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副業ダイアリー 5 労災―労働者災害補償保険―
よく耳にすることが多い労災という言葉。
でも学校の授業や就労開始時にくわしい説明がされることはほとんどありません。
ふわっとしたイメージしかない「労災」って、何でしょう?
労災保険制度とは
労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。その費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。
労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに適用されます。なお、労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、 労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。
労災年金給付等の算定の基礎となる給付基礎日額については、労災保険法第8条の3等の規定に基づき、毎月勤労統計の平均給与額の変動等に応じて、毎年自動的に変更されています。
以前、労災の事故状況やその対応状況のデータ入力のお仕事をしていました。毎日のように日本のどこかで不幸な事故が起こり、被災する人がいることがこのお仕事でよくわかりました。
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事故を起こさないこと、これは大前提なのですが、どんなに気をつけていても、起こるときには事故は起こってしまい、絶対にゼロにはできません。
そんな事故に被災した労働者のための救済措置。それが労災なのです。
労災データを管理する場でいつも問題になっていたこと。
それは、事業主の「労災隠し」「労災請求拒否」でした。
行政側がいくら指導しても、なかなか改善されませんでした。
誤解のある現場も多いのですが、実は、事業主が労災請求を拒否しても、労災請求は可能なのです。
労災請求先や労災認定をするのは労働基準監督署です。
事業主ではありません。
たとえ会社側から労災請求拒否されても、直接、労働基準監督署に労災請求することができます。
(この場合、会社側は義務違反となります)
「副業ダイアリー 4」に登場したA子さん(腱板断裂、靭帯損傷)、B子さん(腱鞘炎、ヘルニア)は就労中に怪我をしましたが、どちらも会社側は労災を認めませんでした。
「怪我は自己責任」「体が弱いのではないか」「管理職が認めなければ労災請求できない」「パートは労災対象ではない」と拒否されたそうです。
(これらはすべて違法です)
会社の経営方針のひとつに「労災ゼロ」指針があり、労災が起こると管理職にペナルティが課せられる背景があることが後にわかりました。
事業主が「労災ゼロ」にこだわるあまり、労働者救済のためのものであったはずの労災保険の意味が失われてしまっています――。
従業員を守るための労災保険。けれども、なぜ事業主は認定したがらないのでしょう?
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ざっくり現場の声をまとめてみると、
・労災認定をすると管理職にペナルティが課せられるから
・労災認定をすると労災保険料が上がるから
・企業のイメージダウンにつながるから
という3つの理由があるようです。
また、誠実に労災対応しても企業にデメリットばかりでメリットがない、という管理職のぼやきも現場で聞かれました。
残念ながら現状では、労災隠しが起きやすい構造ができあがってしまっているのかもしれません。
どうすれば職場環境が改善され、労働者が安心して働ける、働きやすい現場を作ることができるのか。
厳しいペナルティを課すだけでなく、実践されやすい構造にアップデートされていくことが望まれます。
労働災害が起こってしまったとき、従業員を守り、誠実に対応する事業主が評価される構造に変わっていくと良いですね。
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労災保険相談窓口
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