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【選挙ウォッチャー】 西東京市議選2022・分析レポート。

 12月18日告示、12月25日投票で、西東京市議選が行われました。
 今年の西東京市議選は、11月の松戸市議選に続く「珍獣博覧会」となってしまい、統一教会とズブズブの人、モノマネ芸人、覆面レスラー、NHK党のセカンドブランドの「政治家女子48党」、参政党などなど、イロモノとキワモノのオンパレードで、住んでいる人が可哀想になってしまうほどでした。もちろん、まともな候補がいないわけではないので、間違ってもアホには投票せず、ちゃんとした人に投票することが大切な選挙でした。
 新年(2023年)を迎えて一発目にリリースされる選挙レポートに相応しく、とてもカオスでネタ満載な選挙になりましたので、たっぷりとお伝えしてまいりたいと思います。

 今年の西東京市議選は、定数28に対して40人が立候補しました。
 数字の上では「かなりの激戦」と感じるかもしれませんが、NHK党のセカンドブランド「政治家女子48党」が3人も候補者を擁立していることを考えると、実際はそこまで激しい競争ではないのかもしれません。

 また、昨年の西東京市長選の結果を見ても、そこまでリベラル系が弱い地域ではありませんので、本来、イロモノやキワモノの候補たちを扱わなくても、けっこう玄人ウケする面白さがあったのではないかと思います。
 ただ、このレポートの一番の見どころは、何と言っても、NHK党と参政党です。カルトな政党がダブルで落選しており、特に、NHK党に至っては見るも無残な結果に終わり、「政治家女子48党」がまったく受け入れられていないことが明らかになりました。丸吉孝文に至っては「14票」という奇跡的な数字を叩き出しており、NHK党の連敗記録を一気に伸ばし、これで「4連敗」となりました。


■ 「しまぞうZ」の政治家転身ならず

 長井秀和さんの陰に隠れ、あまり話題になりませんでしたが、今回の西東京市議選には「しまぞうZ」というお笑い芸人が立候補していました。
 最近は、錦織圭選手や辻元清美議員のモノマネで知られ、もはや「モノマネ芸人」として認知されていますが、もともとは「キャベツ確認中」という東京NSC8期生のコンビで、同期にはジャルジャル、ジョイマン、スリムクラブなどがいます。

錦織圭選手のモノマネ衣装で選挙戦を戦っていた「しまぞうZ」さん

 今回、しまぞうZさんは、錦織圭選手のコスプレをして、トレードマークの大きなラケットを持ちながら、なぜか「ガチで選挙をやっているから」という理由で、モノマネを封印。ビジュアルでふざけておいて、さらには「しまぞうZ」という名前で立候補しておいて、「ガチだからモノマネは封印します」と言われても、「ガチでやっているようには全然見えない!」という感想しかありません。
 そして、今回の一丁目一番地の公約は、まさかの「西東京ラーメンを作って町おこし」でした。しかし、これもこれで「だったら、テメエがラーメン屋をやれ!」という話にしかならず、なぜ早稲田大学卒なのに、こんなにアホなのかという気持ちにしかなりませんでした。

吉本興業の制止を振り切り、応援に駆け付けたという三浦マイルドさん

 そんな「しまぞうZ」さんの応援には、吉本興業から止められているのに先輩にあたるRー1チャンピオンの三浦マイルドさんが応援に駆け付けました。しかし、三浦マイルドさんに応援されるのは、今となってはマイナスである可能性すらあります。
 というのも、R-1チャンピオンにもかかわらず、あんまり売れていない三浦マイルドさんは、最近、「ネトウヨ化が進んだオモロない芸人」として認知されるようになり、「売れないほんこん」とも言われるようになってしまいました。「しまぞうZ」さんは、特にネトウヨ的な発言をしていなかったと思いますが、三浦マイルドさんが応援に入ると、意味を持ってしまうことに気づいていません。それどころか、「吉本興業に止められているのに応援に来てくれた!」と感動して泣き出す始末。「ピュアである」とも言えますが、見る人が見れば「ただのアホ」にしか見えないため、今回の選挙で当選する可能性は、「キャベツ確認中」が売れっ子になるぐらい見込めないのではないかと思います。


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