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せめて、「なんかいいカンジ」な人になりたい。


かつて、悪い仲間と付き合っていた時期があった。

「悪い仲間」といっても、反社や半グレなど、人に迷惑をかけたり道徳的に非道な意味ではない。
ではその「悪い」とはなにか。

それは、「人の悪口を言いまくっている人たち」のことだ。


彼らとは、芸能活動をしていく中で出会った。
競争が激しい芸能界にいることで、いつだって気にするのは「自分の地位」。
「今、自分がどのくらいのステージいて、どのくらいのレベルなのか」。
そんなことを常日頃から考えていくうちに、
いつしか思考は自分のことではなく、「周り」と「他人」のことになっていった。

「なんであんなに下手なのにヒロインなんだろう?」
「ビジュアルがいい以外、何にもできることないじゃん」
「総合的に見ても戦闘力低すぎ」
「滑舌悪すぎて役者向いてないよね」

いつだってその「悪い仲間たち」と会うと、自分たちのことは棚に上げ、
他人の悪口や弱点を言いまくっていた。

あいつがあーだ、こいつがこーだ。

おそらく、彼ら彼女らと会ったときに、他人の悪口が出てこないときはなかったと思う。口を開けば他人の悪口。噂話。
かつて私も、そんな仲間たちに影響されてしまい、
いつも周りを馬鹿にしては笑っていた。
そして「なんでみんなこうも馬鹿なんだろう」と、嘆いていた。
仲間たちと群れて他人を悪く言うことで、自分たちが何でもできる万能者になったかのような。周りの劣等加減を意識することで、自分たちの優越感を認めようとしていた。

本当に性格が最悪だったと思う。

周りを悪く言って下げても、自分が上がるわけではない。
あの頃の私は、恥ずかしながらそのことに気がつけなかった。
愚かで、浅はかで、汚い心の持ち主だった。


その後いろいろあり、メンタルヘルス的な勉強をはじめるようになってから、私のメンタルは少しずつ変わっていった。

自分が「悪い仲間たち」から悪い影響を受けすぎてしまっていることにも気づき、彼らとは距離を取った。
会ったとしても、相手がこれまで同様誰かの悪口を言っていても、同意しない。共感しない。話に乗らない。

「で、最近の○○のことなんだけどさ~」と、話題を変える。

さらには、奴らが一番嫌いであろう攻撃に出る。

「この前SNSで△△さんが□□に出ているのを見た! 売れてきてすごいよね~!!」

必殺・他人を褒めまくる攻撃。

これは結構効果があったようで、こちらがポジティブな波動を出しまくると、ネガティブな波動を餌に生きている人たちはあっとゆうまにヤラれることがわかった。今まで一緒になって増幅させていたネガティブなエネルギーが小さくなっていくだけでなく、ポジティブなものに侵略されていく。
私の「裏切り」によりさぞ居心地が悪くなっていったのか、次第に私とは距離を置くようになっていった。無論、私も距離をおくようにしたから、お互いに「合わなくなった」ということだろう。

とはいえ、私も「誰かの悪口を言いまくっていた人」という歴史があるのは紛れもない事実。それを「悪い仲間」のせいにしているわけではなく、自分の心が弱かった。だから影響され、ネガティブなエネルギーに飲み込まれてしまった。悪魔にでも取り憑かれたかのように、ダメダメな人間だった。

良くも悪くも、関わりのあった人たちとは離れた。
それは自ら切った縁もあれば、私の「悪い」部分が嫌になって離れた人もたくさんいると思う。
後悔したところでもう遅いのだけど、せめてこれから出会う人たちには、
「悪い」人間にはなりたくないなと思う。
もっと言えば、人気者にはならなくていいから、
「あの人と会うと元気出るー!」とまでもいかなくていいから、

せめて「あの人といても嫌な気持ちにならないなー」ぐらいには持っていきたいとおもっている。
別に特別に好かれなくてもいいから、
「なーんかあの人、いいカンジだよねぇ」と思ってもらえるような、そんな人になりたい。

そうやってこれから新しく出会うであろうまだ見ぬ人たちのことを、そして生まれ変わった自分と出会えることを、
ワクワクとしたポジティブなエネルギーで心を満たしながら、
「いいカンジ」に考えている。



↑「悪い仲間」とつきあっていたときの写真を見ると別人のようでした・・・。



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