見出し画像

【選挙ウォッチャー】 日野市議補選2021・分析レポート。

4月11日告示、4月18日投開票で、東京都日野市で市議補選が行われました。日野市長選とともに行われたわけですが、欠員3に対して4人が立候補することになり、自民、立憲、共産、無所属が立候補するという、先日の小平市議補選とまったく同じ構図になったのでした。小平市議補選では、ほとんど組織を持っていない無所属の女性が勝ち、共産党が負けるという選挙になったのですが、日野市議補選はどうなったのか。こちらも意外な結果になりましたので、全国に増えつつある「趣味:選挙を見ること」になりつつある皆さんには、楽しんでいただけるのではないかと思います。

画像1

蛭田 智也  36 新 自民党
遠藤 茂   38 新 立憲民主党
渡部 三枝  62 新 日本共産党
森久保 夏樹 38 新 無所属(都民F都議の個人推薦)

常識的に考えれば、組織を持たない無所属の候補が落選するというものですが、先日の小平市議補選では、まったく組織を持たない無所属の候補が勝っているように、ここでも組織を持たず、ひたすらドブ板選挙を繰り返していくような人が勝つかもしれない。すべては選挙戦略です。昔から「日野市は共産党が強い」と言われていますので、ここで共産党が負けるようなことがあるのかどうかに注目です。


■ 7月の東京都議選に向けた前哨戦である

画像2

今回の日野市議補選は、7月の東京都議補選に向けた前哨戦の意味合いを持っています。日野市は定数2で、自民党と都民ファーストの会の議員が選出されています。参考までに、前回のデータを見てみましょう。

[当]菅原 直志 49 都民F 3万0384票
[当]古賀 俊昭 69 自民党 1万6458票
[落]中野 昭人 48 共産党 1万5595票
[落]新井 智陽 44 無所属 1万1464票

投票率は49.40%でした。前回は「小池百合子旋風」が吹き荒れたこともあって、菅原直志さんが自民党にダブルスコアをつける圧勝となり、自民党もしっかり議席を獲得しています。僕が選挙ウォッチャーを始めたのが2017年10月からなので、前回の都議選のデータはありませんが、古賀俊昭さんがお亡くなりになり、昨年、日野市では都議補選が行われ、なかなかの激戦が繰り広げられており、こちらはデータが残っております。

[当]西野 正人  60 自民党 4万6480票
[落]清水 登志子 57 共産党 3万5034票

自民党は西野正人さんがそのまま出てくると思われ、共産党は清水登志子さんがリベンジを目指して立候補してくると思います。そこに都民ファーストの会の菅原直志さんが立候補してきて、そこそこ票が分散する面白い戦いになるのではないかと予想されています。都民ファーストの会と自民党の両方が立候補すると「保守分裂」になってしまい、共産党票がそのまま浮くことになります。日野市の共産党のポテンシャルは安定しているため、これから東京にもやってくる第4波が酷い数字を叩き出すようなことがあると、吉村洋文知事と同様、小池百合子知事も無能の一味だったことがバレて、かつての「希望の党」「排除します」の発言のように、とんでもない逆風に晒される可能性もゼロではありません。7月の東京都議選がどうなるのかということを想像しながら、この先を読むと、そこそこ面白いことになります。


ここから先は

8,240字 / 14画像

¥ 240

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。