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【短歌ベスト10 #8】 お題は「日常」。あなたのお気に入りは、どれ?

前回の#7「幻覚」ではかなりトリップした世界に行きすぎたので、今回は逆にリアルな世界、「ふとした日常」に目を向けてみた。
とはいえ、その日常も、少し視点をずらせばたちまち非日常に変わる。
また、忠実に描写したつもりでも、31文字に変換した途端、非日常が立ち昇ってくることもある。
短歌って、不思議だ。



電子音レースカーテン発光し
あと五分だけ社会を拒否る

chihalix作(以下同様)



数学の問題にらむ顔顔顔
合格してるよすでに何かに



まっ白き学習帳の端の端
愛という字を初めて書く子よ



マンションの蛍光灯が照らしだす
ポストに届きし先祖の系譜



このバスはどこからやって来どこへ行く
結論出ぬまま途中下車する



年老いた掃除夫我の挨拶に
うつむき今朝も「ふにゃ」と応える



転んでも起き上がるまで待つ父の
娘見守る顔も泣きそう



マンションの理事会資料管理費の
滞納者のみ赤い線あり



ジングルベル流れ賑わうデパ地下の
幸せ圧に押し潰される



大晦日家族ある人ばかりなり
新幹線を見送るカラス



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