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おうちで中華 - 溏心皮蛋酸姜(とろとろピータンと生姜の甘酢漬け)
今日の料理の主役は、再びピータン(皮蛋)。日本ではまだそれほど馴染みがない食材だろうが、ピータンを身近な存在にすると、簡単に酒のつまみを作れるので便利だ。
ピータン(皮蛋)
アヒルの卵に石灰や木炭を混ぜた粘土を塗りつけ、さらに籾殻をまぶして冷暗所で2か月程貯蔵したもの(伝統製法)。その過程で殻の中がアルカリ性になり、タンパク質が変性して固まる。そして、白身部分は褐色のゼリー状に、黄身部分は暗緑色になる。初めて食べる人は全員ギョッとするに違いないが、熟成が生む独特の香りと旨味は慣れればクセになる美味しさ。
少し前に姜汁皮蛋(ピータンのピリ辛生姜だれ)を紹介したが、今日はあれよりもっと簡単。材料を切って並べるだけなので、5分でできる。
その名も、溏心皮蛋酸姜(とろとろピータンと生姜の甘酢漬け)!
溏心皮蛋酸姜
tángxīn pídàn suānjiāng
![](https://assets.st-note.com/img/1675406546663-Kl4PR7Bn1d.jpg?width=1200)
この料理は、香港の有名店・鏞記酒家の名物料理。僕が初めて食べたのも、鏞記酒家でのこと。最初は正直、「これが名物?マジで?」と思ったものだ。だって、小皿にピータンと薄切り紅生姜がのってるだけなんだもの。
でもって、それを一緒に口に入れるだけなんだから、いよいよびっくりした。「これが名物?マジで?」って。
しかしね、ものには理由があるもんで、食べたらわかったのだ。ピータンのとろりとしたコクを生姜の甘味と酸味が上手く盛り立てて、見た目から想像するより遥かに旨い。
これこそ発想の妙だなあ…と思った記憶がある。生ハムメロンのように、意外な組み合わせの中に美味しさが潜んでいることもあるのだ。
僕のように思った人が多いからこそ、名物になったわけだろう。しかも、その波は鏞記酒家にとどまらず、いつの頃からか、香港や広州の広東料理店では定番の前菜になっている。
因みに、料理名の「溏心」とは黄身が半熟のこと。黄身が固いのは「硬心」。これの場合、「溏心」の方が黄身がトロリとしていて旨いと思う。
いざ作るに当たっては、切って並べるだけであまりにも簡単すぎるので、思わず生姜で薔薇なんて作っちゃった。こういうのも、たまにやると楽しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1675406590255-Vy6FaK7IMN.jpg?width=1200)
前回の姜汁皮蛋同様、この料理も、ピータンを好きな人にも苦手な人にも等しくオススメしたい。好きな人は絶対気に入る。一方、苦手なで人も、生姜の酸味と甘味が加わることで、食べやすく感じるはず。
さあ、皆さんもお試しあれ。レシピと呼ぶほどのものになり得ないので、一応、生姜の薔薇の作り方も書いておきました(笑)
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