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【選挙ウォッチャー】 NHK党による渋谷での壮大な名誉毀損。

 参院選5日目、18日間の選挙戦における初めての日曜日に、NHK党は渋谷ハチ公前で大々的な街頭宣伝を行いました。と言っても、その中身は俳優・綾野剛さんに対する酷い名誉毀損ばかり。自分たちの1票、もっと言えば、自分たちの政党交付金のために、一個人をここまで吊し上げるのですから、完全に常軌を逸しています。
 しかも、このNHK党の暴挙に対して批判的な記事を書いているメディアは皆無です。それは尊師・立花孝志が何でもかんでも訴えてくるイカれ野郎だから、下手に訴えられては商業的に成り立たないということで、口を噤むようになってしまったからです。みんなが見て見ぬフリをする。まさに「イジメ」の構図とまったく同じなのです。
 だけど、ここで見て見ぬフリをするわけにはいきません。もし、こんなに酷いやり方で議席を取れてしまったら、また次の選挙で同じことをして議席を獲得しようという人間が現れるかもしれません。そんなことを許さないためにも、ここでしっかり批判することが大切なのです。
 今日は、6月26日に行われた渋谷の大街宣で、一体、どんな酷いことが行われたのかを速報でお届けいたします。


■ 「日曜討論」で暴れた幹事長・黒川敦彦

NHKの日曜討論で放送事故を起こしてきた黒川敦彦幹事長

 この日の朝、NHKの「日曜討論」に出演した黒川敦彦は、「憲法改正について、どう考えるか?」という国民にとって非常に大きなテーマについて聞かれていたにもかかわらず、テーマと全然関係ない話を始め、何を血迷ったのか、「ここで一節」と言うと、突然、歌を歌い始めました。
 あまりの暴挙にスタジオは凍り付き、お茶の間に放送事故としか言いようがない映像が流されてしまったのですが、「NHK党」は、こうしたテロ行為とも言えるような蛮行を尊師・立花孝志が称えていました。また、NHKを使って綾野剛さんに対する名誉毀損までやってのけたのです。頭が狂っているとしか言いようがありません。

 なぜ「NHK党」は、こうした蛮行を繰り返すのか。
 実は、こうした番組や討論をぶち壊すような行動を支持する人たちがいるからです。「こんな生きづらい社会はぶっ壊してほしい」と願う人たちの期待に応えると、このようになってしまうというわけです。普通の人たちにとってはドン引きでしかないような行動を、喜んでしまう層が存在し、その層に喜ばれることで議席を獲得するのが狙いなのです。
 しかし、これはパソコンやスマホがフリーズした時に、電源を入れ直したり、再起動したり、さまざまな方法で改善しようと試みるのではなく、パソコンやスマホをぶん投げて破壊するような行為です。フリーズしたスマホをぶん投げて壊したら、その時は気持ちがスッキリするかもしれませんが、新しいスマホを買わないといけないし、いろんなアプリを再ダウンロードしなければならないし、再起動をするより、ずっと手間とお金がかかってしまうのと同じ。「社会を破壊する」という行為は、破壊しないで改善するよりもよっぽど大変です。だから、暴れ放題に暴れている「NHK党」に期待してしまう人たちは、「本当にそれでいいのか」を冷静に考え直し、少しでも社会をマシにしてくれそうな選択肢を真剣に考えるべきなのではないかと思います。


