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柿の木(詩)


 柿の木は泣いた

 新居のために 切られる命運

 より もっと 痛いことのせい

 おお わざとでは ないのだよ

 人は あやまちを 犯(おか)す

 ここにも

 

 だいじょうぶかい

 大丈夫ではないよね

 わるかったね

 わるかったね

 ただ 救いは雨

 雨が傷口に やさしかった

 続く雨

 柿の木を癒すように

 人間にその力を 少しだけ見せた

 地鎮祭は雨降り

 柿の木の傷に比べたら 


 柿の木の側には仲間たちが

 黙って いつのまにか

 寄り添っていた

 

 

 

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