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カウンセラーや相談員は、次世代の子どもたちに何を渡せるか?

私たち大人は(特に、カウンセラーや子どもの相談員の方は)次の世代の子どもたちにどんなバトンを渡せるでしょうか?

子どもの笑顔や無邪気さを守りたい。
何より安心を、ホッとする感覚を伝えたい。

そのためにはどうしたらよいでしょうか?

もし、あなたがカウンセラーだったり、子どもの相談員の方だったり、子育て支援をしたい方だったりしたら、私の臨床経験から以下の3つの大切なことを伝えさせてください。

🔶 からだ・遊び
🔶 大人の在り方
🔶 所属・コミュニティ

一つずつ見ていきましょう。
まず、一つ目は、からだと遊びについてです。

1,からだ・遊び

子どもの表現する言葉は、お話だけではなく遊びそのものが表現です。
そして、子育ては、生活そのものです。

そこで、私はカウンセリングの中でも、話を聴くことだけにとらわれない【ソマティック心理学】や【表現・アートセラピー】を取り入れています。子どもと遊ぶための引き出しを増やしたりグッツを作ったりする、「子ども支援者グループ」も2023年2月から始めることにました。

もし、あなたが子どもとうまく繋がれない、話を聴くだけのカウンセリングに限界を感じているとしたら、ぜひ「何を聴いているのか?」ということを意識してみてください。

  • 言葉、思考だけを聴こうとしていませんか?

  • 子どもの特徴を、自分の頭の中の発達障害の診断基準に合わせてのみ、捉えていませんか?

  • 子どもの身体で何が起こっているのかを理解していますか?

  • 子どものイメージの世界やファンタジーの世界の豊かさを、遊びというツールで表現してくれたとしたら、しっかりそれを受けとめたい、そう思いませんか?

これらを意識することで、きっと、それまでとは違う深いレベルで、子どもとつながる・交流するということになるでしょう。

ぜひ、あなたが発達障害などのレッテル貼りや、医療機関への紹介だけで終わらせず、【からだの声をきく】というやり方で、【遊び】を通して、もっともっと「目の前の人」つながることができたら、大切なものが次世代へと伝わっていく、そう考えています。

さて。ソマティック心理学という言葉についても見ていきましょう。

心理学の中でも新しい分野の心理学で、”ソマティック”というのは”心とからだ”という意味があります。

「新しい心理学の分野」と言いましたが、実は「古い」とも言えるのです。それは、ソマティック心理学というのは、「心とからだはつながっている」という考え方なので、私たち日本人の繊細な(四季や自然を、理屈ではなく感じやすい性質)にとても合った分野だと考えるからです。

心身一如(いちにょ)とも言い、昔からの東洋の教えに近い心理学とも言えます。

つまり、ソマティック心理学は・・・
日本から海外に行って、カタカナになって帰ってきた分野、とも言えるのではないでしょうか。


子どもの言葉は「遊び」

繰り返しになりますが、子どもは「遊び」でできています。
言葉で表現できない子も、遊びで表現してくれたりイメージや象徴で表現してくれることが多くあります。

また、育ちの途中で虐待を含む、危機にあった子たちには、複雑性トラウマや愛着の課題などが残ることが多くあります。このような課題は、発達障害と区別がつきにくいことも多く、トラウマは、からだに宿るとされています。

つまり、いくら思考や言葉で「もう、大丈夫だよ」「愛されてるよ」「安心して大丈夫だよ」と言われても、からだの反応として生き残るために、戦う・逃げる・凍りつくという反応が起こります。

そういう子どもたちに、言葉だけのカウンセリングを行なっても口を閉ざすか、聞こえのよい言葉で終わってしまい何も響かないか、どちらかです。そのため、子どもの言語である遊びを通して、からだに安心を伝えていくことが何よりも大切なのです。

次に、【大人の在り方】について書いていきます。

一般社団法人この花舎



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