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【自閉症の診断がつくまで】とその後【息子】

今日は私の1人息子の事を書きます。

現在息子は自閉症スペクトラムの診断が付いており、年齢は4歳です。

ざっくりとではありますが今回は、息子が生まれてから自閉症スペクトラム診断が付いて、その後の環境の変化や今の状況などを書きたいと思います。

同じ自閉症の診断がついたお子さんを持つ方や、この子ひょっとして自閉症なのかな?と思って情報集めをしていらっしゃるパパさんやママさん達のお役に、少しでも立てます様に。

そして私自身も、振り返りをしたくてここに書く事にしました。

ざっくりですが少し長くなります。

すみません。


息子が産まれた時から1歳になる間は、ただ一つ、【指差し】をしない事は以外は、特に普通の赤ちゃんと変わらない感じでした。

体の成長の速度も普通で、首も順調に座ったし、つかまり立ちは少し早かったかなと思うくらいでした。

【指差し】をしない事については、自閉症の診断がついた後に、成長過程でなくてはならない事だということを知りましたが、私にはこの息子が初めての子だったので、その事に気付いてませんでした。

一歳までに数々ある検診では特に何も言われず、困った事もありませんでした。

(思い返せば歯磨きは凄い嫌がったかな?けどまだ経験不足だからかな、って思ってました)

そして息子が1歳になると同時に、私達夫婦でパン屋開業をする為に、近くの認定こども園に預かってもらう事になりました。

保育園に預ける日の朝は毎日泣いているようで、最初はみんなそう、次第に慣れる、お部屋に入ってしばらくすればご機嫌で過ごしてます。などと先生が連絡帳を書いてくれ、私もドキドキと少し切なさもあり、子供の保育園生活を想像していました。

次第に慣れるかな?と思った保育園も、通わせてもらった3年間、泣かないで登園した事は一度もありませんでした。

更に、保育園の連絡帳にはこの様な事も書かれていました。

『お水が大好きで、蛇口から水をがチョロチョロ出ているのを触ったり、見たりすると泣き止んでくれたり、あとはピアノに顔が映るのが楽しいようで自分を映して笑っています』など書かれていました。

私はそれを見て、色んな事に興味を持ってくれて、保育園は有難いなぁと思っていました。

これも後々ネットで調べたら、自閉傾向の子どもは、お水が流れるのが好きだったり、鏡が好きだったりする子が多いようです。

連絡帳に書かれている事

丸々当てはまってます。

しかし私は何も疑問を持たず、子どもだったら皆んな好きな事だよね?と、楽観的に考えていました。

時が流れ、パン屋の仕事が毎日忙しく、開業してからの2年間は本当にあっという間でした。

もちろん、私達夫婦は仕事と家庭のメリハリをつける事が出来ず、とりあえずガムシャラに仕事をし、まだ赤ちゃんの延長線のような息子に手をかける事は出来ませんでした。

息子は保育園から帰ってくると義理の母や親戚、ご近所さんちにそのまま向かい、自宅にほとんど帰って来ませんでした。

更にその日の預かり先で朝を迎え、次の日保育園に登園していたので、私はめっきり顔を合わせる事なく1週間を過ごしていました。

唯一、週に一度のお店の定休日の前の夜は、息子が保育園から自宅に帰ってくるようにしていました。

次の日が営業日じゃないと、私も旦那も朝が少しゆっくりでいいからです。

大好きで大切な息子と、1週間ぶりに一晩一緒に過ごす喜びは、それはもう計り知れませんでした。

定休日の前の晩だけが、唯一

"お母さんという仕事"ができる

週に一度の大切な時間でした。

そんな生活が続き、息子がもうすぐ3歳になるよ、という少し前位の時。

担任の先生に、

お遊戯会の練習をしている息子の様子を見て欲しいので、保育園にご夫婦で来れませんか?

