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「お休み3週間おねがいしまーす」「OK!」

パリでのびきった髪をととのえるため、ロンドンのコヴェントガーデンにある美容院へ。日本人の美容師さんとお喋りをしまくりで、3時間があっという間にすぎる。

予約は5時から。わたしの施術中、スタッフさんがどんどん帰って行く。

美容師さんに、「お掃除とかないんですか?」と聞いたら、なんと各自掃除担当場所が決まっているという。

自分のお客さんが終わって、担当箇所を掃除したら、どんどん帰っていい。合わせれば全部きれいになっているはずなので、それでいいのである。

なんというビューティフルにアバウトな発想。

お給料は歩合制。なので、休みも自由に取れる。3週間日本帰っていいですか?OK!

担当さんは、時間の関係で、前回と別の人になった。いいんですか、それ?あ、うち全然大丈夫なんですよ。あっそう、じゃあおねがい、ってなもんです。

スタッフ同士の人間関係にも、だからギスギスしたところがなくて、居心地がいい。

天国の職場のおはなしですか?だって、ギスギスしてない職場なんて。

お店の雰囲気が開放的なのは、そのせいなのだろう。

彼女はかつて、銀座の美容院に勤めていた。もちろん日本では、そんなのあり得ない。上下関係とかもろもろ、ストレスフルな日々。自分の顧客を取ろうものなら、熾烈な戦いに。

しかも、給料が安い。26歳くらいで、月給18万。

つらくなって、転職を考えた彼女は、やめて短大で英語の勉強をした。勉強がたのしかった。

そんなとき、ワーホリでイギリスにいた時に知り合い、いったん別れたイギリス人の彼が、なんと今度は自分がワーホリを取って、日本にやってきた。

ふたりは結婚し、彼女はまたイギリスのサロンで働くことに。お給料も、今のサロンの方が、ダンゼンよいという。

日本人はほんとうに、ガマンづよい。ガマンしてはたらくということが、当たり前になっている。

組織の圧力が支配する環境から、個をだいじにする開放的な環境づくりへ。そういう流れが、日本にも生まれてくると、いいのだが。

低成長時代をサバイバルするために、ヨーロッパ文化の知恵から学ぶことも、いまの日本には必要なことでは。

とはいえ、イギリスはいま、大変な騒ぎの渦中ですけどね。

#イギリス #ロンドン #ライフスタイル #職場環境 #エッセイ #ブログ

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