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捨てられない手放せない

私の休日の息抜きのひとつは、リサイクルショップのウィンドウショッピングです。あそこ、ほぼウィンドウないけど。

要は、「カウンターキッチンに置ける小さな棚があるといいなぁ」とか、「普段使いするグラスのちょっといいのがほしいなぁ」とか、「好きなブランドの入浴剤が安く手に入るといいなぁ」なんて漠然と目的を決めて、ふらっと眺めて、よさそうなのがあればいいし、無くても、眺めながらいろいろ考えて頭を切り替えられるのがいい。
たまに全く脈絡も無く、仕事で使える小物とかがあると助かる、くらいな気分で眺めている。

今日もふらっと寄ったリサイクルショップで棚を眺めていたら、査定が終わったおばあちゃ……老齢のご婦人が二人、買い取りカウンターに呼ばれていった。

「○○○○円(四桁の中くらいの金額)になります」
と言われて二人揃って言ったのが。
「そのくらいにしかならないの?!」

見ると、ビニール袋一杯の古着。
いや、古着をまとめて持ち込んで、その値段はなかなかいいと思うよ。

しかしご婦人、二人揃っているものだから威勢がいい。

「新品ばっかりよ?」(ほぼ使わずにタンスに寝かせた新古品という意識と思われる)
「私も倍以上だと思ってた」
「その値段なら、知り合いの前に並べてほしいもの貰ってもらったほうがいいわ」
「孫にだって使えるわ」

お店の人も「いやぁそれはどうでしょうね」とか馬鹿正直に苦笑いしているので、ご婦人更にヒートアップ。
「いやいや、(孫も)中学生くらいだしね」
「はぁ……どうします、持って帰りますか?」
「持って帰るわ」

いやぁ、孫はきっと、さっきの査定額分のアマギフでも貰った方が嬉しいって。

結局ご婦人、袋丸々お持ち帰り。賑やかに車に戻っていったけど。
あれ、一人だったら「仕方無いわね」で終わってたんだろうなぁ。

ていうか、自分で要らないと思うから売ろうと思ったんだろうに。
せっかく車出してガソリン代出してやってきて、査定の時間もかかって(時給換算するとこの時間の価値がよく判る)、あげくに持ち帰るとかね。
販売代行手数料を引かれてると思えば、ものすごく買いたたかれてるわけじゃないんだよね。世の中わかってないんだなぁ。

結局あれは、人にあげようにもさばけず、かといって自分でメル○リに出す気力も無く、タンスにはもう置く場所も無くて、袋のまま押し入れに突っ込まれて存在忘れられて、数年後にはもうお値段もつかなくなってるパターンでしょうねぇ。
下手したら遺品整理(不謹慎)の中に入っちゃって、処分に逆にお金を取られることだってありうる。

もったいないとか、いつかとか、誰かにとか、考えてたらものは片付かないのに。
ああいう人たちで、査定の時間とられるお店の人も大変だなと、見ててちょっと同情してしまったのでした。私も気をつけなくちゃなぁ。

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