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【選挙ウォッチャー】 京都府知事選2022・分析レポート。

 3月24日告示、4月10日投票で、京都府知事選が行われました。
 前回の京都府知事選はネット上もそれなりに盛り上がったのですが、今年の盛り上がりはイマイチでした。やはり新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵略などで、京都府知事選どころではなくなってきているのかもしれません。
 今年の構図は、自民・公明に加え、立憲や国民が推薦をする現職に、共産の新人が戦いを挑むというもので、ある意味、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙になってしまいました。

西脇 隆俊 66 現 自民・公明・立憲・国民推薦
梶川 憲  62 新 共産推薦

 自民党から立憲民主党や国民民主党まで幅広くまとまるのだから、それだけ良い知事なのかと思いきや、そんなことはありません。新型コロナウイルス対策は「Fランク」になりそうで、マンボウこそ出せど、京都も「なんにもせんと君」です。和歌山県や鳥取県のように、どうにかしようと動く知事がいる一方で、現職の西脇隆俊知事は「何もしない」です。
 なにしろ、対策をしようと思えば思うほど「手間とお金がかかる」わけですから、何もしないのが一番良いのです。何もしなければ、手間もかからなければ、お金もかからない。3月は大阪府よりも死者数が多い時期があったのが京都府です。政府の「観光立国」としての政策に全乗りした結果が、コロナ禍で外国人観光客がまったく来ない2年間です。悲惨なことになっているのに、演説でも具体的な内容は何一つ語られませんでした。


■ 京都府議補選の選挙結果

 日程調整がうまく行かず、直接見られなかったのが残念ですが、京都府議補選は、かなり意外な結果になりました。というのも、とうとう維新が自民を上回るようになってしまったからです。

[当]畑本 義允 38 維新会 1万1161票
[落]津田 裕也 41 自民党   9412票
[落]福田 陽介 46 共産党   8124票
[落]松井 陽子 43 立憲党   6305票

 京都では維新の快進撃が始まっています。実は、兵庫県より京都府の方が維新進出は激しいです。これは日光市長選でゴリゴリの自民党が負けてしまったように、観光産業が中心となっている地域での自民党への不満というのは大変なもので、期待できない自民党に代わるものとして、立憲や共産ではなく「維新」が支持されているのではないかと考えます。

 先日の西宮市長選や西宮市議補選では維新が大惨敗となり、その他の地域でも維新が伸びていないのに、京都では維新が伸びる現象が起こってしまったのです。これには京都府連の公選法違反疑惑も少なからず影響しているかもしれません。

 昨年の参院選でも、地道に活動を続けているとはいえ、維新の堀場幸子さんの得票数は、共産党の大ベテランである穀田恵二さんとほぼ変わりませんでした。長らく活動してきた共産党と、最近になって活動するようになった維新が変わらない数字なのですから、これは大変なことです。
 もはや「京都人は下品な大阪文化を受け入れない」というのは先入観であり、いまや全国で最も維新を歓迎するエリアになっているのが「京都」ではないかと見ています。それだけ京都の財政事情が深刻である証拠です。


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