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発達障害やグレーゾーンという言葉が流行った背景と、凸凹の考え方

私たち大人が子どもたちに残せるもの・臨床心理学シリーズとして
1,【からだと遊びの大切さ】
2,【大人の在り方】の続きです。

もし、あなたが子どもとうまく繋がれない、話を聴くだけのカウンセリングに限界を感じている、発達障害やグレーゾーンという分け方だけになっていることに疑問を感じているならば、ぜひ読んでいただきたいシリーズです。3部構成になっています。

あなたが、それまでとは違う深いレベルで、子どもとつながる・交流するという体験のヒントになればと思います。

3,所属とコミュニティ


「一人の子どもは88人で育てる」大げさな表現でしょうか。

私たちには、どこかに所属するという感覚、そして受け入れられ「ここに居ていい」という感覚が必要です。

親一人が倒れたら、子どもも一緒に共倒れしてしまったり、学校に合わなかったり、行けなかったりしたら子どもは居場所をなくしてしまう現状があります。

家庭か学校かではなく、それ以外の場所の選択肢が、多様性に沿って増えていくことで、子どもたちが必ずどこかに所属をしながら育っていけるような地域コミュニティがもっともっと生まれてくることを希望しています。

社会にて、所属やコミュニティが機能しなくなると、「一人で完璧にならなくては!」と思う人が増えて、平均に合わない子を服薬、教育で平均化するような雰囲気になってしまいます。

平成の時代に、急速に発達障害やグレーゾーンという言葉が流行った背景がここにあると、私は考えています。

よって、凸凹や苦手をなくして平均化する、という雰囲気を、平成から引きずって令和に持ち込むことに、警鐘を鳴らしたいと思います。

まずは、私たちカウンセラーや相談員が、この平均化の波に巻き込まれてはいないだろうか?と自問すること、そして意識を転換していくことが必要ではないでしょうか。


意識の転換とは?

  • ダメなところ(と思っているところ)、苦手なところにこそ個性がある

  • 凹の特性に救われる誰かもいれば、凸の特性に助けられる人もいる

  • 自分の凸凹を受け入れることのほうが、平均化して直すことよりも大切


凸凹があることで、人は人と一緒にいる意味が生まれてきます。つながりが生まれます。

一人を平均にしようとせず、人と人とで補い合う視点を持ちませんか?

子どもたちに信頼のまなざしと個性を面白がる目線を向けていきませんか?

そして、ここからは提言です。自分の子と他人の子の境をあいまいにして、【一人の子どもは88人で育ち合う】という感覚のコミュニティが必要な時代です。

当法人だけで叶うとは思っておらず、ぜひ共感してくださる方や、同じ思いの方と、まずは繋がっていきたいと思っています。


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シリーズ3部作を読んでくださりありがとうございました。こちらの3つにつてはHPのトップでも分かち合っています。

一般社団法人この花舎


その他。子どもの心のケガの応急処置や、トラウマに関する発信、子ども臨床について、スクールカウンセリングについてなども発信していきます。

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