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【選挙ウォッチャー】 長野県議補選2018・分析レポート。

今年の長野県知事選が、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙なので、まったく見どころがなくてつまらないという人は、こっちの選挙の方が少しだけ見どころがあると思います。8月5日に行われた長野県知事選と同時開催された「長野県議補選」です。補選があったのは長野市ブロックと、岡谷市ブロックです。ともに定数1だったのですが、なかなか白熱した戦いになりそうだったので、両方追いかけてみることにしました。こんな時に「青春18きっぷ」は大活躍します。どれだけ移動しても「1日あたり2370円」です。夏休みの時期は高速バスに乗るよりも価格が安いので、駆け出しの「選挙ウォッチャー」には必要不可欠なサービスです。ということで、まずは長野市ブロックです。

金沢 敦志 55 新 無所属
橋本 将之 38 新 無所属

興味深い事に、今回は「国民民主党vs日本維新の会」という構図の選挙になります。カジノ法案では自民・公明に乗っかる形となった2つの政党。野党と与党の中間、足立康史先生で言うところの「ゆ党」の対決となりました。実際に追いかけてみると、政党同士のガチ対決というより、人と人の対決といった印象の方が強いのですが、今回は「信州維新」の皆さんにしっかりと取材することができましたので、地方の維新についても勉強していこうと思います。

共田 武史 45 新 無所属
武井 茂夫 50 新 無所属
竹村 安弘 65 新 無所属

今回は岡谷市や下諏訪町でも県議補選がありました。定数1に対して3人の同じようなオジサンたちが立候補しており、あまり現地で追いかける時間はなかったのですが、一応、網羅しておきたいと思います。こちらは全員無所属で全員市議だった経験がある人物たち。かなりの激戦だったので、滞在して追ったら面白かったかもしれませんが、もうちょっと利益が出るようになったら詳しくお伝えできたと思います。


■ 「立憲民主党アレルギー」が票に垣間見える選挙

選挙の動向を見守る皆さんに、かなり重要な体感温度を語らなければならないと思います。そして、これはとても重要なことなので、あえて無料部分で書くことにしました。実は今、立憲民主党の支持率が着実に下がっています。何か特別な不祥事でもあったのなら支持率低下も納得なのですが、特別に人々をガッカリさせるような出来事があったわけでもないのに支持率が下がっている。その原因は「立憲民主党アレルギー」が病のように広がっているからではないかと考えています。昔から「共産党アレルギー」は存在し、共産党に親でも殺されたのかというほど、とにかく共産党というだけで無条件に嫌いだという人はたくさんいました。個人的な恨みがあるわけでもないのに共産党が嫌いだというのは、単なる「バイアス」でしかなく、その多くは「共産党は共産主義だ」という壮大な勘違いの末に、なんとなくイメージで嫌いになっているだけなのですが、これと同じことが立憲民主党にも起こり始めており、急速に拡大しているというわけです。今回、長野市ブロックの選挙は、国民民主党の公認候補と日本維新の会の公認候補による対決なのですが、金沢敦志さんが杉尾秀哉さんの秘書だったことから、市民からは「立憲民主党の人」だと見られており、立憲民主党アレルギーを発症した人たちの大部分は日本維新の会に投票したと思われます。今回、長野県知事選は現職の阿部守一さんを自民・公明・立民・国民・社民が推薦しており、対する金井忠一さんを共産党が推薦している形です。京都府や滋賀県も同じ構図になっていますが、共産党が孤立している地域では共産党アレルギーが強い場所だと思われ、共産党アレルギーが強い場所では同時に立憲民主党アレルギーも強いのではないかと考えられます。街全体がネトウヨ思想に近い状態になっているというわけです。この仮説を証明する唯一の方法は、大規模なアンケート調査を実施することです。これまで僕は出口調査を実施してこなかったのですが、今後は出口調査を実施することも視野に入れながら、有権者の心の内を探ってみたいと思っています。


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