■ 渋谷でも行われた綾野剛さんに対する名誉毀損

NHK党の大街宣には100人近くの聴衆が集まった

 綾野剛さんに対する名誉毀損は留まるところを知らず、この日も渋谷駅のハチ公口で「ガーシー」と書かれた選挙カーで乗り付け、街頭演説をしていました。
 以前、「綾野剛淫行」と書かれた幟を立てたNHK党ですが、通行人がドン引きしたことを受け、今回は幟は立てられませんでした。しかし、立花孝志や黒川敦彦は、ここでも「綾野剛さんが淫行をしている」と言い回り、名誉毀損を重ねていました。立花孝志や黒川敦彦による名誉毀損は、可能な限り、記録をしています。
 さて、NHK党ではよくあることですが、ガーシーとネットにつないでの街頭演説会は、あれだけ前々から告知していたにもかかわらず、想像以上にショボいものでした。ミキサーさんがいるわけでもないので、ガーシーの声は小さく、スピーカーの前にいる人しか聞き取れない状態になっていたことに加え、この日は気温が37℃を超えていたと思われ、木陰でもない場所で長時間聞いているのはしんどい環境でした。なので、立ち止まる人はほとんどおらず、集まった100人くらいのN国信者がいるだけで、年齢は40代から50代くらいの男性が中心。10代や20代、さらには女性の姿はほとんどありませんでした。
 今回、ガーシーに夢中になっている人たちの年齢層がわかったことは非常に大きいと言えます。若者たちは「ガーシー」というオジサンのことを認知はしているけれど、応援している人はほとんどおらず、せいぜい記念写真を撮っていくだけ。集まっているのは、うだつの上がらない40代から50代ぐらいのオジサンばっかりだったのです。これはネットでN国党の戦略を絶賛している「ホリエモン世代」と変わりません。これはなかなかキツいと思います。

日の丸を振っている人たちもいるが、その人たちは元在特会の西村斉を応援している

 N国信者の中には「重度のネトウヨ」の姿もあり、日の丸を振っている人たちは、元在特会幹部の西村斉を応援している人たちです。この日も西村斉は「従軍慰安婦は存在しなかった」とか「日本がやったのは侵略戦争ではなく、アジアの人々を解放してあげただけだ」とか、歴史に基づかないアホ発言をしていました。普通の人が見たら、「トンデモ」にしか見えないオジサンですが、ネトウヨをこじらせると西村斉の言っていることは心地よく聞こえるようになるという話です。

「日の丸」をフリーデザインとして使う西村斉

 この件についても触れておかなければなりませんが、西村斉と黒川敦彦は6月24日にJR桂川駅で行われる日本維新の会の吉村洋文知事の街頭演説会場を襲撃。吉村洋文知事がこれから演説をしようという時に、車椅子専用エリアに街宣車を止め、妨害行為をしたため、急遽、吉村洋文知事の演説が中止になるという事件を起こしていました。
 この件について、日本維新の会の音喜多駿政調会長は、黒川敦彦に抗議のメンションを送っていました。

謝罪の言葉の一つもない黒川敦彦に苦言を呈す音喜多駿政調会長(引用元リンク

 音喜多駿政調会長の言っていることは、まさに「正論」です。これに対して、黒川敦彦がメンションを送っていたのですが、これがまた、かなり調子に乗っています。

謝ったら死ぬ病に罹っているとしか思えない黒川敦彦(引用元リンク

 NHKの「日曜討論」でも日本維新の会の藤田文武幹事長から釘を刺されていましたが、明確な選挙妨害行為であり、刑事告訴も検討したと言われているほどです。にもかかわらず、こんなに反省がない「無敵の人」になっているのが黒川敦彦と西村斉です。

俳優のみならず、在日の方々も傷つけ、それで議席を伸ばすスタイルの「NHK党」

 元在特会の幹部にして、現在進行形で在日の方々へのヘイトスピーチを続ける西村斉。そして、そんな西村斉と選挙運動をして、日本維新の会の選挙運動を妨害する黒川敦彦。さらにはテレビの討論番組や政見放送を使って俳優の名誉を毀損する立花孝志。
 こうして見ると、自分たちを支持してもらうために、いろんなジャンルの人たちを、法律の一線を超えて攻撃していることがわかります。「自分たちの敵は、この人だ!」と大きな声で叫び、それに賛同する人たちをまとめあげ、参院選での1票へと変える。党勢を拡大するために、敵を作り、そこに攻撃をすることで人々の支持を得るというやり方をしているのです。
 有権者の皆さんに、ぜひ考えていただきたいのです。本当にこんなことをして、世の中が変わると思うでしょうか。


