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「キャリア理論」と「形」

就職活動や転職活動を行っている過程において「キャリアの不安」を抱かれる方は沢山いらしていると思います。このnoteでは、キャリアの考えを少しでも、参考にいただけるよう記載をしていきたいと考えております。

1)キャリアの起源

キャリアの起源は、前提具体的な記録は存在しません。
工業革命とも工業革命ともいわれておりますが、いずれも近代産業最盛期の時代となります。

重要な論点は、産業革命がもたらしたのは「資源」を富にする事として、人間社会の改革と進化になります。堅苦しく書きましたが簡単に言えば、低コストで「便利」を得る社会になっていく事と、定義するとわかりやすいです。おいしい食べ物が、簡単に食べられる。新鮮な水が飲める。などなど。人間社会が、商業を通じて、便利になっていく時代に、「キャリア」の概念が生まれました。

ここで、重要なことは、産業が大きくなればなるほど「職業」が多様化します。例えば、日本の江戸時代は、極論言えば「士」「農」「工」「商」しか仕事がありません。しかし、産業革命になれば、工業従事者にも、ねじを作る人、ねじを梱包する人、ねじを運ぶ人、などなど。職業の幅が圧倒的に増えていきます。その為、職業の大革命が、生まれたことがキャリアの起源と繋がります。また、近代においても産業革命の数だけ、職業が増えていき、社会の職業の複雑性そのものが、キャリア論という考えを生み出したといってもよいです。

2)職業選択理論(フランク・パーソンズ)

前段通り、職業選択の幅が広くなったことを伝えました。時代背景は、人口爆発に伴い、商業的活動の品質が、飢饉を防ぐことに直結する為、個々人と職業と組織の最適化を図ることを目的に科学しました。これが、「職業選択理論」と、いう概念です。詳細は割愛しますし、今ではなんら不思議ではない理論で、個人は職業を選びたいという意思があり、社会にも雇用の意思がある。「労働需要」と「労働供給」という概念を提起したことにあります。

パーソンズ:職業選択理論の図

近代社会では有体に存在しています。
例えば、事務職の有効求人倍率は0.3倍。ですが、建設従事者の有効求人倍率は7.0倍近いです。この例題でいえば、つまり、事務になりたい人よりも事務の求人は少ない。建設従事者の従事希望者よりも建設従事者の求人が多い。社会には労働需要が存在してる、と、いう理解を持つことが必要とされます。

3)個人で考えるキャリア論

近代の職業が多様であることは理解をし、社会の労働市場においても需要と供給が存在していることも理解をした。しかし、恐らく出てくる論理は、結局私は、何を考えれば良いのか。という考えだと思います。概要から詳細へ、徐々にご自身の日常へ繋げていけるように論理展開をします。

- 市場価値の定義

まずは、キャリア論を抑えるうえで重要なのは、市場価値から入りましょう。凡そ、就活の素人は、自分の欲求を言語化することから、就活をスタートするケースが多いです。しかし、パーソンズの論理でいえば、そもそも、市場には需要が存在しており、社会需要の方が個人の意思よりも力学を持ちます。なので、まずは、市場価値の定義から話を入れます。

「著作:転職の思考法」より抜粋


転職の思考法という、キャリアに関する書籍から引用した図を伝えます。
まず、ご自身の市場価値、というものについては「業界の生産性」「技術資産」「人的資産」の3つで構成されます。先に、取り除くべきは人的資産です。先に伝えますが、これは、自分に仕事を発注してくれる存在を全般さします。なぜ、取り除くか、といえば、意図的なつながりよりも自然の繋がりで出来上がるものだからです。例えば、高校時代の同級生と同窓会を行い、30年後お会いしたら、きっと、どなたかは某社の役員になっていたり、社会的ステータスの高い地位に至っていることもあるでしょう。逆に、20代の若手のうちに友人に対して、営業活動をしつこくしていたら、きっと、社会的ステータスを得たタイミングで、縁談はないと思います。要するに、仕事でつながった関係は大事にしましょう、くらいのレベルであって、今回のキャリア論では論じないようにします。

