おうちで中華 - 涼拌青椒西紅柿(青唐辛子とトマトの冷菜)
今回は、これからの夏にぴったりの「中華サラダ」をご紹介しよう。涼拌青椒西紅柿(青唐辛子とトマトの冷菜)だ。SNSに載せたら大反響を頂いたので、早速レシピ化してみた。
涼拌青椒西紅柿 凉拌青椒西红柿
liángbàn qīngjiāo xīhóngshì
この料理と初めて出会ったのは、十五年以上前の湖南省・張家界だ。張家界は、高さ数百mを超える巨大な石柱が何千もそびえたつ奇観を誇り、映画アバターの舞台のモデルになったことでも知られている。
そこの食堂でさらっと出てきたのが、これ。見た目は刻んだトマトと玉葱のサラダのようで、中国にもこういう料理があるんだなあと思いつつ、レンゲを伸ばした。
数秒経って舌に走った衝撃を、今も忘れない。現地で食べたものには写真より遥かに多くの「青椒」が入っていたのだが、それは全て青唐辛子だったのだ。そう、中国西南部では「青椒」はピーマンではなく青唐辛子を指すのである。
生の青唐辛子は香りも辛味も鮮烈で、唐辛子が「香辛料」と呼ばれる意味を身体に実感させてくれるような存在だ。「こ、これはヤバい…!」と辛さに悲鳴を上げたが、不思議とレンゲを持つ手が止まらない。
生のトマトと玉葱は元々食欲を刺激するものだが、そこに生唐辛子の香りと辛味が加わると、ダイナマイトな刺激になる。中南米のサルサそっくりの組み合わせなのに、味は中華料理。これは、胡麻油の香りがポイントだ。
単なるトマトと玉葱のサラダが、生唐辛子と胡麻油で湖南料理に大変身。当時の僕は、組み合わせの妙に恐れ入ったものである。
旅行後、すぐにこの料理は我が家の定番になった。食材を刻んで混ぜるだけなので、あっという間にできるのがいい。ガバリガバリとレンゲを頬張り、麻痺した舌を癒すかのように、ビールをグビリ。たまらん!
この料理で、今年の夏を爽快に乗り切ろう!
ここから先は
よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは食材と酒徒のやる気に姿を変え、新たなレシピとなって皆さまに還元される寸法です。