ミュージカル:《魔笛》世界初演 Das Musical Zauberflöte, Deutsches Theater 12.04.24
4月12日、ミュンヘンのドイチェス・テアターでミュージカル《魔笛》世界初演を観ました。モーツァルトとシカネーダーの《魔笛》をミュージカル化したものです。
ミュージカルにはオペラ作品をもとにしたものがあります。たとえば、
《レント》← 《ラ・ボエーム》
《ミス・サイゴン》← 《蝶々夫人》
もっとも有名なのは《ウエスト・サイド・ストーリー》← 《ロメオとジュリエット》ですが、これはもとはシェークスピア原作の演劇だということは言うまでもありません。
《魔笛》は1791年の世界初演以来、音楽舞台作品の最長ロングラン、もっとも多くの観客を集めています。
ドイツ劇場協会はオペラ、オペレッタ、ミュージカルの上演の統計をとっています(ドイツ、オーストリア、スイスを含む)。
昨年、発表された21/22シーズンの統計では、《魔笛》のドイツにおけるプロダクション数は21、上演回数は245回、観客数は104,594人でした。ちなみに、これはまだコロナの影響が残るシーズンでした。
これだけ知られた《魔笛》をミュージカル化するにあたり、多大な勇気が必要になることは言うまでもありません。
ドイツ観光のメッカ、バイエルン州南端にあるノイシュヴァンシュタイン城の近くに、ミュージカル劇場の『フェストシュピールハウス・ノイシュヴァンシュタイン』があります。ここは大ヒット作の《ルートヴィヒ》をはじめ、多くのミュージカル・ファンを集めています。
現在のダイレクターであるベンジャミン・ザーラーは、しかしコロナのロックダウン時に「ヒット作とはいえ、ルートヴィヒはシュタルンベルク湖に沈むし、ツェッペリンは爆発してしまうし、もっと明るい幸せな作品を上演したい」と思い、《魔笛》のミュージカル化を考えたそうです。
さらに誰もが知ってる《魔笛》ですが、実はよくわからないことが多い、とずっと思っており、もう少しわかりやすくしようと思ったそうです。
そこで高い評価を受けているミュージカル作曲家フランク・ニムスゲルンに相談し、制作にとりかかりました。
上記の話は世界初演の一週間前に、ミュンヘン・ドイチェス・テアターで行われた説明会で明らかにされました。
説明会が行われたドイチェス・テアターのシルヴァー・ザールはバロック様式が美しい。1896年にでき、1943年の大空爆の被害を免れ、現在もその姿をとどめています。座席数230、立ち見を入れると399人の収容が可能です。
この日は話だけではなく、出演歌手がニムスゲルンのピアノ伴奏で一部を紹介しました。
さて、4月12日の世界初演時の写真です。
劇場内部。
休憩時。
左の男性の靴、さすがに目立ちました。劇場内では電飾を切ったのでしょうか?
プログラム。
ミュージカル《魔笛》、ドイチェス・テアターでの公演は4月21日までですが、その後、今年は5月と9月にフェストシュピールハウス・ノイシュヴァンシュタインで上演されます。
FOTO:(c)Kishi
以下はドイチェス・テアター提供のステージ写真です。© Michael Böhmländer
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