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【選挙ウォッチャー】 東京都議選2021・新宿区選挙区レポート。

6月25日告示、7月4日投開票の東京都議選。新宿区の定数は「4」となっており、ここには11人が立候補しました。さすがは新宿だけあって、立候補したい人はたくさんいるということでしょう。中にはユニークな経歴の人もいて、ツッコミどころ満載です。この選挙の見どころは、自民党が議席奪還を目指して2人を擁立、都民ファーストの会はエリートの現職、立憲民主党も魅力的な新人を出しており、そこに公明党や共産党が現職を擁立していますので、非常にレベルの高い戦いになっていることです。有力候補6人が4つの椅子をめぐって戦うので、非常に面白いです。

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古城 将夫  41 現 公明党(党総支部長)
大山 とも子 65 現 共産党(党都議団長)
森口 つかさ 39 現 都民ファーストの会(都会都整委員)
秋田 一郎  55 現 自民党(都会党総務会長)<ポ>
吉住 栄郎  48 新 自民党(区会議長)
上塚 哲治  25 新 日本維新の会(日本技術協会主任研究員)
三雲 崇正  44 新 立憲民主党(弁護士)
早乙女 智子 60 新 産婦人科医・セックスセラピスト
梅田 夏希  35 新 減税とうきょう
木下 陽介  35 新 全都黎明(会社員)
山井 徹   44 新 日本公益党(財務コンサルタント会社顧問)

泡沫候補に目を向けると「減税とうきょう」「全都黎明」「日本公益党」といった新政党が、どこまで票を獲得できるのかという点に注目です。一時期は「NHKから国民を守る党」が市民権を得てしまいましたが、ちゃんとした新政党が注目されるのは良いことですが、クソが間違って人気になってしまうケースも存在します。なので、新しくできる政党については、それぞれのコンセプトを理解し、クソが大きくなりそうだったら早めに警鐘を鳴らすという活動をしていきたいと思います。


■ 木下陽介候補の主張

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木下陽介さんは、「全都黎明」という政党から立候補している35歳の男性です。「投票率を95%で明日を変える」をキャッチフレーズに、今回の東京都議選に立候補しているのですが、この新宿区の投票率は41.89%に終わりました。ちなみに、令和の時代に投票率95%を実現している選挙がないことはありません。例えば、山梨県の小菅村長選の投票率は、けっこう近いものがあります。ただ、小菅村はかなり特殊です。あまりに人口が少ないせいで、誰もが村長候補のことを知っているので、「選挙ボードを立てるという発想がない」という自治体です。

東京都で投票率95%を実現するのは、かなり難しいと思います。というのも、戦後で最も投票率が高かったのは1959年(昭和34年)の70.13%です。今よりずっと選挙に対する関心が高かった時代でも70%が最高なのです。昨今の投票率の低さは、これはこれで問題ですが、もし投票率を上げたいと思うのなら、やるべきは東京都議選への立候補ではなく、間違いなく「選挙ウォッチャー」だと思います。

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実行力のある人材が評価される制度を作ったり、災害の中で最適な意思決定ができるシステム作りは、政治家にならなくてもできます。都議会を熱心に見守り、誰が仕事をしていて、誰が仕事をしていないのかを細かく分析して評価すれば、選挙の参考になり、より関心を持ってもらえるようになることでしょう。今はまだ、そういうことに情熱を傾ける人がいないので、都議会で誰がちゃんと仕事をしているのかを「誰も知らない」状況になっていますが、こういうことはむしろ自分が政治家になるより、民間の立場で指摘する方が、ずっとやりやすいのではないかと思います。


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