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ストレス指数が「0」になった地蔵づくり体験をしてみませんか?

こちらの素敵なサイトをご存じでしょうか。
伝統工芸の体験やアート鑑賞、特別拝観など、とても貴重な体験を紹介されており、行きたいところがたくさんありすぎていつも迷います。

そのなかで、私の目に留まったのがコチラ。

お地蔵様って自分で作れるの?と思いながら、読み進めば進むほど一気に惹きこまれて即ポチしました。3月は何かと仕事が年度末と4月の入社式の準備でてんてこ舞いな日々。ゆっくりのんびりする時間を作りたい!そう思って申し込みをしました。

初日

やはりスタートの春分の日に予約。第1回目は、彫刻というか小刀になれるために、ひのきの板から蓮の花びらを丁寧に削る練習をしました。

ひのきの良い香りとともに、削る音。
これがもうただただ私には癒しの時間でしかありません。

仏師!と聞くとどこか厳格そうなイメージでしたが、野田さんはとても面白くお話上手な方で、すぐに緊張もほぐれました。

手元の小刀を扱いながらお喋りに集中しすぎると危ういので、めちゃくちゃ静かにただ一心に削っております。そんな感じで初日はあっという間。小刀にも慣れてきて、残りは宿題となりました。

蓮の花を丁寧に削っていきます
夜中に削る音だけが響いてほんと癒し
細かく削るので、削り屑も細かくて薄い

夜中にめちゃくちゃ集中してしまって、寝不足になるくらい、永遠に削っていられる。手先が器用な私は、彫刻が好きなのだと確信。

二日目

仕上がった蓮の花を見せると、「気持ちよく掘ってるのが出てますね」とお褒めの言葉。そりゃあそうです。ずっとご機嫌で触ってましたから。

そして、いよいよ童地蔵を彫っていきます。と入ってもあと2回でカタチにするので、ある程度は準備していただいてました。

一番左がスタートの子です
ずらっと工程はこんな感じで進みます

これだけでも可愛すぎますよね。
こうやって、多面体の面を順番に削っていく。そうすることで統一してだんだんと丸みを帯びてくるわけなのです。

合掌!!
一番左がスタートの子が
たった1日でここまでになりました
左:2日目終わった直後 右:そのあと家で真夜中の宿題

左:これでもまだまだ光にかざすと、面が目立ってるのがわかりますか?
右:それをさらに薄く薄く削っていく作業を続けるだけ。

できるだけ凸凹がなくなるまで削るのが2日目のゴールです。

ふと、スマートリングでストレスレベルをみたら、なんと作業している時間が『レベル0』だったんです。

驚きですよね!!
リングは外してないので、もしかしたら何かの誤作動なのかもしれないけど、私は「ストレスフリー」の時間だったと信じています笑

三日目

できるだけ表面がツルツルになった状態で3回目を迎えました。とりあえずは合格点をもらえたので、残っていた手の合掌の部分と足元を作ったあと

耳を削っていきます。

耳は細かいカーブなので
何度も何度も頭をくるくる上下しながら
細かく削っていきます

ジャン!!
いよいよお顔入れです。

まあるくかわいらしくなってきました

鉛筆でお顔を下書きします。

お顔は創作者に似るといわれているそうです。
童地蔵は子供なので、パーツが中心に寄っている方がより子供っぽくかわいい感じになるらしい。

こんな感じになる予定。。。

ここから顔パーツを削っていくのがすごく時間もかかって難しかったのに、動画撮影の画角がずれててほとんど手元が撮れておらず泣

(途中の画像はありませんが、、、)

なんとか完成しました。

正面や
左右ゆっくりと眺めて
背中の感じとか
お顔の感じはこんな風になりました

なかなか3時間の中では完璧には仕上がりませんよね。

ここで完成として終わってもいいですし、ここからお家で削って続きをしてもいいようです。もちろん、私はさらにツルツルに仕上げたかったので小刀をお借りして続きを削る予定です。

はじめての童地蔵創作はこんな感じです!


桜の季節に3日間、京都の八瀬に通って、集中して彫り進めてこんなに可愛いお地蔵さんが出来上がりました。 
とりあえずはここまで仕上げられたことに感謝です。

仏師の野田さんからいろいろお話しをうかがい、その時間も私にとってとても学びある時間となりました。

ちょうど同じタイミングで、瞑想練習も取り掛かっていたところだったので、いかに「今」に集中できるかが課題でした。


エゴにとらわれず、承認欲求に流されず、思考を入れずに彫ることができるのか。ただ素直な気持ちでどれだけ作品と向き合うことができるのか。その大切さを少し知ることができたように思います。

童地蔵を彫るという体験ではありますが、つくる→完成。で終わってもよいのです。しかしそれだけではもったいないし、それだけで終われる体験ではなかった笑

「作品を作る体験」というと、完璧を目指して上手に完成するだけに執着してしまいがちではないですか。

私も最初は、どんな風にできるのか、どれだけ素晴らしいものができるのか、という期待にとらわれていました。

しかし、作業を進めていき、野田さんと仏師のことや仏さまのお話、仏像づくりについて少し垣間見えてくると、そんな期待に執着していた自分が恥ずかしくなってきました。

確かに「上手にできたお地蔵さま」にしたいと思っていましたが、不思議なことにずっと触れて、ずっと眺めて、ずっと削っていると、「完璧なお地蔵さま」よりも、ただずっと「愛でていたいお地蔵さま」になっていきました。

この感覚を得るために私は、この体験に導かれたように思えます。

そしてここからさらに、仙台や九州のお寺を訪問する旅へと続くことになります。


仏さまとの出会い、慈愛や癒しというテーマ、禊と手放しという課題。このすべてが今の私に必要なことであり、その流れにのって経験していくうちに課題をこなせていけるように思います。

「完璧にする」これは大事なことではありますが、その一点に集中するのではなく、全体をみてバランスをみて修正をしていく。

まずはその一点にとらわれすぎている自分に気づくこと。
何に執着しているのか、その執着は必要なのか、それに気づけることで次に進める。

気づけないことが多いし、気づかずにいることが多い。過去をみたり、未来をみたり、今この瞬間を見ていない。

そんな自分とがっつり向き合う時間にきっとなると思いますよ。ぜひ京都近郊の方は、八瀬造佛所をのぞいてみてくださいね。

野田さんの作品は、丁寧で素晴らしいですよ。間近で拝見できるのでそれだけでも大興奮です。



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