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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#331)。

 いよいよ参院選が始まりましたが、綾野剛さんに対する名誉毀損、ネトウヨを喜ばせるパフォーマンスなどで、あろうことか「NHK党」の支持率が急上昇しています。
 僕がネットの片隅でどれだけ発信しようとも、国政政党としてテレビ番組に呼ばれ、発言のチャンスを得ている「NHK党」には、物量の面で圧倒されているからです。僕がどれだけ「NHK党」はただ社会に迷惑をかけるだけの存在で、日本を良くすることには1ミリもつながらないと言ったところで、そんな話はかき消されて終わってしまうのです。これほど自分の発信力の無さを恥じたことはありません。
 それでも、発信を諦めた時に民主主義は死ぬのだと思います。どんなに弱い力だとしても、どんなに悪者にされても、一人でも多くの方に現状を知っていただき、間違っても「NHK党」に投票しないようにするために、今日も重要な記事を書かせていただきます。
 まず冒頭に申し上げますが、NHK党が俳優の綾野剛さんにやっていることは、名誉毀損、誹謗中傷、罰則が強化されたばかりの「侮辱」であり、とても深刻な人権侵害にあたります。しかも、どこかの迷惑系YouTuberがやっているのではなく、「1票を獲得するための選挙運動の一環として行われていること」であるという側面を忘れてはなりません。自分たちの票のために綾野剛さんの名誉を毀損しているということです。そこに「正義」なんてものがあるはずもありません。


■ 止まらない綾野剛さんへの名誉毀損

「未成年淫行の綾野剛主演」と書いた政見放送を流すNHK党(引用元リンク

 本当は「NHK党公認」ですが、このたび「ガーシー党」なる政治団体を名乗って千葉県選挙区から立候補する須田良という男の政見放送には、須田良がどんな人で、どんな公約を掲げているのかという話は、まったく出てきません。いきなり尊師・立花孝志が現れ、オープニングから「未成年淫行の綾野剛主演」というテロップを載せて、左上に「隠蔽」「未成年淫行」「違法賭博」とまで書いています。
 綾野剛さんが本当に未成年淫行をしたのかどうかは分かりませんし、仮に事実だとしても、政見放送で言われるようなことではありません。「法律のプロ」を自称する立花孝志が、アホ由来のオリジナル法解釈で「これはセーフなんだ!」と強弁したとことで、そんなものがセーフになるはずがないのです。参院選で票を得るために暴露をしている時点で、そこに「正義」なんていうものは1ミリもないからです。

NHK党は綾野剛さんの写真を無断使用していると思われる(引用元リンク

 しかも、NHK党は綾野剛さんの写真を無断で使用している疑いがあります。常識的に考えて、綾野剛さんの名誉毀損をするような内容の政見放送に所属事務所が「写真を使っていいですよ」なんて許可を出すはずがありません。もし写真を無断使用しているのだとすると、その写真の使用料は「トライストーンの言い値」になります。
 よく考えてください。綾野剛さんはCMなどにも起用されている俳優さんです。スポンサーとなる企業は、綾野剛さんの写真を使わせてもらうために数百万円から数千万円といった単位のお金を払います。もし宣伝のために綾野剛さんの写真を使わせてもらおうと思った時には、それなりのお金が必要になるという話です。今回は「政見放送」という、ある種の「広告」みたいなものに使われていて、しかも、著作権を無視してお小遣いを稼ぐ過疎チューバーとは異なり、なんと、これを公共の電波に乗せて放送しようと言っているのです。その金額を想像するだけで、ズボンがシャバシャバになるくらいチビりそうです。

「綾野剛は数々の悪事を働いている」と言ってしまう名誉毀損ぶり(引用元リンク

 尊師・立花孝志は、「綾野剛は数々の悪事を働いている」という、名誉毀損としては、なかなかポイントを高そうな言葉を吐いています。同じニュアンスの言葉でも「綾野剛さんは悪いんですよ」とか「綾野剛さんには疑惑があるんですよ」みたいな言葉であれば、けっこう抽象的なので、名誉毀損として問えるかどうかが曖昧になってきますが、「綾野剛は数々の悪事を働いている」は、ガッツリと名誉毀損に問われても不思議ではないワードチョイスです。どんだけ頭が悪かったら、こんなに軽々しく言葉を吐けるんだと思うレベルです。