と、声をかけられ、私達の夫婦は参観日でもないのに揃って保育園に行き、息子の様子を見に行った事がありました。

そこで初めて、息子が他の同い年のお友達とちょっと違うんだ…と知り、愕然としました。

息子はお遊戯の練習中、立ち位置に立つ事もできず、皆んなが踊っている中でお友達の間を走りまくっていました。

急に寝そべったり、外に出て行こうとしたり、

目に見えた事全部に興味がいってしまっているようでした。

その姿は完全に他の子と違いました。

この時の担任の先生はベテラン先生でしたので、色んな子供を預かってきた中で、息子が自閉傾向にある事を、私達が気がつく前に確信していたんだと思います。

そして今回、私達に気付いてほしくて、保育園に呼んでくれたんだと知りました。


話が一旦外れてしまうかもしれませんが、

私達が息子の異変?への気付きが遅かった理由を少し書かせてください。

数年程話が戻りますが、

私は結婚してから主人の実家のある県に引っ越しをし、今となってはもう7年この地に住んでいますが、当初この地では友達と呼べる人が1人もいませんでした。

私は殆ど知らない土地でパン屋を開業して、約3年お世話になったこども園に息子を送って行く事もごくわずかで、ママ友も居ませんでした。(主人が手を止め、車で息子を送りに行っていました)

息子の保育園での出来事は、いつも送り迎えをしていた主人は先生から直接話を聞いていますが、私は主人から間接的に話を聞き、あとは連絡帳の書いてある事を読んで、把握しているつもりでした。

これはママ友が居ない事も原因だったと思いますが、土日もパン屋を営業させていたので、子供同士遊ばせる機会もなく、他のお子さんの情報が全くと言って良いほど私にはありませんでした。

なので、息子が私にとっての

【唯一の子供の見本だった】

から、息子の成長に疑問を持たなかったんです。

まさか、自分の子供が普通じゃないなんて、思いもしませんでした。

これが息子の自閉症かな?と疑いを持つ事がなかった原因でした。

今回もしかすると3歳で息子が自閉症だと知れたことは、一般的にそう遅くもないかもしれませんが、

自閉症などに強い病院の先生の診察や、保健施設での健診を受けていれば、もっと早く診断がついたかも知れません。

私達は経験値のある担任の先生が、保育園に私達を呼んでくれたおかげで、息子が他の子と違う性質がある事を知って、自分達から市の保健施設に連絡をして、保健師さんの相談、心理士さんの検診をえて、今の主治医の先生から自閉症の診断を貰いました。

診断がしっかり付いたのは、初めての主治医の診察から半年後で、息子が3歳半の時でした。

初診から診断が付くまで半年の時間がかかったのは、先生が何回も注意深く私達の話や息子の行動言動を診察してくれたからなのですが、なかなか診断を付けてくれない事が途中モヤモヤしてしまい、診断書が欲しいのを理由にしてこちらから早めに診断を付けてもらう流れにしました。

それくらい自閉症の診断を付けるのは、とても難しく、息子の特性が生活に支障をきたすものなのか、見極める時間を先生はしっかりととってくれました。

診断は付きましたが、すぐに発達支援センターなどの保育施設に通わせてあげられるわけではなく、発達支援センターは待機している児童が割と多く、希望する所は一年後の4月から入れるとの事でした。

すでに2年間通っているこども園の園長先生と、息子の今後について直接お話をさせていただき、

園長先生が理解がある方で、診断が付いてからの1年間も、そのままこども園の年少さんクラスで、加配の先生を1人つけてもらい過ごすことが出来ました。

年少さんクラスの子達は、みんなとても優しくて、息子が出来ない事は先生が助ける前にみんなが率先して助けてくれていたようです。

年少さんの時の息子は、朝のお支度やご飯の準備が一人で出来ない。椅子に座っていられないなど、やはり他の子との差がかなりあったみたいですが、年少さんくらいになると、同じクラスのお友達も、息子が少し変わった子だなと理解出来ているようで、手助けしてくれたり、息子が変な事をしていても特に怒る子も居なかったようです。

このこども園では3年間お世話になり、最後の日は先生方がみんなで息子を送り出してくれ、親としても感動の1日となりました。

そして、とうとう今年の4月から念願の発達支援センターに通える事になりました。

やっと入れたこの発達支援センターは、園内全部で4クラスあり、同じような症状別、自立度別でクラスが分けられていて、異年齢クラスです。

息子の初めてのクラスは、生徒11人に、先生が3人付いているクラスでした。

このクラスにも息子より年齢の上な姉さんお兄さんがいて、世話をやいてもらっているようです。

発達支援センターに通い、9ヶ月経ちますが、息子はみるみる出来る事が増えてきました。

(決してこども園が悪かったと言っているわけではりません。とても手を掛けてもらいましたし、どのように支援したら良いか、沢山考えていただきました)

