東京下町おうちご飯 #3 出汁を簡単に常備する方法

水出しの緑茶やコーヒーが美味しいと気付いたのはやっぱり夏の暑い日。
専用の容器だって様々世の中に売っているんだから 私が知らなかっただけでポピュラーな方法なのだろう。

緑茶はポットに茶葉と水を入れて冷蔵庫に入れるだけ。私は濃い目が好きなので700mlに25グラムくらい。4ー6時間くらいで 苦味の少なく ほんのり甘さ さえ感じる 冷たい緑茶が手軽にいただける。だって仕込んでおけば冷蔵庫から出してコップに注ぐだけなんだから。

透明のガラスのコップに 冷たくて 少し苦くて少し甘い 美しい若緑色のお茶

喉から涼しくなるような気分だ。(今は冬だけど..寒いな..)

この水出しポット緑茶は 飲み切っても水を継ぎ足してまた冷蔵庫に置いておけば もう一回くらいは美味しく頂ける。
つまり やはりお茶の場合は 専用の茶漉し付きのポットが便利だと思う。

コーヒーについては、私はズボラなので
500ミリのペットボトルを使っている。
ペットボトルに25グラム位のコーヒー粉と水を入れて冷蔵庫にポイ だ。
これまた6時間以上置いて 取り出して
ドリッパーでコップへ直接漉し落とす。
一杯分出来たら ペットボトルにキュと蓋をしてまた冷蔵庫に入れてしまう。こうやって少しづつ飲んでも 5日くらいは冷蔵庫に放って置いても美味しく頂けるのではなかろうか。まあ500ミリのペットボトルなので だいたい3日くらいで飲み切ってしまうけど。

このペットボトル水出しコーヒーの面倒なところは ペットボトルの小さな口にロートを使ってコーヒー粉を入れる事であろうか。
ともあれ 市販のアイスコーヒーを買うのがバカらしくなる程 お手軽で美味しいのである。是非お試しアレ。

水出しが こんなにお手軽で美味しいと気付いたのはいつだったか。

私は同時期に昆布と鰹節の出汁も水出しで冷蔵庫に常備するようになった。

1リットルくらいのポットに昆布と鰹節と水を入れて これまた冷蔵庫に入れておくだけである

毎回 昆布と鰹節の出汁を煮出して 出汁を作るって料理本や料理人の呪いなんじゃないか。家庭では 日々の味噌汁一つにそんな事出来ない。粉末だしを使うのもしょうがないと思う。

だけれども 1週間くらい腐らない美味しい出汁が冷蔵庫に常にあるとすれば 毎日のご飯作りが途端に楽しくなると思う。

鍋に移しいれた 薄い黄金色の出汁。スプーン1杯味見すれば あとどんな調味料をどれくらい入れれば良いか 自身の食欲と感性を研ぎ済ませる。理想通りにいかなくたって近づけば楽しいものだ。味見しすぎて分からなくなるのもご愛嬌。

ポットから出し殻が料理に入るのが嫌なら手付きの金ザルかなにかで濾せば簡単だ。

この水出し出汁を使えば 様々な和食が 粉末出汁や市販のつゆを使ったようなワンパターンの味から解放される。まあ、市販の出汁粉を使っても もちろんそれなりに美味しいのだけど。

何よりも。何も化学調味料が入っていない、私が作った美味しい料理!
は気分から違う。基本の出汁が美味しいと料理の幅は広がる。

そして この常備 水出し鰹昆布出汁がいいのは
少量づつ気軽に使える事だと思う。
きんぴらや煮物、味噌汁少量、茶碗蒸し一人分 ドレッシングにちょっとだけ使いたい..などなどエトセトラ。

特に茶碗蒸しは出汁が最初から冷たいからこそ手間が減らせる1品だ。

バラ凍結の鶏肉を1カケ 電子レンジで解凍して 耐熱の器に ハサミでさらに小さく切り分けて入れる。冷凍ほうれん草を入れる。戻した乾燥椎茸も少し。椎茸を少し入れると途端に味が深くなるから私は必ず入れる。少しだけ。
そこに卵1個と出汁200ccをよく混ぜて醤油と塩で味を調節し 茶漉しで漉して入れる。
ホイルで蓋をして500wのレンジで5分づつ様子を見ながら加熱する。表面に透明のつゆが浮いたら出来上がりなのだが、ガラスの耐熱コップだと 容器の下まで出来具合が見えて分かりやすい。

あえてあまり具を入れない、
本物の出汁と卵のトゥルンとした茶碗蒸し。
唸ってしまうほどの美味しさなのだから。
熱いうちに匙ですくう フゥフゥと 口の中へ。
お腹まで届けば 寒い冬に 暖まる、ホッとする味なのだ。

お茶にしろ出汁にしろ 水出しってなんでこんなに美味しいのだろう。
水に少しずつ時間をかけて成分や味が溶け出していく、十二分に材料を活用できるという事だろうか。貧乏性の私にぴったりだ。

温かいお蕎麦のつゆなどに 大量に使いたくて
それが事前に分かっている時などは
お鍋に水を温めた所に火を消してから昆布と鰹節を入れて時間を置くという方法もとっている。
ゆっくりと でも少しだけ早く味が出るように。

そうかと思って コーヒーを急須でいれてみた。
急須にコーヒー粉をいれて熱湯を注いでしばらく待ってドリッパーで漉したのだ。
なる程美味しい。常識に囚われないやり方は大好きだ。実験しているみたいで楽しい。

料理でも何でも 少しだけ仕組みや道理がわかると
賢く生活できるのだと常々思う。
もっとたくさんの事を知りたいと思う。

#コラム #料理 #出汁 #茶碗蒸し #お茶 #エッセイ









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