被害者とされる女性の写真と名前を公開してしまう頭の悪さ(引用元リンク

 アホ由来のオリジナル法解釈で、勝手に「セーフ」だと思い込み、名誉毀損をしてしまうぐらいには頭が悪いので、被害者とされる女性の名前と顔写真もガッツリと公開。
 ちなみに、「お酒を飲ませた」とされる現場には、ガーシーというオッサンもいたというので、実は「共犯者」です。飲酒運転のケースを考えていただければわかりやすいです。車のドライバーであることを知りながら酒を飲んでいたとするならば、一緒にいた人も罪に問われます。17歳であることを知りながらお酒を飲むところを黙認した罪を棚に上げ、綾野剛さんだけを悪者にしている時点で、こんなことをできる身分じゃないのです。もっと言えば、それを伝え聞いただけの立花孝志がこんな振る舞いをしていること自体、頭がイカれているとしか言いようがありません。

気持ち悪いドヤ顔で「チョメチョメしてます」と語る尊師・立花孝志(引用元リンク

 誰かと誰かがセックスをしている。こんな話は、はるか昔からゲスい週刊誌が喜び勇んで書き散らかしてきたことです。なので、週刊誌が書いても名誉毀損にならないのに、自分が暴露をしたら名誉毀損になるなんておかしいというのが、立花孝志が考えるアホ由来のオリジナル法解釈です。
 しかし、どんなことをするにも「場所」というのは、とっても重要になります。例えば、銭湯でどれだけチンチンを出しても法に問われることはありませんが、道の真ん中でチンチンを出したら捕まります。どちらも「チンチンを出す」という行為自体は同じなのに、「場所」によって解釈は変わってしまいます。
 今回、立花孝志がやっていることは、皆さんに政策を訴えるべき「政見放送」の場で、綾野剛さんの名誉を傷つける発言をしています。しかも、どうしてそんなことをしているのかと言えば、綾野剛さんの行動が許せないからではなく、「票を得るため」です。こういう暴露話で人々を喜ばせ、「ガーシーに1票入れてもらおう」としているのです。YouTubeで流している時点でアウトですが、これが公共の電波に流れるようなことでもあれば、もっとアウトになるでしょう。なにしろ、千葉県の人口は約627万人。これだけの人に向けて、「綾野剛は数々の悪事を働いている」と言い、さらに、綾野剛さんのプライベートな性事情まで暴露をしているということになります。こんなことが許されていいはずがありません。


■ 警視庁本部前で挑発行為をする黒川敦彦

警視庁本部前で、妄想全開の抗議パフォーマンスをしていた黒川敦彦(筆者撮影)

 参院選初日、NHK党の幹事長・黒川敦彦は、わざわざ警視庁本部前に選挙カーを横付けし、「刑事が『ガーシーを逮捕したいから示談に応じないでほしい』と言ったのは不当な圧力だ」と、大きなマイクで叫びました。こんなに頭の悪い奴は、滅多に見たことがありません。
 そもそも本当に刑事さんがそんなことを言ったのかどうかも怪しいところではありますが、示談をしてしまうと刑事事件として問えなくなる可能性は確かにあるでしょう。なので、東谷義和が被害者に対して示談を進めようとしているとの情報を掴んだ警察が、その被害者に、常識的な範囲の情報提供として「示談に応じた場合には刑事事件には問えなくなってしまうかもしれないから、よく考えてから示談に応じてくださいね」と言ったとしても、それは被害者思いの当たり前の行為であり、ちっとも大騒ぎするような話ではありません。
 N国党のせいで、被害者として警察のお世話になる機会があり、刑事さんと話をすることも多くなりましたが、まだ見ぬ犯人を「逮捕するために頑張りますね」と言うことはあっても、特定の犯人を名指しした上で「逮捕したい」と口にすることは、まず考えられません。その一番大きな理由は、そもそも「逮捕できるかどうかがわからない」からです。実は、逮捕をするというのはそれなりにハードルが高く、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年という判決を下された立花孝志でさえ、逮捕はされていません。「逮捕をする」と言っておきながら逮捕されなかったら「どうなってるんだ!」と言われるに決まっているわけで、そういう凡ミスをしないように、日頃から迂闊なことを喋らないように、しっかり教育をされています。ましてや、「逮捕したいと思っているんだ」なんて言ってしまったら、これから逮捕しようと思っていることがバレてしまい、逃げられてしまう可能性が出てきます。それに、そもそも警察は「何でもかんでも逮捕する気マンマン」という組織ではありません。どちらかと言えば、双方が示談で解決してくれて、事件性がなくなってくれた方が、警察も無駄な仕事が減って一件落着です。自ら率先して仕事を増やすようなことはしてくれません。つまり、黒川敦彦は、とてつもない妄想を前提に警視庁の前に乗り込み、マイクを使って「警察はどうなっているんだ!」と騒いでいるのです。