その上で、重要なのが「業界生産性」と「技術資産(職種)」です。

業界生産性から論じます。
まず、年収とは、個人の能力に必ずしも依存をしない、この理解を持ってください。一見、すると、イメージが付きづらいと思うので例題で以下記載します。例えば、「あなた自身」が、塾のアルバイトをするのと「あなた自身」がピザ配達のアルバイトをしたとします。時給は一緒でしょうか?
恐らく、この質問をして、実践をしたとしても、一緒ということはないと思います。ポイントは、あなたの能力に対価が支払われているのではなく、塾の労働者、ピザ配達の労働者、に対して、対価が支払われています。
能力は、前提、役割を得るために必要な過程ですが、価値とは、あくまで、社会における何、の役割を担うのかに依存をします。

技術資産とは、技術と、聞くと重たく見えますが、簡単に言えば、職業です。エンジニアも営業も人事も事務も、技術能力が必須です。簡単に言えば、職業経験になります。

- キャリア転籍について

市場価値の分類を理解した上で、転職活動を全般としたキャリア転籍について論じます。前段の市場価値の理論と同様の内容ですが、転職活動は「業界経験」×「職業経験」です。これで行われます。若干日本にいるとイメージが付きづらいのが新卒就活という概念が存在するからです。先に言えば、新卒就活は、「習慣」「文化」なので、キャリア論からすると、若干特殊な生業です。社会人経験、業界経験、職業経験もない、若者を、あらゆる職業で受け入れる、なんてことは、キャリア論の専門家から言わせれば大変歪な論理です。しかし、新卒の場合は「若い」ということと、年収が「安い」ということ。また、集団で基礎業務に従事させる、という組織の雇用コストを下げることで、起きている、若干の奇跡になります。

改めて、転職の労働市場の論理は「業界経験」と「職種経験」です。
未経験転職とは、業界を変えずに職種を変えるのか。職種を変えずに業界を変えるのか。を指します。しかし、業界と職種を完全に未経験で転職活動尾行う場合は、年収が極端に下がる可能性が高い、或いは、そもそも不可能に近く難しいです。日本の労働市場は、新卒採用には大変優しいが、中途採用には大変厳しいです。経験に依存をして、職業選択が、なされていく。と、いう理解を持ちましょう。

4)自身で描くキャリア選択

改めて、キャリア選択の論理的な道筋は、社会の労働需要と業界と職種経験と、いう簡素な、選ばれ方選び方が存在している、という論を、論じました。ただし、合理的な理解であって、恐らく読者となる方には、理解はできないが、自分には馴染まないと、感覚的な落としがいまいち落とせない方もいらしていると思います。その上で、自身の整理が必要です。

- 職業意思の調整


まず、キャリアを選ぶ時は、職業選択の理屈に落とすとよいです。
簡単に言えば、興味があるのか、やる気があるのか、覚悟があるのか。で、言語化をわけてください。素人が職業選択の理屈を作ると

ダメな例)私はポテトチップスという、お菓子によって人生が変わりました。このお菓子が、あまりにも好きで、この喜びを社会に届けたいです。だから、入りたいです。

の、ように言語化します。この場合、前段の図でいう、「興味」です。
仮にお菓子メーカーに入るとして、お菓子メーカーの職業は何を指すのか?そして、その職業が何を目標とした労働者なのか。そして、あなたを採用する理由はなんなのか?と、自分の思っている事をぶつけて終えています。

妥当例)私は、ポテトチップスを社会で最も広げた、トップセールスマンになりたいと考えております。昨今食文化が多様化し、ポテトチップス以外にも多数の食品が、氾濫する事で、収益性が落ちていると考えております。御社の歴史ある商品を途絶えさせない為には、圧倒的に小売業・外食業を始めとした顧客に対して営業開拓をし続ける事で、御社が目指す発展に繋がると考えており、私は、営業職として、御社に入社し、御社が作り続けてきた伝統を守り続けるような人物で在りたいと思っています。