発達支援センターに通いだしてから、私が特に成長したように感じた事の一部を挙げます。

椅子に座っていられる(こども園時代は興味のある作業をする時以外は立ち歩きしていた)
お友達の名前を全部フルネームで言える(こども園時代は他の生徒に興味がなかった)
パンツトレーニングで園内だと成功している(最近まで私がおしっこでそう?と聞いても無視だったのに、先生方どう指導したの?位、この件は成長)
運動会で立ち位置にたっていられる(こども園時代はいつもは砂いじりしたり、先生の抱っこだった)
お遊戯で振りやフォーメーションを覚えて少しの補助で出来る(こども園時代は、お遊戯やお歌が基本苦手意識があったのか、逃げ出したり怒っていたそうです)

大きく5つ挙げましたが、細かい事を入れれば、この9ヶ月で息子は本当に沢山成長しました。

発達支援センターでの支援で、自閉症の子の指導で特にいいな、と思ったのは、

【他人を意識する事を目的とした朝のお歌の時間】です。

自閉症の子は他人への関心が薄いので、生活していく上で必要な対人関係を築く事が難しいとされています。

発達支援センターでは、そこに大きく働きかけてくれて、クラスごとの朝の会で、お友達の名前と顔の一致を入れた歌詞や振り付けがあるお歌を、必ず毎朝みんなで輪になって歌います。

他にもお友達とお歌でタッチ、ハグするレクリエーションもあるようです。

そのおかげで息子も昔より他人を意識するようになり、私が今日園でなにやったの?と聞くと、『〇〇ちゃんの誕生日でおめでとうと言った』『〇〇くんはお休みだった』などお話してくれます。

息子は現在学年で言うと年中さんなので、この発達支援センターに通う事が出来るのは後一年ちょっとです。

この支援センターと出会えて、

息子や私達が去年より生活しやすくなり、

気持ちもポジティブになれたと思います。

更に、一番良かったのは、

息子自身、出来る事が増えたり、小さいステップアップ事に自分に自信をつける事が出来ている!

事です。

残りの発達支援センターでの時間と、家庭での働きかけは、本当に大事にしていきたいです。


息子の4年間を凝縮したつもりでしたが、かなり長くなってしまいましたね。

最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

まだまだ息子の事、書いていきますね☺︎


▼追記です。

家庭での働きかけについて。

息子はつい一年前くらいまで、ほぼお喋りせず、親に何かして欲しい事がある時は、私の手を引っ張り、その場所に連れて行ったりして教えてくれました。(自閉症の子特有のクレーン現象です)

息子の要求は、クレーン現象でだいたいの事は理解出来ましたが、

時に息子が複雑な事を要求していたりすると、分からない事も出てきます。

私が分からないと、大号泣したり、叩いてきたりして、それがお互いにストレスになっていました。

『身振り手振りじゃなくて、言葉で何したいか教えてくれたらいいのにな』

と、何度も思いましたが、そんな息子に私もどうしてあげたらいいのか分からず、そんなストレスが日々続いていました。

そんな時、息子への働きかけでとっても参考になった本に出会いました。

たまたまかもしれませんが、息子への声の掛け方を変えたり、無理の無い訓練(あえて訓練する時間はとっていません。日常生活中に組み込んでました)で、息子が言いたい事を、少しづつ言葉にしてくれるようになったんです。

この本は有名ですので、このジャンルでお探しの皆さんは、一度もう手にしてるかな?と思ったのですが、、

この本で一番効果を感じた事は、

お喋りが遅いな、、と感じていた時に(今でも)、本に書いてある内容をそっくりそのまま実践して、割と早く息子が私との会話に熱心になってくれた事です。

子供の自信をなくさない声掛けが本当に大事な事なので、期間が空いてまたふと読み直すと初心に戻れます。

実践しやすいですし、書いてある事全部やらなくても、一個でも良いと思います。

少しづつ、その子のペースでいいんです。


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