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オペラ:ドルトムント・オペラ、ワーグナー《ラインの黄金》(5月24日)

5月24日、ドルトムント・オペラのワーグナー《ラインの黄金》新制作を観ました。初日は5月9日だったのですが、この日はウィーンにいたため、24日に出かけました。
一昨年から始まったコンヴィチュニィ演出の《ニーベルングの指環》ですが、《ワルキューレ》、《ジークフリート》、そして今年は《ラインの黄金》の新制作です。→

劇場、横側から。

客席。

オーケストラ・ピット。かなり深くしています。

プログラム。

左のページにファゾルトとファフナーの写真がありますが、この歌手2人、背がとても高い。
作品を知っている方なら、花を持っている方がファゾルトだとすぐわかりますよね。
ファゾルトはフライアのことを本当に愛してしまい、フライアに花を捧げます。
ファフナーは愛情を知らない。興味は金と権力だけです。そのためにはファゾルトを殺します。
《指環》最初の殺人事件。


カーテンコール。
ステージの両サイドにハープが3台ずつ並んでいます。これは最後のシーンで絶大なる音楽的・ドラマ的効果を生んでいました。


上の写真で横断幕が見えますが、ワルハラ入場では客席に下のビラが撒かれます。
《ラインの黄金》の最後でラインの乙女3人が歌うテキストです。
「欺瞞と卑怯、上の方で喜んでいるのは!」

いや、とても楽しみました。
さすが、大御所の仕事です。

来年はいよいよ《神々の黄昏》。
これは2000年のシュトゥットガルト・オペラの新制作を引き受け、再演します。
ちなみにシュトゥットガルト・オペラは昨年、新制作を出したので、シュトゥットガルトでコンヴィチュニィ演出《神々のたそがれ》を観ることはできません。

2000年の『ミレニアム・リング』、コンヴィチュニィが演出家としてもっともアブラののった時の仕事、当時のオペラ界の最大の話題になり、さまざまな賞を独り占めしました。
DVDの日本語版も出ています(私が解説を書いています)。
どれだけ観たかわからない制作なのですが、また来年観るのが楽しみです。

見逃した方は是非どうぞ!

FOTO:(c)Kishi


以下は劇場提供の写真です。 (c) Thomas M. Jauk

もう何回も書いてきたのですが、「良い演出とは?」と訊かれると、私の答えは「誰が誰だかわかること」。
この写真で、誰が誰だかほぼわかるでしょう。
「ほぼ」というのはファフナーとファゾルト、ドナーとフローはこの写真だけでわかるのは難しいと思うからです。上演ではすぐわかります。
フライアのリンゴは風船。彼女も手に持っています。しぼんでしまうので笑える。

シュトゥットガルトの《神々のたそがれ》を知っている人なら、この《ラインの黄金》の設定とつなぎがわかるはずです。

ヴォータンとローゲ。ヴォータンの槍がマンモス(?)の骨、というのも笑える
第三場、ニーベルハイム。
タブレットを操作するアルベリヒ。
労働者が持っているのは核弾頭。
倒れているのはミーメ。オッペンハイマーというところでしょうか。


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