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【選挙ウォッチャー】 日光市長選2021・分析レポート。

5月16日告示、5月23日投開票で、日光市長選が行われました。これは現職の大嶋一生市長が急逝したことによる選挙なのですが、まったく準備期間がないままに突入し、とんでもない波乱の結果となりました。はっきり言って、これは自民党の皆さんがとんでもなく震える選挙だと思います。もしかすると、こんなことが全国各地で起こるかもしれず、全国の市長選のみならず、10月にも予定されている衆院選や参院選の結果にも大きく関わってくる可能性があるのです。これは自民党を支持する皆さんほど読んでいただきたいレポートとなっております。

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阿部 哲夫 71 新 無所属(自民党推薦)
粉川 昭一 57 新 無所属(青年会議所応援)

立候補したのは、57歳で地元の青年会議所に推されている市議の粉川昭一さんと、前回の日光市長選で惜しくも15票差で敗れ、リベンジを誓うことになった元副市長の阿部哲夫さんの2人です。今度こそ市長になりたい阿部哲夫さんには、今回、自民党が全勢力を注いでの全面バックアップ。もはや組織力が全然違うので、今度こそ阿部哲夫さんが勝つのは当たり前。現職の急逝という不本意な形での選挙ではあるけれど、阿部哲夫さんにとっては願ってもないチャンスが訪れたのでした。ところが、運命というのは皮肉なものでございます。事件は日光で起こりました。


■ いよいよ観光地は怒りに満ちている

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新型コロナウイルスの流行により、観光地にはほとんど客が来ず、どこも商売上がったり。このまま新型コロナウイルスが長引けば、いよいよ店をたたむことさえ考えなければならないため、観光地の商人たちは「人生」がかかった状態に追い込まれています。そんな中、自民党のオッサンたちは何をしているのかと言ったら、そんなことをしたらますます新型コロナウイルスの流行が長引いてしまうのではないかと心配される「東京五輪」を強行開催しようとしていて、このままでは「GoToトラベル」なんて夢のまた夢。東京や神奈川といった大都市圏で「緊急事態宣言」となれば、県境をまたいで旅行をしている場合ではないので、日本を代表する観光地である日光は大打撃となるわけです。東京の緊急事態宣言は、けっして他人事ではないというのが観光地の立ち位置なのです。そんな中で行われた日光市長選は、自民党のオッサンたちがまとまって、全勢力を注いで阿部哲夫さんを市長にしようという動きになりました。いつもだったら「よっしゃ、みんなで阿部哲夫さんに投票しよう」ということになるわけですが、今までのように阿部哲夫さんに投票して、自分たちが経営する旅館、土産屋、飲食店が何か良い方向に向かうでしょうか。こんなマヌケどもに任せていては、自分たちはいつまで経っても商売ができないのではないだろうか。自民党のオッチャンたちの言うとおりに投票していいのだろうか。日光市は、地元商工会の若い経営者や青年会議所の若者たちを中心に、自民党に反旗を翻しました。


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