■ 現在の「NHK党」の情勢分析

調子に乗ってカメラに向かってポーズをキメてきた黒瀬信明は島根・鳥取選挙区で出馬

 選挙序盤、まさに「NHK党」は、絶好調です。
 朝日新聞、産経新聞、共同通信など、各社の情勢調査の結果が出てまいりまして、いずれも1議席は固いのではないかと見られているからです。この結果を受け、尊師・立花孝志も、死神幹事長の黒川敦彦も、さらには末端の党員たちも「戦略は間違えていなかった」と自信を深めたのです。
 しかし、6月26日に出演したNHKの「日曜討論」は、まさに「NHK党」の勢いを止め、これからスプラッシュマウンテンのように支持率が急降下をするキッカケを作った可能性があります。というのも、ここまで「NHK党」が支持されるようになったのは、「敵は中国」とか「テレビは洗脳装置」といったネトウヨにウケるフレーズで、ネトウヨたちから強烈に支持をされたからです。しかも、「報道ステーション」に出演した際、立花孝志が司会の大越健介アナから発言を止められたことも大きな追い風となり、本当は綾野剛さんに対する名誉毀損を止めたかっただけなのに、まるで立花孝志が「テレビの真実」を語ってしまったから消されてしまったかのような陰謀論が出回り、支持率が急上昇。1議席から2議席を獲得するのではないかというところまで上昇したのでした。
 せっかくネトウヨから支持されたのに、黒川敦彦が「日曜討論」で歌い出した「アベのせいだー」という歌は、ネトウヨから愛されている安倍晋三元総理を批判する「パヨクの歌」であり、ネトウヨには受け入れられい歌です。しかも、いきなり空気を読めない歌を歌い出すほどに暴走してしまったため、これでは「報道ステーションで発言を止められたのも仕方がないのではないか」という空気になり、かつての「希望の党」の小池百合子さんが発言した「排除いたします」と同じくらいの破壊力を持った「やらかし」だったのではないかと思うのです。つまり、早くも「NHK党」のピークは過ぎつつあるのではないかということです。

本当は撮りたくないのに、無駄に躍動感のある本間明子の写真が撮れてしまった

 N国信者たちは今、幸せの絶頂にいます。
 しかし、参院選はまだ前半で、あと2週間あります。なのに、N国党はすべてのカードを使い切ったとみられ、頼みの綱の「ガーシー砲」は、何一つ放たれることなく2週間を終える可能性が濃厚になっています。
 というのも、この参院選が始まり、容赦なく放たれるはずだった「ガーシー砲」とやらは、ガーシーが当選したら47個の爆弾を落とすが、落選したら「サロンだけで限定公開する」というのです。つまり、この参院選の期間中は1発たりとも放たれず、何一つ話題になるような爆弾は投下されないようなのです。次から次へと爆弾を放つために、尊師・立花孝志が直々にドバイまで打ち合わせに行ったはずなのに、最終的に何も出てこないというのですから、まるで立花孝志が座るパチンコ台のようです。
 ここから先は、ただただ時間だけが過ぎていくことでしょう。そうこうしているうちに「参政党」「日本維新の会」などの政党が話題を作り、「NHK党」の票を削ることになるでしょう。NHK党が話題になるには、さらなる過激な行為をするしかありませんので、また各地でトラブルを起こしていくのでしょう。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 今回の参院選、NHK党はずっとトレンドになっているのに、僕の本はちっとも売れていません。僕の記事は地味に読まれつつあるのに、僕の本はちっとも読んでもらえない。これは、日頃から読書をするような層には、良くも悪くも、ちっともササっていないことを示しています。
 顔を出して解説したNHK党についての解説動画も、再生回数は3ケタに留まり、チャンネル登録者数も全然増えていません。僕に人気がないということもありますが、そもそも「NHK党の話題にほとんどの人が興味を持っていない」ということでもあります。
 もしかして「僕の書き方や動画の撮り方に問題があるんじゃないか」とも思ったのですが、もっと真面目に書かれたNHK党関連の記事も、思ったほどは読まれていなそうだし、インフルエンサーとして活躍している人がアップしてくれたNHK党関連の動画もアクセス数は伸びていません。
 つまり、NHK党は本当に一部のアホの層にしかササらず、一般の層にはほとんど興味や関心を持ってもらえない政党だと言えます。なので、長丁場の参院選、残り2週間でNHK党の反社カルトぶりをしっかりまとめ、なるべく多くの人に読んでもらうことで、1票でも入る票を減らしていけるように頑張ってまいりたいと思います。

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