サッカー・ユーロ2020、2時間後にFグループ最終戦ドイツ対ハンガリー。スタジアムをレインボー照明することをUEFA(ヨーロッパ・サッカー連盟)が却下

今日はこれから2時間後にグループ最終節でドイツ対ハンガリーの試合が始まります。ドイツは初戦でフランスに負けたものの、ポルトガルに快勝し、決勝トーナメント進出をかけて重要な一戦です。

ドイツのキャプテン、マヌエル・ノイアーは6月からレインボーのキャプテン腕章を付けています。

レインボーはLGBTの象徴。 

そして6月はLGBTなどのマイノリティーの人たちの権利の向上に、より注目を訴える『Pride Month』です。これは『クリストファー・ストリート・デイ』が6月28日であることに端を発します。

UEFAはノイアーを『政治的行動に当たる可能性がある』として調査していましたが、結局、おとがめなしでした。

ドイツ戦はミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われていますが、今日のゲームの際にこのアリアンツ・アレーナをレインボー照明したい、とミュンヘン市がUEFAに申請したのですが、昨日却下されました。

これを受けて、ドイツではUEFAに対し非難轟々の声が沸きあがっています。

非難の声だけではありません。

昨日から各地のランド・マークやスタジアムなどをレインボー照明する、照明が技術上不可能な所では街中にレインボーの旗を掲げるいう計画が次々に発表されています。


これにはハンガリーのオルバン政権の国家主義的政策が背景にあります。


最近も不寛容政策の中、中でも未成年者がLGBTについて話題にすることなどが禁止されました。

この新法律については、今日午前中、EU委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエン(ドイツ出身)が『恥』という強い言葉で非難しました。

ハンガリー代表のゴールキーパー、ペーター・グラチはドイツ・ブンデスリーガ・RBライプツィヒで活躍しています。
グラチも今年2月、オルバン首相のLGBTに対する不寛容につき強く批判していました。

オルバン首相は今夜の試合にミュンヘンに来る予定だったのですが、急遽キャンセルしました。


さて、サッカー選手の同性愛カミングアウトはいまだに簡単ではありません。
ドイツでは元代表選手トーマス・ヒッツルスペルガーが2014年に同性愛であることを公にしましたが、これが初めての有名サッカー選手によるカミングアウトでした。このカミングアウトは各界から大きな賞賛を浴びました。

ドイツでは有名政治家もカミングアウトしています。

たとえば2001年から2014年までベルリン市長を務めたクラウス・ヴォーヴェライト。市長選前の党大会で「私はゲイだ!それもまた良いのだ!」と発言したことは有名です。
ちなみにヴォーヴェライトはベルリンのオペラ劇場でよく見かけます。

コロナ対策で大忙しの連邦保健相イェンス・シュパーンも2012年『シュピーゲル』でカミングアウトし、2017年にはエッセンでパートナーと正式結婚しています。
シュパーンも2019年バイロイトの開幕で見かけました。


さて、そろそろ試合観戦の準備をします。

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