詩『影に抱かれて』
いつもの朝に怯えては 夜を無視してる
キカイテキナアイサツ
逆回りの秒針も
気付かないフリしてんだ
開かない目 急かすんだ
今日はどっか
出かけたいような
ほら 段々近づいていく
けど 段々遠のいていく
追いかけっこする毎日を
ランダムに溶かす
走る空
サインが流れる
写真だけの合図で
夢にまで見てた夢は何だったっけ
「それでいいや」
滲んだ過去を噛んだ
帰る場所さえもないくせに
まだ あの頃の自分に仮装して
諦めの悪い人を体現してんだ
「それもそうか」
ほらまた自ら 影に触れる
体温が散らばる
過信だらけの愛情で
さっきまでここにいた あいつどこ行ったっけ
「これでどうだ?」
欲ない 乾いた時間
探しはじめてる
ひろがる美化した懺悔を
切り取った最後を集め 代わりになるように
飲み干して
今日も「待った」
でも待たない記憶 溢れ
今日もまた
冷たい愛撫で 影に抱かれ
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