オペラ:モーツァルト《フィガロの結婚》プレミエ、ベルリン・コーミッシェ・オーパー、Komische Oper Berlin 27.04.24(シラーテアター)
4月27日はベルリン・コーミッシェ・オーパー(KOB)の新制作、モーツァルト《フィガロの結婚》プレミエを観ました。
ミッテ地区にあるKOBの劇場は改修中のため、この日の上演は旧西側にあるシラーテアターで行われました。
シラーテアター。
プログラム。
演出と美術と衣裳はキリル・セレブレンニコフ。映画ファンはよく知っていると思います。私の以前の投稿は→
この後、2022年初め、なぜか自宅軟禁を解かれたセレブレンニコフはドイツの助けを得て、ベルリンに移りました。当時、この脱出劇をベルリン側で助けた人の話を聞いたのですが、まさに小説か映画のような話でした。
以後、ベルリンに住み、演出家としての活動を続けています。
以下のKOBのサイトでセレブレンニコフの話(英語)とステージの写真を見ることができます。
ところで、KOBのプレミエには政治家や高級官僚、経済界の重鎮や芸術家がたくさん顔を見せます。
私の数列前には俳優・監督・歌手のマックス・ホップ(横顔と両手が見えます)とその右にはメルケル時代の連邦文化大臣モニカ・グリュッタースがいました。↓
そして、この日はベルリンの歴代の市長(ベルリン市は州と同等の権限を持つため、市長は州首相と同等)が3人いました。
下の写真、左はKOB共同支配人の一人、フィリップ・ブレーキング。
その右にいるのが元市長のミヒャエル・ミュラー(在任2014〜21年)。
向かい合うのはクラウス・ヴォーヴェライト(在任2001〜14年)、その奥にワルター・モンパー(在任1989〜91年)。
下の写真は、左からヴォーヴェライト、モンパー、右の女性はKOBの共同支配人の一人スザンネ・モーザー。
モンパー(SPD)はベルリンの壁が崩壊した前後、激動のベルリンの市長でした。
ヴォーヴェライト(SPD)が市長になったのは48歳の時。颯爽とした登場は印象的でした。とても人気が高く、「ベルリンはビンボー、でもセクシー」、そして「私はゲイだ。それでいいのだ」とカミング・アウトし、話題をよびました。
もう随分前、ヴォーヴェライトとバレンボイムが並んで座る懇談会に出たことがあるのですが、その時、どちらが政治家でどちらが芸術家かわからないくらいでした。そしてKOBのプレミエではよく見かけます。
この写真でもポケットチーフはしっかりウクライナ色ですね。
そしてシャッター・チャンスを逃しそうになった私に気がついて、立ち止まってくれました。
さて、KOBのプレミエの観客にはとんがった人もいて、目を楽しませてくれます。今回は漁師の網のような、しかし、もっと目が粗い網の水色のドレスで、その下には肌色のTバックの下着だけをつけた男性がいました。いやぁ、上演中座っていてゴロゴロしないのだろうか、休憩や終演後に立ち上がったら、お尻に網の跡がついて目立つのではないかと、余計な心配をしてしまいました。
公演の中身については、別の機会に書ければと思っています。
FOTO:(c)Kishi
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