自分たちの名誉毀損は棚に上げて、警視庁の前で抗議をする黒川敦彦(筆者撮影)

 皆さん、車で道を走っている時に、偶然、後ろにパトカーが来て、妙に緊張してしまったこと、ありませんでしょうか。うっかり一時停止を止まり損ねたり、うっかりオレンジのラインを車線変更してしまったり、ちょっとしたミスで罰金を取られてしまう。そうならないように、いつになく安全運転をして、スピードだってガッチリ守る。これが普通の小市民です。
 しかし、黒川敦彦ぐらいにイカれた奴になると、後ろにパトカーが来た瞬間、「やってやんよ!」とばかりに、50km制限の道を150kmでぶっ飛ばすようなもの。「捕まえられるもんなら、捕まえてみろや!」です。これは情状酌量の余地がありません。もし綾野剛さんの名誉毀損が刑事的に認められた時には「そんなつもりじゃなかったんです!」なんて言い訳は通用しないことでしょう。なにしろ、わざわざ自分から警察を挑発しに行っているのですから。
 そして、ぜひ皆さんに考えていただきたいのは、こんな奴らに「政治を任せられるのか」ということです。NHK党が国政政党になって3年が経ちますが、これまでに成果らしい成果は何もありません。それどころか、巨額の政党交付金(税金)がゴルフ、キャバクラ、元恋人へのお手当などに使われており、立花孝志の私利私欲が満たされています。

 こんなにメチャクチャなことをされているのに、まだ「NHK党がこの国を変えてくれる」と思っている人がほとんどで、この本が脚光を浴びることがありませんが、この選挙期間中に、一人でも多くの方に「NHK党」が反社会的カルト集団であることを知っていただきたいのです。間違っても、こんな政党に投票してはいけません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

こんなに名誉毀損をパキパキにキメても1議席獲得が視野に入っているNHK党

 この世は地獄です。
 これだけ綾野剛さんに対する名誉毀損を重ねても、警察を煽りに行ってもNHK党の支持者は上がってきており、今回の参院選でも1議席以上を獲得する情勢であると、産経新聞や共同通信が伝えているというのです。これは何を意味しているかと言うと、「いいぞ、もっとやれ!」と言って、NHK党に投票してしまう人が、それなりの数になるということです。
 しかも、「ガーシー」というオッサンは、もし自分が当選をすれば、47人の暴露をすると宣言しています。まさに釣り針に暴露話をくっつけて、NHK党を支持しそうな人たちに投げ込んでいるというわけです。こうなってしまうと、綾野剛さんのみならず、もっとたくさんの芸能人の名誉が傷つけられ、精神的に大きなダメージを負わされることになるでしょう。場合によっては命を落とす可能性だって否定できないわけですが、もしそういうことが起こっても「自分たちには関係ない。暴露される方が悪い」というのがNHK党のスタンスです。それでも有権者の皆さんは、NHK党に投票するのでしょうか。

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