がありますね。
ていうか本人、こんな中で生活して大丈夫だったのか。

葬儀も終わらないうちに、こんなに急いで片付ける必要もないのだろうけど、まず妹のテンションが高すぎて、疲れさせるのと気をそらす必要があったのが一点。

また妹二人は、父と折り合いが悪く、
最後まで同居していた次妹Wは、時計のように規則正しく生活する父が、日中常にダイニングキッチンにいることでストレスになってしまい、必要以外は一階に寄りつかなくなってしまいました。
二人とも、とにかく身の回りから父のものを一掃したいという一心のようなのです。

わたしは父から一番遠い他人のようなポジなので、ここはひたすらふたりの意向を優先し片付けていきます。喪主なんですけどね。

枕元のスチールラックは台所でレンジラックに転用、代わりに押し出された古いスチール棚は廃棄となり、急遽分解。
プラケースや衣類と一緒に運び出されていきました。勢いで、このまま清掃工場に持ち込むとのこと。

三人乗ると狭くなってしまうので、清掃工場に行くのは妹たちだけ。
わたしは、戻ってきたT某と合流し、会館の控え室に戻ることにしました。お昼も過ぎていたので、お昼は食べたのかと一応確認したら、
「朝食べすぎて全然腹減ってない」
妹たちもそう言っていました。
父が亡くなったのに、普通に食事に出かけて、冷静に片付けている私たち、ある意味すごい。

途中、買い物していくというT某と別れ、先に会館に戻ると、
ドライアイスの交換に来ていたスタッフさんとかち合う。
喪主のスピーチはなしという改めての確認の後、スタッフさんが取り出したのは、弔電。しかも二通。
一通は末妹の勤め先からという話は聞いてたんだけど、もう一通? 誰? 心当たりないけど、まさか母方の親戚の誰かに勘づかれた?
冷や汗をかきながら確認したら、もう一通は前回お世話になった会館の営業の方からでした。びっくりさせんな。

この日はそれぞれが、それぞれの好きなように過ごして就寝。
寝室は二部屋あるので、わたしはT某と同じ部屋にしましたが、
やはり眠れない。
頑張っても頑張っても眠れないので、ゲームしたり、無人の会館をうろうろして会場のセッティングを確認したり(本館は別にあり、夜間は職員が常駐せず、もう一つある控え室もこの日は空でした、つまり私たちがまるごと一棟借りきっているような状況。すごい)
それでも眠れないので、昨日の妹のように、テレビの前のソファに横になって毛布をかぶり、テレビをつけっぱなしでうとうとしてました。

夜が明ければ朝一番で火葬、そして流れるように葬儀からの埋葬です。

つづく。

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