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言われて嬉しかった褒め言葉【3選】

1つ目

法律事務所の就活は、一般的な就活に比べたら売り手市場で就活生に有利だし、より対等な感じはするけれど、面接で聞かれる内容は一般的な就活と似たようなものだ。
志望動機、長所、短所、ガクチカ、それに加えて法曹を志望した理由や、やりたい法分野なんかを聞かれる。

私はこの「就活の常識」みたいなものに馴染まなくて(馴染めなくて)、ずいぶん不器用で下手くそにやったなぁと思う。(人当たりの良さで乗り切ったと思っている。)

たとえば、採用面接で、嘘がつけなかった。

「自分の短所はどこだと思いますか?」と聞かれたとき、一般的には、乗り越えられる「短所」を言わなきゃいけないとされている。私はというと、かなり際どい短所を連発してしまう。当然「長所変換」というものができなくて、結構詰められて、「今後どうにかしたいと思っています。」とか言った。

やりたい法分野も、ある程度その事務所に合わせにいくのが通常だけれど、私の場合、ほぼ企業法務しかやらない事務所で「一般民事がやりたい」とかほざいた。これにはみなさん苦笑いして、その後やっぱり結構詰められた。

(ちなみにここで言う「詰められた」というのは、単に「質問を重ねられた」くらいの意味。圧迫面接みたいなものでは決してなくて「ミスマッチを防ぐために聞いてるんだからね」と言われた。)

でも、その事務所に入りたい思いは本当だったので、一生懸命に気持ちを伝えた。「たしかに〜ですが、でも〜と思っていて…」そうやって何度もやり取りしていった。(結局ミスマッチを起こして辞めたわけですが、それは今回置いておきます。)

一次面接はわりとひどかったけれど、その後結構反省して、大学の教授や、就活が得意だった民間の友達にお願いして面接練習に付き合ってもらった。自分でも詰めて考えて、最終面接までにはなんとかマシな仕上がりになった。(ちなみに面接は2回で終わった。)

そのときに、ベテランの弁護士がかけてくれた言葉が、ずっと自分の中に残っている。

「〇〇さんの言葉は、なんというか……率直で、その率直さが、すごく胸を打つなぁ。」(〇〇さん=私)

嘘がつけなくて、不器用で下手くそだけど、でも「私が喋ってる」ってちゃんと伝わってるんだ、って分かって、すごく嬉しかった。

それからというもの、「率直さ」という言葉は、私の人生のキーワードになっている。率直で飾らない、自分の中から湧いてきた言葉が、一番伝わるよな。

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2つ目

続いても就活のとき、これは、高校からずっと仲の良い友達がくれた言葉。自己分析に役立てる気持ち半分、好奇心半分で、「私の長所教えて〜」とお願いした。

「〇〇は、バランス感覚がいいよね。」

「1対1でも複数人でも、会話してるときによく思うなぁ。バランスを取ろうと調整しているのが分かるし、実際、バランス感覚が良いと思う」と。

こう言われて、すごくハッとした。たしかに私、ありとあらゆる会話(というか人間関係)で、バランスを意識してるわ、と。

自分が喋る量と相手が喋る量、流される部分と流されない部分。距離感。あとは、複数人の会話では意見が偏らないように(誰かが1人にならないように)とか。だから集団に入ると結構疲れちゃうこともあるのですが、こうやって気付いてくれてる人がいるんだ〜と驚いた。

このとき友達が褒めてくれてから、「あ、自分、今バランス取ってるな」と、メタに意識することが増えた。そして、この「バランス感覚」については、自分でも結構いいぞと思えるようになった。(もっと省エネで使えるようになりたいところですが。)

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3つ目


最後の1つは、誰が言ってくれたという感じではないけれど、このようなニュアンスの言葉を言ってくれる人が時々いる。

「〇〇さんといても、緊張しない。」

これは、そうだなぁ、自分と同じ進路を目指している後輩とか、初めてデートする相手とか、類型的に「この場面では普通緊張するよな!」みたいな人たちが、よく言ってくれます。

私は友達でも先輩でも上司でも、一緒にいて緊張しないが好きだから、緊張させないのって、我ながら、なかなかいいぞ、と思う。

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修習時代の指導担当から「〇〇さんは、褒め言葉を拒絶する癖がある」と指摘されたのが2年前。長いこと、この言葉を反すうしては「たしかにな〜」と思ってきた。

少し話が変わりますが、昨日、念願の「読書会」なるものに参加して(ちなみにめちゃくちゃ楽しかった)、その中で「他人の評価を気にして本質を見失っちゃうことってあるよね〜」という話をした。

そこで「褒め言葉も似た構造なんじゃないか」と、話してくれた方がいた。
「『褒められる』ってことは、他者の評価が入ってくるってことで、褒められたことで変に意識してしまうというか、『ちゃんと褒めてもらえる自分でいなきゃ』と固くなってしまう」と。

私はこれに激しく納得した。そっか、私が褒められたときにちょっとモゾモゾしてしまうのって、ハードルが出来たように感じて、なんとなく窮屈になってしまうからなのか。

と、ここで、ちょっとした矛盾に気付く。
「あれ?でも上であげた3つは、言われたときも言われた後もずっと嬉しくて、自分を窮屈にするようなものではなかったぞ?」と。

私が苦手とする(自分を縛る感じがする)褒めことば第一位は「優秀だね」で、特に同業から言われると辛い。社会的な地位みたいなのを褒められるのもあんまり嬉しくない。「成功してる」みたいなやつ。あと「元気、明るい」は(言われたら嬉しいし、言われたがるときもあるのだけど)時々プレッシャーになってしまう。

うーん、上の嬉しかった3つは「わたしが(意識的/無意識的に)やっているけど、自分では気付いていたかった点/言葉にしたことがなかった点」を褒めてくれたものなんだよな。自分としても、具体的だし納得感があった。「わー、そういう言い方とか見方ができるんだ」って、気付きに変わった。

「優秀」「成功」「元気」「明るい」らへんは、ちょっと抽象的なんだろうな。どんな具体的なエピソードへの評価なのかが分からない。
それで、一番大きいのは、自分が繊細に内容量みたいなものを決めていきたいカテゴリーだっていう点なのかな。

あ、ちなみに、私の職業や(キラキラ)経歴の話をすると、予定調和的な相槌として、ほぼ確実に「すごいね、優秀だね」と言われます。なんかそれは「言わせてしまっている」「言うことを強制してしまっている」側面があると思っていて、これにはなんとも思っていないというか「言わせてしまってすみません」と思っています。すみません。(早口)

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うーん、褒め言葉って難しいなぁ。
褒める=いいことみたいに思っていたけど、相手に不快感を与えちゃうこともある。よかれと思って言ったことが、逆効果になることもある。

考えすぎたら何も言えなくなりそうだから一応自分としての結論を出すと、基本的な考え方として、自分から湧き出た率直な言葉は伝わりやすいと思うんだよな。(あれ、どこかで聞いた言葉。)「あ、いいな」と思ったことを「わー、いいね」って言葉にするのは、いいことだって思うんだよな。
伝わって、喜んでもらえる褒め言葉が使えたら、なおよし。

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