文脈によっては、若干この文章だと浅い、甘い、はあるので、完璧だとは言いませんが、凡そ、消費者の目線ではなく、提供者の目線。そして、提供者の目線にとどまる事なく、当事者の臨場感を感じると思います。

簡単に言えば、キャリアとは、取捨選択で悶々とするのではなく、このように、雇用者に至るレベルまで、自分自身のメンタリティを極限まで高めるように意識することが必要です。

- クランボルツの計画的偶発性理論

計画された偶発性理論とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授らが提案したキャリア論に関する考え方。 個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。(wikipediaより)

簡単に言えば、人生一生懸命頑張ればいいことは沢山起きる。
キャリアとは結果論、でしかない。という考え方。

現在のキャリアの最先端は、逆算をしない人生になります。簡単に言えば、社会はVUCAという読めない時代となる、なので、結果的に逆算することは不可能に近い、という考え、前提とした考えです。つまり、社会は、非常に読めない、という前提をもって向き合うことが近代キャリアの基本となります。

5)キャリアの今後

ここで、小論と、小結論をします。このNoteでは、あえて合理的な結論をお届けします。

業界マップ:拡大産業は緑:収束産業は赤
※ コロナ明けなので、若干色合いが偏っています。

すごく簡単に言えば、「社会の需要」に答えることが、キャリアパス、だと伝えます。社会には社会のシステム・仕組みが存在しており、仕組みの中で、自己実現を果たしたいと、皆さんは思っていると思います。
と、すれば、結果、社会のシステムに選ばれることを入り口にしなければ、順序にズレを起こしてしまい、結果、自身の歩む人生イメージが持ち切れなくなる可能性が高いです。なので、社会が求めるものを答えにすること。これをお勧めします。

6)キャリア哲学

最後に伝えるのは、哲学です。簡単に言えば、論理的でも科学的でもない。
だが、共感的なモノを就活の軸にすること、きっかけになることを個々の言葉にします。

- マズローの欲求5段階説

大変使い古された論理ですが、簡単に言えば、人は、欲求の段階が5つ存在するという理論です。前段より伝えていたキャリア論は、需要と供給、合理的なメリットを言語化していました。しかしこの論理になぞれば、衣食住が一定安定すると、金銭感覚以上のものを人は求める為、キャリアとは、合理だけで、説明できないことを理解できます。

- キャリア・アダプタビリティ(マーク・L・サビカス)

「キャリア・アダプタビリティ」とは、個人のキャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力のことをいいます。キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後マーク・L・サビカスが発展させた概念です。マーク・L・サビカスは「キャリア構築理論」を唱え、そのなかの重要概念の一つとしてキャリア・アダプタビリティを挙げています。簡単に言えば、キャリアとは、抗議の人生観が存在しており、ライフスタイルと職業能力に合わせてキャリアを適合させると、良い、とする考えです。

- キャリアアンカー(エドガーシャイン)

キャリア・アンカーはエドガー・シャインが提唱した概念で、仕事や環境が変わっても「どうしてもこれだけは犠牲にしたくない」ほど大切にしているものとされている。アンカーは以下の8つに分類され、主体的にキャリアをデザインする際の指針となる考え。簡単に言えば、キャリアとは、産業界以外にも沢山あるが、自分の概念的な意思でも良いので、大事にできるものともって取り組むとよい、とする考えです。

- I型、T型、Π型…型キャリア

キャリアは、一つのものを極めるI型や、横展するT型など、転用する事を推奨したキャリアパスになります。このようなメタ認知を用いたキャリアパスを頭に入れることも手立てになります。

I型
スペシャリストのこと。縦棒が上下に伸びるようにある一分野に特化して秀でている人材を指します。戦後日本を支えた研究者や開発者、職人などが代表的で、かつては市場価値の高い人材の代表例でした。

