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【選挙ウォッチャー】 東京五輪と新型コロナウイルス(#8)。

 いつも読んでいただいて、ありがとうございます。
 この新型コロナウイルスについて、なるべくわかりやすく解説するという記事を始めて、とっても多くの方に読んでいただけるようになり、デルタ株が作り出す第5波に危機感を持つ方々の間で、僕のレポートが少しずつでも共有されるようになってきたのかもしれません。
 さて、今日は「これから起こり得る未来のシナリオ」を更新。みんなが東京五輪に夢中になっている間に、直近で起こり得ることを書いています。


■ 実効再生産数1.7のヤバさを知ってほしい

 現在、東京の新規感染者数は、まだまだ上昇中です。実効再生産数は、実に1.7以上。これは複利計算で金利70%だと思っていただければよろしいので、こんなヤミ金で借金したら、あっという間に破産まっしぐらです。ポイントは「複利計算で」というところなので、ヤミ金で有名なレートである「トイチ」と比べても、その悪徳金融ぶりがわかると思います。

【トイチ(10日で1割の利息を取られる)】
10万円→11万円→12万円→13万円→14万円→15万円。
【金利70%の福利計算】
10万円→17万円→28万9000円→49万1300円→83万5210円→141万9857円。

 意味がわからない人には「実効再生産数が1.7」と言われても、そのヤバさが全然伝わらないかもしれませんが、ヤミ金で例えると、とてもわかりやすくなると偉い先生たちが言っていました。
 この数字を見てもらえればわかるように、どこぞの悪徳金融でさえ10万円を借金した時に15万円にしかならないのに、極悪非道の「デルタ株ファイナンス」の場合は、10万円が142万円。返せる予感がしません。しかも、万が一の時にはマグロ漁船に乗せられるのではなく、味覚と嗅覚を奪われるという強烈なヤツが待っています。下手すると、内臓の1つぐらいは持って行かれるかもしれません。
 まさに今、東京の実効再生産数がコレであり、もっと言うと、「緊急事態宣言」を発令している状態でコレなので、もっともっと強烈にハードロックダウンしなければ止まらないことを意味しています。


■ 偉い先生たちが言っているのは「電車に乗るな」

 僕が新型コロナウイルスについて、こうやってわかりやすく説明できているのは、僕が天才だからではなく、とっても頭の良いアカデミアの世界にいる方々の発言を逐一チェックし、「へぇー」とか「ほぉー」とか言っているからです。
 僕自身がそんなに頭の良い人間ではないもので、難しいことを言われてもよくわからないから、僕でもわかるぐらいのテンションで説明しようと思ったことが、わかりやすい記事を目指すキッカケです。
 それで、偉い先生たちは今、何を提唱しているのかと言うと、「無理だと思うけど」とは言いながら、「電車に乗るな」ということでした。今の東京は、おそらく1000ppm(100万人に1000人の感染者)を余裕で超えるぐらいの厳しい状態にあると予測されることもあり、東京の人口が約1400万人で、島に暮らしている人や老人ホームから一歩も出ずに生活している人なども考慮に入れつつ、症状があるけど検査をしていない、あるいは、発症するまでの潜伏期間でウイルス量が最大になっている人などを考えると、ざっくりこれくらいの人が感染していると考えられています。

満員電車では、山手線1両につき、3~4人の感染者が乗っている。

 1両につき、3~4人の感染者ということは、1つのドアにつき、1人ぐらいは感染している人が乗っているということになります。あくまで満員の時を想定しているので、空いていれば少ないということになりますが、それでも各車両に1人ぐらいは感染している人が乗っている可能性があるということになります。
 それで、今回のデルタ株なんですが、ウイルス量から計算すると、KF94マスクのような高性能のマスクを着用していても、感染者と至近距離で話をすれば、お互いにマスクをつけた状態であっても「約1分で感染する」と考えられています。つまり、満員電車で隣に感染している人が乗ってきた場合には「感染不可避」。だから、デルタ株の流行下では「電車に乗るな」が定説であり、こんなことを言ってしまうと社会が回らなくなってしまいますので、こんな不都合な真実は誰も語らないのです。


■ これから起こり得る未来のシナリオ(8月6日版)

