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NTTコミュニケーションズからチカクにレンタル移籍。大企業の看板を外して学んだ「“解像度”を上げる」ことの重要性

大企業の人材がベンチャー企業に出向しイノベーション人材としてのスキルやノウハウを学ぶ「レンタル移籍」。チカクは2017年からレンタル移籍者の受け入れを始めています。

今回お話を聞いたのは、チカク3人目のレンタル移籍者として、2020年3月に1年間の移籍期間を終えたばかりの木付健太さん(NTTコミュニケーションズ)。大企業で活躍してきた木付さんに、チカクで過ごした1年について聞きました。

(チカクがレンタル移籍者を受け入れている理由はこちら


大きな組織から離れて、自分の力を確かめたい


ーーNTTコミュニケーションズではどのような仕事をしてきたのでしょうか。

2011年の入社以来、ほとんどの期間をBtoB営業として過ごしました。直近の3年間は製造業やIT系などのお客様を中心に、経営課題をITソリューションで解決する取り組みをしてきました。

ーーなぜベンチャー企業へのレンタル移籍を希望したのですか?

NTTコミュニケーションズはリソースが潤沢で、ナレッジも豊かな企業です。業務は分業化されていて、営業はリレーション構築や提案活動といった本来の業務に集中できます。つまり自分は、今まで恵まれたバックアップ体制のもと、営業をしてきたんです。

こうした“与えられた環境”で結果を出すことに関しては、8年間で一定の自信を得ることができたと思っています。しかしその一方で、「大きな組織から離れたときに、ゼロから何かを生み出せるのだろうか?」と、漠然とした不安を覚えていました。

そこで30代を迎えた今、一度会社の看板を外し、自分はどんなことができるのかを確認したいと思ったのがレンタル移籍を希望したきっかけです。

ーーチカクを選んだのは木付さんの希望ですか?

そうです。レンタル移籍のWebサイトに移籍が可能なベンチャー企業が数百社掲載されています。その中から3社選んで面接を受け、最終的にチカクとマッチングすることができました。

自分はこれまで「BtoB」で「インフラ」を提案してきたので、新しい経験を積むために、あえて「BtoC」の「メーカー」を選びました。また、チカクには大企業出身者や、著名なプロジェクトに参加した経験のある社員が多いことも魅力的でした。

「とんでもないところに来てしまった……」


ーーチカクではどのような業務を担当したのですか?

チカクのビジネスをスケールさせることを目的とした、事業開発全般に携わりました。企業とのアライアンスの推進や、既存のパートナーと連携した新しい企画の立案、拡販支援や販売後の継続的なフォローなどです。

具体的には、『まごチャンネル with SECOM』プロジェクトではマネジャー補佐としての役割を担い、サービスローンチまでの現場を体験しました。また、現在注力している鹿児島県での販売に向けたプロジェクトにおいては、現地介護事業者と連携し販売網を構築するなど、さまざまなプロジェクトを経験しました。

ーーチカクの雰囲気はどうでしたか?

すごくよかったですよ。当時のオフィスがワンルームマンションの一室にあって、10畳ぐらいのスペースで役職関係なくワイワイやっていました(現在はオフィス移転)。でも最初は、「とんでもないところに来ちゃった」と思ったんです(笑)。

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ーーとんでもないところ?(笑) なぜそう思ったのですか?

名だたる企業でエース級の活躍をしていた人が揃っているので、メンバーの能力が非常に高いんです。もちろん、それを知った上でチカクを選んだのですが、実際に一緒に働くことで、その凄さを思い知りました。

あとはスピード感です。「最速で最大の成果を出すにはどうしたらいいか?」と考える習慣が、全員に根付いているんです。圧倒的な速さが求められるなかで、山のようなタスクに優先順位づけをして取り組み、改善を繰り返していく業務の進め方に慣れるのは非常に苦労しました。

NTTコミュニケーションズでは大規模なネットワーク・システムを扱っていたので、提案から受注までのスパンが半年〜1年と長いのが一般的でした。チカクのスピード感はとても刺激的でしたね。

ーー最初は苦労した面もあったのですね。

はい。特に最初の2〜3ヶ月は大変でした。でも、そのスピードに慣れてからは楽しかったです。振り返ってみると、コミュニケーションでストレスを感じることがありませんでした。

大企業では、何かを決めるときに決裁文書を作成して上司に判断を仰ぐケースがほとんどです。しかしチカクでは、Slackでパッと話したことがあっという間に進んでいきます。短い時間で改善を繰り返しながら進めていくやり方は、大企業では経験したことがないものでした。

ーーチカクではなぜコミュニケーションが円滑なのだと思いますか?

