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縁かがりのコツ、お伝えします

こんばんは、ちいさなかべかざりです。
週末はどうやら生憎のお天気とのことだったので今日は外をうんと走りまわり遊んできました。
雪がとけて外で遊べるって素晴らしい。
( ...と書いているところで睡魔に負けてしまったので、土曜の更新です。)

今回はちいさなかべかざりの刺繍作品には欠かせない“ふちかがり”についてお話ししようと思います。

ふちかがりがすき!

主役は“ふちかがり”
ふちかがりって本来は、布端の処理方法のひとつなのです。
刺繍が終わったフェルトや生地をブローチに仕立てるとして、端処理は切りっぱなしだったり、ビーズでかがったり、生地の余白を残して後ろに折り込んだり。
その中にふちかがりが入るわけなので、本来は刺繍部分を引き立てる脇役。
わたしはそんなふちかがりを主役にしたブローチをお仕立てしてきました。

ふちかがりの始まり
2015年にちいさなかべかざりとして作品を販売して間もなく特集に掲載された“ maru brooch ”です。
この特集掲載のおかげで今があると言っても過言ではないほど、これまでたくさんのご縁を結んでいただきました。
シンプルな正円のふちかがりなので、糸の艶感がいちばん伝わりやすいかなあと思います。

[受注制作]
maru brooch ◯ ( 刺繍ブローチ )
https://minne.com/items/2556718

1作品に使用する色数を抑えているので、頭を使わずに無心で刺すことだけに集中できたりします。
好きなテレビ番組を観ながら、録画した映画を観ながら、息子のおうち遊びを見ながら...などなど“ながら作業”にはぴったり。

逆に「心の乱れは針の乱れ」とでも言えば良いのか“今日は全然糸目が揃わないなあ!”なんて投げ出したくなる日も時々。

ふちかがりのコツ

時々いただく「ふちかがりのやり方を教えて!」という質問について、今回は可能な範囲で書き出してみたいと思います。

①糸は4本取り

刺繍糸を2本長めに引き抜き、針に通して中心で折り返します。
(ブローチなど裏処理で隠れる場合は玉留めを行います)
糸を4本引き抜いて針に通す4本取りは、針が布やフェルトを通る時に厚みがでて干渉しやすいのでわたしは避けています。

↑以前も紹介した、右のような状態で糸を2本通して4本取りにします。

②フェルト・生地を重ねる場合は必ずしつけ縫い

ふちかがりを均一の幅で刺したい時こそ“急がば回れ”だと思っています。
しつけ縫いをせずにふちかがりに進むと、1周刺し終わる頃には上下の生地が数ミリずれていたり、ふちかがりの幅が違っていたり。
しつけ縫いの目を丁寧に刺すことで、ふちかがりのガイド線になったりもするのでぜひ試してみてくださいね。

③裏から表に向かって刺す

これはあくまでもわたしの場合なので、人によって相性の良し悪しがあるかもしれません。
ふちをかがる際は裏から表に向かって刺していきます。

④糸は指の間に挟んで引き抜く

工程④からは、針を持つ手よりも、モチーフを持っている手の感覚が重要になってきます。
ふちをかがる際は糸が捻れないように、糸を指と指の間に挟んで引き抜きます。
わたしの場合はイラストの通りに中指と薬指の間に挟んでいます。

⑤糸はたるませずに縁に沿わせる

捻れないように気をつけて引き抜いた糸は、ピンと張ったまま人差し指でふちに沿わせます。
この際、4本取りの糸が平らになるように気をつけます。
重なってもいけないし、隙間が空いてもいけないし...初めの頃はここのコツを掴むまで時間がかかりました。
( そんなわたしは、この部分を刺し進める時はいつもとあるおやつが思い浮かびます )

⑥常に上り坂を意識する

正円や楕円など、単純な形はぐるりと一周かがってしまっても綺麗に仕上がるかと思います。
が、しかし、複雑な形のふちかがりは下り坂に弱く、ふちをかがっても糸が動き隙間が出来てしまいますよね。
そういうときは重ねて縫うと厚みが変わりガタガタしまうので、一度糸の処理をして少し離れたところから反対まわりに刺し進めます。
常に平たんな道か、上り坂をイメージして刺していくと自然と糸同士がギュッと整列して綺麗な仕上がりになります。


以上、わたしがいつも刺している“ふちかがり”のコツでした。

人にものを教える/伝えるということに長けていないなあと思い続けてここまで来たので、ひとりでも興味を持ってくださる方がいると良いなと思って文字におこしてみました。
( 文字でお伝えするには限界があるので、この記事を参考に今後ライブ配信などを用いてお伝えする機会があれば良いかなあとも思っています! )

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の更新は4月23日(金)を予定しています。


おまけ:糸を平らにする時に思い浮かべてしまうおやつ。これです。このくらい4本取りの糸を平らにならして、ふっくらつやつやなふちかがりを楽しんでくださいね。

“活動を応援したい”と思ってくださった温かい心の持ち主さんのために、今後の活動と作品を通して恩返しができるよう日々手を動かしつづけています。よろしくお願いします◎