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おうちで中華 - 鹹鶏(鶏の塩漬け干し)

そろそろ春節(旧正月)なので、今日は上海の春節に欠かすことのできない鹹鶏(鶏の塩漬け干し)をご紹介しよう。


鹹鶏 咸鸡
xián jī  

一年の中で最も寒さが厳しくなる春節前の一時期に上海のローカル地域を歩くと、奇妙な光景を見ることができる。軒先から外に向かって延びる物干し竿に、洗濯物と並んで、丸鶏や豚肉や魚がぶら下がっているのだ。

それぞれ咸鶏・咸肉・咸魚といい、塩漬けしたあと寒空の下で数週間干すことで完成する保存食だ。失われつつある上海の冬の風物詩である。

しっかり干し上げた肉は、鶏でも豚でも魚でも、独特の香りをまとい、旨味が凝縮された極上の保存食になる。単体で食べても旨いし、他の食材と合わせて使うと、完璧な味付け役になる。

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冷蔵庫なら数か月、冷凍庫なら一年の保存も可能なので、常備しておくと日々の料理を支える強い味方になってくれるのだ。

本来、咸鶏は丸鶏で作るものだが、それをそのまま紹介しても日本では需要がなさそうなので(笑)、今回は骨付き腿肉を使ったレシピを紹介する。丸鶏でも作り方は同じなので、入手できる人はお試しあれ。

また、今回は最もシンプルな咸鶏の食べ方レシピもつけておく。上海料理レストランには必ずあって、その店の実力を計る試金石ともなる定番料理だ。

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鹹鶏(鶏の塩漬け干し)

素晴らしい熟成香。程よい塩気。溢れる旨味。これに紹興酒を合わせてやると、おびただしく紹興酒が進む。ひと切れにつき、茶碗一杯。冗談じゃなく、それくらいの勢いで進む。

もちろん、酒と合わせなくたって美味しい。幼児の我が子も、骨を手で持って夢中になってしゃぶっていた。

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数週間待った甲斐があったという感慨を、ひと口ごとに感じられるはずだ。

レシピは単体購入もできますが、マガジン「秋から冬の中華料理20選」だとレシピ1本50円未満になり、大変お得です。

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