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おうちで中華 - 魷魚蒸肉餅(スルメと豚肉の蒸しハンバーグ)

本日の「おうちで中華」は、広東の家庭料理である蒸肉餅を採り上げる。ひと言でいうなら、広東式ハンバーグだ。豚ひき肉のカタマリを焼くのではなく、蒸して火を通すのが特徴だ。

最もポピュラーなのは、咸魚というクセのある干し魚をひき肉に混ぜ込む咸魚蒸肉餅だが、日本だと咸魚の入手が難しい。そこで、今回はそれに勝るとも劣らずの美味しさで、スルメを使って気軽に作れる魷魚蒸肉餅(スルメと豚肉の蒸しハンバーグ)をご紹介する。


魷魚蒸肉餅 鱿鱼蒸肉饼
yóuyú zhēng ròubǐng

魷魚蒸肉餅(スルメと豚肉の蒸しハンバーグ)

この料理は干しスルメイカを水で戻してから刻んで使う。その発想が面白い。南方の広東では、痛みやすい魚介類をこうやって利用していたのだな。

豚肉は、市販のひき肉でも作れるが、本式は三枚肉を脂部分と赤身部分に分けてから、中華包丁で叩いてミンチにする。結構大変だけど、頑張れる人にはオススメ。自分で叩くからこそ生まれる多彩で力強い食感が最高なのだ。

材料を全て混ぜ合わせたら、円盤状に成型して蒸す。熱々の肉汁と共にレンゲでガブリ。広東らしい少し甘めの醤油味とピーナッツ油の香りが食欲を刺激する。荒々しい食感と共に、豚肉とスルメの旨味がじゅんわり溢れ出す。

食感も旨味も豊か。

手前味噌だが、むちゃくちゃ旨い。まあ、材料を混ぜて蒸すだけだから、誰でも美味しく作れるのだけれど。

で、皆さんお察しの通り、一番旨い食べ方はこれ。

オンザ白米!

蒸肉餅は、広東料理における最強の「ご飯がススム君」でもある。この料理ばかりは、この僕も酒ではなく白米。旨味のカタマリを、白米が優しく受け止めるんですなあ。

ガツガツガツっと食欲を開放して、ごちそうさま!クセになる旨さですよ。

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