みんなが同じ方向を向いているからだと思います。お客様目線でいることや、チカクの理念を最大化する方法をメンバー全員が常に考えています。

例えば、トラブルが発生するとすぐにSlackで共有され、みんなが一気にエネルギーを注いで対応します。それができるのは、「一番重要なこと」を全員がわかっているからだと思います。

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▲実際のMTG風景。各々アイデアを自由に発信できるので、よく盛り上がります。

もしメンバー間で認識にズレがあったとしても、Slackというオープンなコミュニケーションで議論をしながら解決していくので、周りから見ても納得感があります。

「シニア・ファースト」のミッションが共有されていて、言いたいことが言える環境がある。そうした背景があるから、メンバー間で足を引っ張り合うようなことがないんだと思います。

答えのない状況で身につけた“ゼロイチ”の力


ーーチカクで過ごした1年間で、どんな学びがありましたか?

当事者意識を強く持つことができるようになりました。極端な話、大企業では自分が成果を出さなかったとしても、他の誰かによってリカバーされる可能性があります。しかしベンチャー企業は人が少なく、時間やお金などのリソースも限られている中で爆発的な成長をしなくてはいけないので、自分が大きな貢献をしなければその分会社の成長速度は遅くなってしまいます。

「失敗したら次頑張ろう」ではなく、「いかに最短経路で進むか」、「失敗したとしても、得られた知見を次にどう活かすか」をこれまでよりも突き詰めて考えるようになりました。

ーー「自分が足を引っ張るわけにいかない」と思ったのですね。

はい。移籍後、最初の頃は、よく「解像度を上げて考えよう」と言われました。

「解像度を上げる」とは、単に与えられたタスクをこなすだけではなく、それにかかる費用や稼働、会社に与える影響、会社のために本当に今それをやるべきなのか?などを、多方面で深く考えることです。

答えがない状況で成果を出すためには、与えられたことをただやるだけではなく、「その行動にどんな価値があるのか」を細かく考えてから行動する必要があることを学びました。

ーーレンタル移籍前に「ゼロから何かを生み出せるか不安だった」と話していましたが、そうした力は身についたと感じますか?

そうですね。チカクに来たときに与えられたミッションは「事業開発」だけで、目標すら自分で決めるような状況でした。「これから1年間どうしよう?」と、最初はかなり悩んでいましたね(笑)。

そんななかでも、積極的に仕事を拾うなどして信頼関係を築き、自分で調べたり人に聞いたりしながら、光のないところを進んで来ました。さまざまなプロジェクトを通じて、“ゼロイチの力”は身についたと思います。

1年の経験を活かし、NTTグループの新規事業創出へ


ーーこの1年間を振り返ってみていかがですか?

今離れるのは本当に残念です。チカクはこれから大きくなっていくところですし、まだ道半ばのプロジェクトもあります。もっとチカクにいられたら、さらに新しい経験を得られたんだろうなと思います。

でも自分は、ベンチャー企業で学んだノウハウや経験を自社に還元していきたいという当初の思いもあるので、この1年という区切りで会社に戻り、学んだことを活かしたいと思います。

ーー1年間一生懸命に取り組んできただけに、離れるのは寂しいですね。

自分で言うのも恥ずかしいですが、「もっといてほしい」と数多くの方が言ってくださって……。涙が出るほど嬉しかったです。

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▲移転したばかりの新オフィス前で。本当に良い仲間に巡り会うことができました!

ーー今後の目標について教えてください。

NTTコミュニケーションズに戻ったら、この1年間の経験を活かして、NTTグループの新規事業創出に貢献していきたいです。そしてチカクの皆さんから、「成長したな」「目立ってるな」と思われるような存在になりたいです。

NTTグループで自分が成長し、成果を出す事で、チカクの皆さんに恩返しできればと思います。

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