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【選挙ウォッチャー】 衆院選2021・広島3区レポート。

10月19日告示、10月31日投開票で、衆院選が行われました。ご存知の通り、この「広島3区」というのは「いわく付き」の選挙区で、かつては法務大臣を務めたこともある河井克行さんが地盤にしていました。その法務大臣だった人物が、今となっては公選法違反で罪に問われ、実刑判決を喰らうに至っているわけですから、とんでもない事件です。そして、今年4月には河井克行さんの妻で参議院議員だった河井案里さんの欠員を埋める再選挙が行われ、ここでは「結集ひろしま(野党共闘)」の宮口治子さんが勝ちました。なので、この「広島3区」は再び与党が議席を獲得できるのかが注目されていました。

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斉藤 鉄夫    69 現 公明党(自民推薦)
ライアン 真由美 58 新 立憲民主党
瀬木 寛親    57 新 日本維新の会
大山 宏     73 新 無所属
玉田 憲勲    64 新 無所属
矢島 秀平    29 新 NHKと裁判してる党

もともとは自民党の若手県議が立候補する計画になっていたのですが、自民党と公明党が話し合い、ここは公明党の国土交通大臣・斉藤鉄夫さんが立候補することになりました。当初は「公明党に代わって当選できるのか?」と噂されたのですが、河井克行の公選法違反をキッカケに自民党に投票しなくなってしまった人もいることから、知名度のない若手県議より、公明党の国土交通大臣の方が当選しやすいと踏んだと思います。公明党も公明党で、斉藤鉄夫さんを落選させるわけにはいきませんので、本気で戦うことになりました。一方、ライアン真由美さんの方は「いつも通りの戦い」という感じになっていましたので、何か特別に風が吹いている感じもありませんでした。


■ 大山宏候補の主張

大山宏さんは、河井克行・案里夫妻の事件を知って、頭に来ちゃって立候補したという物理学者のオジサンです。広島では東京以上にたくさん報道されたのだと思いますが、案外、こういう人は多いのだと思います。安芸高田市長に立候補した石丸伸二さんも、「このままではいかん!」とエリート銀行員を辞めて立候補しましたし、大山宏さんも勝てることもないのかもしれませんが、選挙に突き動かされた一人です。抜本的に見直さなければならないということを選挙区を隅々まで回って訴えて、昨年からずっと「誰か立候補してくださる方はいませんか」と呼び掛けて回ったのだけど、結局、「オマエが出ろ!」と言われてしまい、自分が出ることになったそうです。「自分に投票しなくていいから、とにかく皆さんに考えて投票してくださるように呼び掛けていく」と話しており、こういう人がいることに感動します。これだけ気概のある方なので、今回、何も考えていないN国党のアホよりは票を取れて、ホッと一安心しております。


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