 まずは、現段階で起こっていることとして、スーパーやコンビニ、ドラッグストア、さらには百貨店などの従業員に感染者が見つかり、時にはクラスターが発生し、休業に追い込まれるという出来事が相次ぎます。
 大阪では阪神百貨店で128人、阪急うめだ本店で34人の感染が確認されるなど、もはや職場でマスクをつけて仕事をしていても、ほとんど関係なく感染しています。これだけの数の感染が確認されると、時間差で感染していることがわかる人もいると思うので、営業再開には時間がかかると思いますし、すぐに営業を再開すると、人々は心配で買い物に行かないと思いますので、営業はうまくいかないことでしょう。
 既に川崎市を走るバスの運転手さんや横浜市の保育園・幼稚園の関係者などにも感染が広がっているという話を聞きますので、これから少しずつ日常生活にも影響が出てくると考えていて、近所のスーパーでも買い物ができなくなる事態が起こるかもしれません。全国規模で見れば、もう既に現段階で毎日10件ほどのコンビニが従業員の感染が見つかって臨時休業に追い込まれる事態になっています。これから増えることは間違いありません。
 本来であれば、こんな時こそ国にできることは何かを話し合い、人流を抑えて感染者を減らすための予算をつけ、自粛をしてもらえるように呼び掛けるべきですが、実は今、東京五輪は開かれているけど、国会は閉じられているという日本の神髄を見せつけています。何をするにも「予算」は必要ですが、何にどんな「予算」をつけるのかを話し合う「国会」が閉じられているので、予算がつかない。つまり、この期に及んで国会は何もしないことを決め込んでいるのです。
 東京五輪は8月8日で閉幕しますが、これが終わると日本は「お盆」に突入します。1年前のお盆は、まさに第2波が来ていた時で、政府のオッサンたちが口々に「帰省は自粛してください!」と呼び掛け、いつもだったら地獄の鬼渋滞を見せるところが、まったく渋滞しないという、今までに見たことがない光景が広がりました。今回はどうなっているのかと言うと、今のところ、皆さんはまだ東京五輪に夢中です。東京五輪を強行開催していることもあって、帰省の自粛はほとんど求められていません。そこに来て、65歳以上のワクチン接種は済んでいることから「うちのばあちゃんは、もうワクチン2回接種が終わっているから、今年は帰っても大丈夫だ」と考える人が続出し、さらには「東京がこれだけヤバいことになっているんだから、いっそのこと田舎で1週間ぐらい過ごした方が安全ではないか」と考える人もたくさんいて、今年は「田舎に帰る人がたくさんいる」と予測しています。
 ところが、重要な情報が人々に行き渡っていないのですが、ワクチンを2回接種しても「重症化や死亡のリスクを減らすことはできるけど、感染のリスクはそこまで減らすことができない」という、とても見過ごすことのできない話があります。確かに、ワクチンを打たないよりはワクチンを打った方が感染しにくくはなるのですが、それでも感染者とノーマスクで会話をしながら食事をしたりすれば、感染は避けられません。ワクチンのおかげで無症状でいられる可能性はあるのですが、それでも家族への感染は避けられないことになります。なので、80代のおばあちゃんが無症状で、50代のお父さんが死ぬということだって起こり得るのです。
 ただ、あれだけ反対されながら東京五輪をやっているのに、自分たちが田舎に帰るのはダメだというのは筋が通りません。去年は帰れなかったし、今年はワクチンを打っているからということで、田舎に帰る人はたくさんいると思いますので、東京や大阪といった流行地域から田舎に帰る人たちの波が感染を拡大し、「お盆」は田舎の隅々までデルタ株を広げるイベントになると考えています。どれくらいクラスターが発生するかによっては、地方でも病床が逼迫するような現象が起こることでしょう。
 お盆は、飛行機を満席、もしくは満席に近い状態にすると思います。今回の東京五輪でも、チェコの選手に感染が広がったのは「飛行機」が原因だったと考えられていますが、僕はこの世で最も感染リスクの高い乗り物があるとすると、それは「飛行機」だと考えています。最近は羽田空港や福岡空港などに「PCR検査センター」がオープンしていますが、全員が登場する前に検査を受けるわけではありません。そして、山手線にどれだけの感染者が乗っていると考えられるのかという計算から考えても、東京から出発する飛行機には、機体の大きさにもよりますが、最低でも1~2人ぐらいの感染者が乗っていると考えられます。そうすると、これまでの感染実績から察するに、下手すると搭乗者の半分以上が感染することになると思います。
