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【選挙ウォッチャー】 東京都議補選2020・日野市選挙区レポート。

東京都議補選は全部で4選挙区で補欠選挙が行われるのですが、その中で最も選挙をやる前から結果が決まっていそうな選挙区が、日野市でした。新人同士の対決ながら「自民党vs日本共産党」という組織票の時点で力の差が歴然という選挙なので、いくら日本共産党の候補者が素晴らしい人だったとしても、今の日本はネトウヨ・プロパガンダが支配されていると言っても過言ではないため、人柄も公約もまったく関係なく、とにかく選挙をやる前から結果が決まっているのです。

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西野 正人  60 新 自民党
清水 登志子 57 新 日本共産党

西野正人さんも、清水登志子さんも、ともに日野市議をしている人物です。もし落選した場合には、2年後の2022年2月頃に日野市議選が行われるため、浪人生活は約1年半ということになります。この選挙は、自民党の古賀俊昭さんが腹膜炎でお亡くなりになったことによる補欠選挙です。古賀俊昭さんは、2003年に都立学校の性教育に反対し、教材を没収させるなどしたことで「教育に対する不当な支配だ」として教員や保護者らに損害賠償を求めて提訴され、2013年に最高裁で古賀俊昭さん側が敗訴していました。


■ 自民党の新型コロナウイルス対策

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今回、西野正人さんは「新型コロナに打ち勝とう」をキャッチフレーズに使っていました。先日の小田原市長選でも自民党の守屋照彦さんが「新型コロナウイルスに打ち勝つ」をキャッチフレーズにしていましたし、北区で東京都議補選に立候補した山田加奈子さんは「新型コロナウイルス対策はお任せください」と言っていました。こんなご時世なので、新型コロナウイルス対策をするという公約は効き目があるわけですが、この人たちが本当に新型コロナウイルス対策を進めてくれるのかどうかは、かなり疑問です。先日、菅義偉官房長官が北海道千歳市で講演し、新型コロナウイルスの感染が広がっていることについて「『東京問題』と言っても過言ではない。東京中心の問題になってきている」と述べました。しかし、これはあまりにも認知が歪んでいるとしか思えません。東京で流行しているということは、東京からさまざまな人が地方に行くわけで、「流行しているのは東京だけだから、こっちは大丈夫だ」とは言い切れない状況です。実際、各地でクラスターが発生しており、地方でも感染者が見つかり始めています。一方、東京都の小池百合子都知事は何を言っているのか。それは「2週間前の一人一人の行動がこのような形で数字となって表れている」です。要するに、国民の意識があまりに低いせいで、こんなに感染者が出るようになってしまったと言っているわけです。しかし、何も対策らしい対策を進めていないので、人々は今日も満員電車に乗って移動しているのです。感染症の専門家は、皆さんの行動を通常の8割以下に落とさないと、実行再生産数を1以下にすることはできないので、どうしても感染は拡大傾向になってしまうと言っています。このまま野放しにすれば、科学的エビデンスによって「感染は拡大する」ということは既に証明されているのです。あまりに感染者数が増えてから経済を止めるのでは、止めなければならない期間が長くなり、経済に与えるダメージも多くなってしまいます。だから、止めるならなるべく早く止めなければならないのですが、国も東京都も止める勇気はありません。戦闘機は買うし、旅行に行ってもらうための補助金は出すし、さまざま中抜きはするけれど、皆さんの生活を補償するお金はない。1日あたりの感染者数が20人以上なら東京アラートを出し、50人以上なら「休業を再要請する」と言っていたはずでしたが、どうやら休業要請をすることもない。経済を守るために経済を止めなければならないということを理解していないので、自民党が積極的に何かを働きかけるということもありません。僕たちはいつまでもバカを選んでいるということです。


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