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映画『RED SHOES/レッド・シューズ』(4/7鑑賞)

喪失さえも己として、舞台に咲く彼女に魅了された。
プリマとして「赤い靴」の舞台に立つ間際、姉の訃報を知って踊れなくなってしまったサム。バレエから遠のき自堕落な生活を送る彼女に、再びバレエとの関わりが生まれる。

憧れ愛した姉を喪った悲しみだけでなく、自分のせいではという罪悪感や、舞台を台無しにした責任感がサムを縛っている。何より、姉に及ばないことを突きつけられて。

“アニーはここにいない! 私は私よ!”

思わずそう叫ぶも、では自分とは何か、どう表現すればいいのかが分からないんです。

姉ばかり見上げていたサムは、己の気持ちも、自分に寄り添ってくれていた存在も蔑ろにしてしまっていた。けれどバレエと改めて向き合う中、周囲との関係を築き直し、チームの一員としてステージを作り上げることで、自らの居場所を形成していくんですよ。

再び「赤い靴」の舞台に立つサム。
その演技には、彼女自身が体験した深い悲しみや絶望が溶かし込まれ、微かな表現にも目を奪われるほど。一方で、踊ることを、舞台に立つことを自ら選んだ彼女のエネルギー、全身全霊を捧げる姿には打ち震えた。

サムは死ぬまで踊り続けるのかもしれない。呪いではなく、呪いから解放された身で。


映画『RED SHOES/レッド・シューズ』予告編

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