【選挙ウォッチャー】 相模原市議選2019・緑区レポート。
被害に遭った方が障害者だということもあり、あまり語られることのない事件なのですが、相模原障害者施設殺傷事件は、戦後最多となる19人の命が奪われる凄惨な事件となりました。当時26歳だった犯人の男は、障害者のために時間やお金を使うことは無駄なので、国家のためにも殺した方がいいと考えていました。この思想がヘイトクライムにつながったのですが、その根底にある思想は「障害者」が「朝鮮人」に変わっただけで、日本第一党の思想と変わりません。朝鮮人に使うお金と時間のすべてが無駄であり、朝鮮人に使われるお金は生活保護であったとしても断ち切るべきで、死んでしまうようなことがあったとしても関係ない。これが日本第一党の主張です。そして、この殺傷事件が起こった相模原市では緑区、南区、中央区のすべての選挙区で日本第一党の候補者が立候補していたのです。
幸いにも、日本第一党の候補者は当選ラインには遠く届かずに落選しているのですが、それでも「津久井やまゆり園」がある緑区で800票以上を獲得しています。当選ラインには届かなかったとはいえ、それでも支持してしまう人たちがいるという現実は、新たなヘイトクライムを生まないためにも厳しく受け止め、限りなく票をゼロに近づける努力をしなければなりません。
■ 極右政党「希望の党」からも立候補
現在、「希望の党」は小池百合子さんが代表を務めていた頃とはまったく異なり、単なる極右政党になっています。現代に蘇りし「次世代の党」と言っても良いのですが、日本第一党より少しだけヘイトが表に見えてこないだけで、基本的な考え方は「極右」です。松川公造さんは、希望の党公認・日本維新の会推薦というゴリゴリの人物なのですが、日本第一党の井上晃佑よりも票を取りませんでした。公約に右っぽい雰囲気はまったく感じられないのですが、まったく票を取らなかったのが興味深いです。松川公浩さんの公約は、街頭で住民の声を聞く、相模原市役所の課長全員と面談する、産学官連携協定の締結をする、相模原ブランドの農産物を作るです。市役所にいる約180名の課長全員と個別面談を行い、その課題をホームページに載せると言っているのですが、このあたりが少し気持ち悪さを感じるものの、それほどカルトめいた公約を掲げているわけではありません。松川公造さんは東京学芸大学卒、東京大学大学院修了、野村證券ロンドンで勤務という実績があり、希望の党の松沢成文さん、日本維新の会の片山虎之助さんに推薦されているのですが、推薦人が香ばしく映ってしまったのでしょうか。
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