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【選挙ウォッチャー】 野田市議選2018・分析レポート。

5月27日に行われた野田市議選は、サブカル的に選挙を楽しむ人たちにとっては、とても面白い結果になりました。国民民主党の将来を占う選挙であり、密かに共産党が議席拡大を狙い、水面下で自民党が新人をバックアップし、28歳の若者が完全無所属で爽やかに立候補する一方で、NHKから国民を守る党が侵出を狙う野田市議選。初心者に「選挙の面白さ」を伝える上では、とっても良いサンプルではないかと思います。

定数28に対し、36人が立候補しました。なので、この中から落選するのは8名ということになります。今回の選挙では、川間駅周辺を取材中、Twitter上で「宮部久三」というアカウントの人物から、僕の車と車のナンバーをネットに晒されたあげく、「パヨクはうろうろするなよ」と脅迫を受けました。最近は立憲民主党や国民民主党を支持しているだけで「パヨク」と言われる世の中ですが、僕は共産党や社民党はもちろん、立憲民主党や国民民主党とも距離を置いています。これはレポートをご購入いただければ分かることですが、読んだこともないくせに「パヨク」と批判して取材活動を妨害されるのですから、やってられません。なお、この人物は既に特定されており、以前にも山城博司さんの自宅をFacebookで晒したことがある手登根安則さんらとともに嫌がらせを続けている野田市在住の「ネトウヨ」のオジサンです。警察に相談した結果、これからしばらくの間はトラブルを回避するため、電車やバスを利用することになりましたので、余計にかかった費用の領収書はすべてまとめることになりました。今後、さらなるトラブルがあった場合、損害分を請求させていただくことになりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。


■ 「NHKから国民を守る党」の佐直友樹さんについて

佐直友樹さんが野田市議選に立候補した理由は「立花孝志さんの影響」だそうです。普通は「野田市をこうしたい」という気持ちがあっての立候補だと思いますが、佐直友樹さんは「NHKのことを知るにつれ、これは放っておくわけにはいかないという気持ちになった」ということが動機だというので、べつに野田市から立候補する必要はありませんでした。実際、昨年1月に立花孝志さんに手紙を書き、昨年7月から宮城県から市川市に引っ越し、しばらくアルバイトをしながら政治家を志すことにしたそうなのですが、野田市議選が勝てそうだということで、再び野田市に引っ越し、議員になるために活動を始めたというのです。彼もまた「地方議員になったところで何も解決できないのに地方議員になってしまう人」なのです。

佐直友樹さんは立花孝志さんのYouTubeの動画の中で、集金人の被害を受けたという話を聞くと、集金人に対して「殺意に似た気持ちになる」と語りました。安易に「殺意」という言葉を使ってしまう浅はかな人物が、果たして議員に相応しいのでしょうか。議員には高度な交渉力が求められることがあります。例えば、これから北朝鮮と交渉しようという時に総理大臣や外務大臣が「殺意」なんて言葉を簡単に使ってしまうと、重要な交渉が決裂してしまう可能性がある。もちろん、野田市なんていう小さな街の市議会議員に国家レベルの交渉が求められることはないにしても、企業誘致や新駅の請願など街にとって有益なビッグプロジェクトが動き出そうという時に「殺意」とか言っている人間に任せられるのでしょうか。僕もけっして口が良い方ではないのですが、だからこそ自分が議員に向いていないことを理解しています。立花孝志さんは本人を前にして「あんまり勉強もできないし、学歴もないよね」とした上で、それでも自分の指示に従ってくれている佐直友樹さんのことを議員に相応しい人間なのだと主張していました。


■ 「NHKから国民を守る党」の戦略が通用しない田舎の選挙

実は、「NHKから国民を守る党」が勝てるエリアは、乗降者数の多いターミナル駅があって、貧困層が多く、ご近所とのつながりを持たない30代以上の情弱の男性が多く暮らしているところに限られます。これは「NHKから国民を守る党」が、団地のポスティングと駅前のビラ撒きぐらいしか活動をしておらず、地元に根ざした選挙活動をまったく行っていないからです。簡単な理屈なのですけど、「NHKから国民を守る党」から立候補する候補者は3ヶ月ほど前から住み始め、地元に対する愛も想いもないまま、議員報酬が欲しいという理由で立候補しているのです。自民党からバックアップしてもらっている新人でさえ苦戦しているのに、ただNHKが嫌いなだけで当選できるほど世の中は甘くありません。

しかし、もはや「NHKから国民を守る党」にとって、選挙に勝つか負けるかなんて、さほど重要ではないのかもしれません。なにしろ、最大の野望は「参院選」で議席を獲得し、最終的に政党助成金をもらうことにあるので、この選挙で負けたことも「参院選」の広告宣伝としか思っていません。なので、これから「NHKから国民を守る党」の議員が続々と登場するのです。直近では、6月10日の松戸市議選に代表・立花孝志さんの彼女だという中村典子さん、6月17日の立川市議選に元AV男優のニコ生主・横山緑こと久保田学さん、6月24日の杉並区議補選に新興宗教系の佐々木千夏さん、加古川市議選に56歳のウキタさん、7月1日の苫小牧市議選に48歳のフレサワさんが立候補予定です。「NHKから国民を守る党」の推薦を希望する人は続々と現れているので、今後もご注意いただきたいです。


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