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情報:ホールや劇場での費用について。ミュンヘン・イザールフィルハルモニーの場合

【上記はミュンヘン・イザールフィルハルモニーのステージ後部から撮った写真です】

昨晩もミュンヘン・フィルのコンサートに行きました。そのレポートは別に書きますが、ここでは、ホールの中での費用について書きたいと思います。

まずコンサートを聴くには、チケットを買う必要があります。それには以下の方法があります。

・シーズン中の定期会員になると割安
・インターネットや窓口などで事前に購入
・当日券

これは各コンサートで違いますし、定期会員も含め、割引も数多くあり複雑なので、詳細は省きます。

ちなみに、ミュンヘン・フィル24/25シーズンでのチケットの1回券通常料金は20€〜95€です。
30歳以下は座席のカテゴリーにより11€と14€です。最高席95€を14€で入手することもできます。

【現在の為替レートは1€=164円程度。たいへんな円安ですが、私自身の生活感覚としては、なんとなく1€=100円として考えてしまいます。】

さて、チケットを持ってホールに行きます。
冬は多くの場合、コートを預けます。もちろん座席に持ち込んでも特に注意はされませんが(先日のザルツブルク復活祭フェスティヴァルのように注意するところもあります)、他の人の邪魔になるような、かさばるコートはNGです。

このクロークの料金が 2,80 €。

これ、微妙な料金設定ですよね。
普通、2,80 €払うのに、3€出すでしょう?!そうしたらお釣りの 0,20 €は受け取らず、チップとして係りの人に「あなたにどうぞ」と言うと思います。あるいは初めから3€出して「これでちょうど」というか。
お札でも似たような感じで、3€払うと思います。
ちなみにクロークでは若者かお年を召した人が働いているので、なおさらです。

ホールや劇場によってはクロークが無料のところもあります。
たとえばバイエルン州立オペラは無料です。ハイソが集まる場所ですが、無料なのです。とはいえ(、だからこそ!)多くの紳士淑女はクロークの人にチップを渡しています。

しかしクロークにコートを預ける場合、お金というよりも、コートを受け取る時に時間がかかるという問題があります。そこであくせくしても仕方ないのですが・・・。

イザールフィルハルモニーは仮のホールで、図書館などもあるからか、以下のようなロッカーもありますが、いつもいっぱいです。

さて、コートを預け、身軽になったら、プログラムを買います。
ミュンヘン・フィルは 3,50€。ドイツ語のため、ドイツ語がわからない方は「買っても無駄」と思うのも当然です。それに今は、ネットで読むこともできます。記念、でしょうか・・・ いずれにしても曲目と出演者はマスト情報でしょう。

コンサート前や休憩に何か飲みたいと思った時はバーで買うことができます。
これがバーの壁にあった料金表です。

水(0,25 l)3,50 € から始まり、プロセッコ、ワイン、シャンパン、ビール、コーヒーなどなど。
コーヒーが3,30 €。為替レートで考えると約550 円ですが、生活感覚では330円ほどで日本のスタバとほとんど変わりはないように思います。
また、休憩に列に並んで買うのはイラつくので、事前に注文してテーブルにセットしてもらうことも可能です。

余談ですが、私が経験した限り、日本のホールや劇場にコーラとエスプレッソがないのに驚いています。日本の関係者やコンサートやオペラによく行く人に訊いても、「エスプレッソとコーラはない」とおっしゃいます。

私は普段、コーラを飲むことはないのですが、なぜホールや劇場で買うことがあるかという理由は「眠気覚まし」。とくに暑い時や日中忙しかったり、焦ってホールや劇場に行くと、ほっとして眠気におそわれることがあるので、そんな時にコーラが効くのです。
エスプレッソも同様ですが、コーヒーだと量があるので、途中でお手洗いに行きたくなるのが恐い。たとえばワーグナー《ラインの黄金》は休憩なしで約2時間半、《神々のたそがれ》の第1幕や《マイスタージンガー》第3幕は約2時間かかります。コンサートでもマーラー《交響曲第3番》は約100分、ブルックナー《交響曲第8番》は80分。
これらは演奏が難しいので一流の演奏家が出てきます。そうなると多くの場合、拍手時間が特に長い。
良い席で観たり聴いたりしていると、出るのに時間がかかり、お手洗いに到着した時は長蛇の列、ということになります。

ちなみにエスプレッソやコーラはイザールフィルハルモニーにはしっかりあります。
エスプレッソは 2,80 €。
ダブル・エスプレッソは 4,70 €。
コーラ(Zero)は 0,20 l で 3,60 €。

軽食もありますが、値段は見えませんでした。

コロナ解禁になってから、少なくとも私が行くオペラやコンサートには本当によく人が入っています。もちろんこれは場所にもよると思います。

パンデミック時、ドイツは2回も厳しいロックダウンをしました。当時、開いているのはスーパーマーケット、薬屋、花屋のみでした。

そして、やっとコロナが明けたと思ったら、戦争が始まりました。

コンサートやオペラ、映画を自由に観に行けるのは決して自明のことではない。
多くの人が、明日のことはわからない、今を楽しもう、という気分になっていると思います。

ところで、日本の知り合いの多くは「この円安だと外国に行けない」と言います。それもわかる。ただ、この先、円が高くなる保証はありません。円安にストップがかかっても、どれほどか?

また、友人には「コロナで動けなかった3年間、お金が貯まったでしょ?」とも言います。

それに、自然災害や病気など、防ぐのが難しいこともあります。
やはり「今しかない」のでは、と思っています。

FOTO:(c)Kishi

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