 要するに、お盆に飛行機で帰省をすると、往復で2回乗ると考え、ほぼ感染は不可避。例えば、医療用の「N95マスク」を着用すれば感染しないのかということには大変興味があるのですが、実際にやったことがある人がいませんので、全然わかりません。やっぱり乗らないのが一番です。
 ちなみに、僕は「選挙ウォッチャー」という仕事をしており、全国各地の選挙を取材しておりますが、どれくらい飛行機や新幹線に乗らないように気を付けているのかと言うと、鹿児島県の南端にある南大隅町長選をどうしても取材したかった時に、千葉県柏市から鹿児島県南大隅町まで、すべての工程を「車移動」するぐらいに、飛行機や新幹線には乗っていません。自分でも気が狂っていると思いますが、それくらいに飛行機や新幹線というのは感染リスクのある乗り物だと認識しているということです。
 ということで、政府がこうした不都合な真実を一切公表することなく、東京五輪という現実逃避を見せつけた結果、多くの人が田舎に帰り、田舎で感染者を広げ、さらに飛行機などで感染して帰ってくることになると思いますので、「お盆」というイベントは「デルタ株の感染を拡大する要因」になると考え、8月1日に発表した「お盆で落ち着く」は撤回し、8月15日にピークを迎えることもなく、「さらに感染が拡大し続ける」という予測に改めたいと考えております。
 そして、どこかのタイミングで人々が本当に恐怖を感じ、本当の意味で自粛をし始めると思う日が来ると思うのですが、8月10日頃から本格的にワイドショーで危険であることを呼び掛けても、8月15日くらいまではお盆で移動していることを考えると、時間差で8月20日頃に地方の感染者の爆発がしていて、本当に酷いことになって国民が後悔するのが8月の終わりごろ。やはりパラリンピックは中止になりますが、当然、8月31日までの緊急事態宣言を外すことはできないため、無能の菅義偉政権は「緊急事態宣言の延長」を述べるだけで、きっと何もしないことでしょう。ちなみに、お盆の期間中は一時的に感染者が減る可能性がありますが、これは保健所などがお休みになっていることが影響すると思いますので、正確なデータではありません。お盆期間中に感染者が減っているのを見ても、まったく安心してはいけません。
 それで、8月31日頃にロックダウンを決断しても、今なら30日で解除できるところを、この頃になるとロックダウンを解除できるまでに80日ぐらいかかる可能性があり、それでもロックダウンしないよりはマシなのですが、これだと「ロックダウンなんかを決断した菅義偉は悪」と騒ぎ出すアホが続出すると思うので、菅義偉政権や自民党に対する不満は最高潮に達することでしょう。なので、無能の菅義偉政権は意地でもロックダウンをしないという「令和のインパール作戦」をかます可能性があります。こうなってしまうと、最大の死者・最大の重症者・最大の後遺症患者を生み出し、おそらく1000万人近い日本国民が後遺症で「クオリティー・オブ・ライフ」を低下させることでしょう。
 ゆえに、この感染のピークは「すぐに迎えない」ということになるのではないかと思われ、このまま非常に多くの人に感染し、非常に多くの人を死に至らしめると考えます。現時点で既に、第5波では1万人近くが亡くなるのではないかと想定されているわけですが、今回はワクチンを打っている65歳以上ではなく、子どもや20代・30代を含む若い人まで亡くなると想定されています。そして、もし菅義偉政権がこのまま無策を続けた場合、その被害はインドやインドネシア級になると考えられるため、僕たちは今、地獄の入口に立たされていると思います。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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 これは各国の「実効再生産数」を示したグラフです。
 先程、実効再生産数が1.7だという話をしましたが、正確には1.72となっています。実行再生産数は「1」を下回ると、感染が落ち着いてきていることを示しますが、感染の爆発が止まらないと報じられているアメリカよりも日本の方が、圧倒的に感染が爆発していると言えます。
 ちなみに、かつては地獄が広がっていたインドが、ちょうど「1」ぐらいになっていて、お隣の韓国は今、抑え込むために必死です。インドネシアは落ち着き始めていて、イギリスも抑え込み始めています。
 このことから見ても分かるように、みんなが東京五輪に夢中になっている間に、日本の感染爆発はとても酷いことになっていて、これから地方にも広がることが想定されることから、日本全体の実効再生産数が、まだ上がることさえ想定しなければならない事態です。超ヤバい状態になっているということだけは知っていただきたいと思います。

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