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おうちで中華 - 蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)

今回ご紹介するのは、海南島の港町で知った海鮮料理。中国南方でよく獲れる小ぶりの牡蠣をたっぷり使った蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)だ。

牡蠣と卵というと、福建や台湾で人気の蚵仔煎(オアジェン)を思い出す人も多いと思う。僕も大好きだが、あれは材料的にも技術的にも少しハードルが高いので、より簡単で、美味しさは引けを取らないこちらを推す次第。


蠔煎蛋 蚝煎蛋
háojiāndàn

蠔煎蛋(海南島式・牡蠣の卵焼き)

福建や台湾の蚵仔煎(オアジェン)は、先に牡蠣を鉄板で焼き付けたあと、卵液を注いでオムレツ状に仕上げていく。卵液には地瓜粉(さつま芋粉)が入っているので、独特のぶわぶわした食感が生まれる。

一方、海南島の蠔煎蛋は、シンプルな卵焼きだ。牡蠣と卵液を最初から鍋に流し込み、両面をじっくり焼いて円盤状の卵焼きに仕上げる。

香ばしい卵焼きにジューシーな牡蠣が包み込まれているのだから、そのまま食べても旨いに決まっている。しかし、この料理は添えられる醤油ダレによって、旨さがブーストする。

醤油ダレは、醤油に泡辣椒(唐辛子の漬物)と大蒜を合わせたもので、海南島や広東・広西南部では海鮮料理に多用されている。このタレが半端ない。泡辣椒を箸で崩すと、辛味と酸味がうまく醤油に溶け込んで、見た目以上に深い味わいになるのだ。

現地だと、みんな卓上で調合する。

ほわほわ卵とじゅんわり牡蠣がこの醤油ダレに出会うと、嗚呼なんてこと!あまりの旨さに、ひとりでひと皿を瞬殺してしまった。

この料理に、高価な牡蠣は必要ない。むしろ安くて小ぶりな牡蠣の方が現地っぽい。500円程度で味わえる幸せとしては、なかなかのものだと思う。

ひと口ひと口が幸せ。

卵焼きをひっくり返すのが難しそうと思う人もいるかもだが、多少崩れようが焦げようが味は変わらないので、気負わずに作るのが大事(ぶっちゃけ、僕もそんなに上手くない)。なんせ旨いので、食べてるうちに多少の失敗は気にならなくなるはずだ(笑)。

牡蠣が美味しい今のうちに、気軽に作ろう!

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