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20年越しでも魅力的な「やまとなでしこ」


2000年に放送された「やまとなでしこ20周年特別編」が先週と今週、二週にわたって放送されていた。

当時私は5歳だったけど、幼いながらにめちゃくちゃハマり、セリフもほとんど覚え、毎日のように神野桜子を演じていたし、小学生の頃は実はドラマの影響で客室乗務員になるのが夢だったほど。

当時、どうしてあんなにもハマっていたのかはわからないけど、20年ぶりに観て、「やっぱり良いドラマはいつ観ても良いドラマだなぁ」と感じる。

貧しい家に生まれ、「お金が全て」と信じ、CAになり、ハイブランドに身を包んで合コン三昧な高飛車な松嶋菜々子が演じる桜子。
優秀な数学者だったけど家の都合で実家の魚屋を継ぎ、貧乏だけど好きな人に真っ直ぐな堤真一が演じる欧介さん。

「貧乏は不幸、お金持ちと結婚すれば幸せになれる」と自分で自分に呪いをかけ、幸せへの道はこれしかないと思い込んでいる桜子と、そんな彼女とは真逆な価値観を持ちながらも惹かれてしまう欧介さんを中心に、物語は進んでいく。

「洋服は私のすべてなの、人生そのものなの」と言って一度着た服は二度と着ないようにしていたり、さらには「女の賞味期限は27歳まででそこを過ぎると値崩れする」という彼女の考え方は、数字を気にして見た目ばかりを取り繕うSNS時代の今と重なって見える。

見た目や若さだけを過大評価して、自分の価値を決めつけるのは、自分を縛り付けるだけだし、心はきっといつまで経っても満たされない。

SNSにアップするために映えそうな場所に旅行に行ったり、ハイブランドの服やバッグに身を包んだり、知名度が高くて数字を持ってる人と親しくしたり。それは果たして本当に幸せと呼べるんだろうか。

「お金と心、どちらが大切なのか。」

大切なものは何か、譲れないものは何か。それはお金かもしれないし、愛かもしれないし、自由かもしれない。人それぞれ違うけど、きっとそれは誰にとっても大切な価値観。この普遍的なテーマを追求しているからこそ、20年前のドラマだけど、色褪せることなく、むしろ今の時代に観るからこそ感じられるものがたくさんあったのかもしれない。


武藤千春

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