一型
ゼネラリストのこと。さまざまな分野に浅く広く精通しており、いわゆる総合職や管理職に多いといわれています。

T型
I型、T型両方の側面を持ち、一つの専門分野に精通したうえで広い知識も有している人材。一つの専攻(メジャー)を有しているためシングルメジャーとも呼ばれます。グローバル化、多様化が進んだ社会では、専門分野がありかつ広い知識と視野を有するT型人材が活躍するとされてきました。

π型
2つの専門分野を持つT型人材のことで、ダブルメジャーとも呼ばれます。T型人材以上に稀少な人材です。

Δ型
3つの専門分野を持つT型人材のことで、トリプルメジャーとも呼ばれます。△型人材になればあえて幅広い知識を持とうとせずとも、市場から求められるといわれています

H型
深い専門スキルと広い知識を基盤として、ほかのT型人材とのつながりを仕事に活用できるT型人材のことです。異なる分野の専門家との協業によりイノベーション(技術革新)を起こすことが期待されるためイノベーション人材とも呼ばれます。デザイン・エンジニアリング、ビジネスなど現代の企業に必要な領域を越境して人材をつなげる役割を果たすことから越境人材と表現されることもあります。

J型人材とは、
専門性が高まることでほかの一流の専門家とのつながりを獲得するまでにいたったT型人材のことです。

-ライフシフト(人生100年時代:リンダグラットン)

過去のキャリア論は、「見習い期間」「労働従事期間」「引退期間」のように、生産労働と非生産労働を分けた労働観を前提としております。しかし、リンダグラットン氏は、人生を100年というスパンで見ることで、自身の価値基準と価値判断を広義にすることを推奨しています。

- ジョブクラフティング理論

仕事に対する向き合い方ひとつで、楽しさが異なる。イソップ寓話のレンガ職人の逸話とセットで語られるのが有名な理論です。

3人のレンガ職人に対して、「あなたは何の仕事をしていますか?」と質問をしてみました。

1人目は、希望・夢・志などの使命感はまったくありません。

ただ言われたからやる。言われなければやらない。

ただ“レンガ”しか見ていません。
作業としての仕事、労役としか感じていません。

2人目は、“お金を稼ぐため”に否応なしに働いている。
“壁”しか見えていません。「もっとお金になる仕事はないか」と頭の中はそれしかないでしょう。

3人目は、「後世に残る歴史的事業に参加して町中の人を笑顔にするため」
という志を抱き、明確な目的意識を持って働いています。
100年以上先に完成する“大聖堂”建設のため、仕事を“使命”と感じています。

- コンピテンシーモデル(マクレンド)

この手法は、1970年代からアメリカ・ハーバード大学のマクレランド教授(心理学)がMcBer社とともに、1973年に学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかを研究し、知識、技術、人間の根源的特性を含む広い概念として発表した。 コンピテンシー(competency)の定義としては従来、単に行動ディメンション、基準、特性、行動傾向を指すにすぎなかったが、ボヤティズ(Boyatiz,1982)によって次のように定義された。「コンピテンシーとは、組織の置かれた環境と職務上の要請を埋め合わせる行動に結びつく個人特性としてのキャパシティ、あるいは、強く要請された結果をもたらすものである」。また、「コンピテンシーとは、職務や役割における効果的ないしは優れた行動に結果的に結びつく個人特性である」とするEvarts(1987)の定義もある。 1990年代にアメリカで人材活用の場に取り入れられた。

- コネクティング ザ ドッツ(connecting the dots)” by スティーブジョブズ

スタンフォード大学の卒業式のスティーブジョブズの卒業式のプレゼンテーションで有名な逸話です。彼の自身の例でいえば、大学時代に学んだ、カリグラフィという授業。楽しくて夢中に学んだ東洋思想が、現在のフォントという概念(彼が世界で初めて発明した)を作り、アップル製品のクオリティの源泉となっている事。人生で頑張ったことはどこかで、繋がる、点と点が繋がるのが人生である、という考え。

https://youtu.be/VyzqHFdzBKg

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