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【選挙ウォッチャー】 衆院選2021・千葉7区レポート。

 10月19日公示、10月31日投票で、衆院選が行われました。
 当時は、今のように「必ず当選者のサムネイル用の写真を撮る」という目標がなかったので、選挙ボードだけを撮影して帰ってくるような選挙区もありました。
 千葉7区は、野田市や流山市、松戸市の一部などが選挙区で、僕が住んでいる千葉県柏市(千葉8区)の隣ということもあって、選挙ボードぐらいは楽勝で撮影できる環境でした。ここには「農業党」と題し、野田市議選に立候補する予定のN国党員・渡辺晋宏が立候補していたため、記録だけでもしておかなければならないと思い、選挙ボードの写真を撮りました。

斉藤 健  62 現 自民党
竹内 千春 53 新 立憲民主党
内山 晃  67 元 日本維新の会
渡辺 晋宏 36 新 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で

 2021年の衆院選を取材した時には、そこまで強く思うことはなかったのですが、2022年の参院選を取材して思ったことは、「この国の知性は着実に沈んでいる」ということです。N国党に限った話ではなく、斉藤健さんが応援に入っていた臼井正一さんの街頭演説の内容もそうなのですが、ものすごく「日本の標準的な知性」の方々の手によって政治が行われているため、日本が発展することもないし、静かに滅びゆくのを待つだけです。しかも、これは「国民が望んでいること」なのですから、余計にタチが悪いという話です。


■ 渡辺晋宏候補の主張

 このたび「農業党」なるものを立ち上げ、立候補してきた渡辺晋宏は、その先の野田市議選を見据えて立候補してきたと思っています。2020年の野田市議補選にも立候補し、今回の衆院選にも立候補し、何度も立候補を繰り返すことで知名度を上げ、最終的に野田市議になろうという魂胆だと思いますが、今のところ、渡辺晋宏の野望は達成されていません。
 N国信者のコア層は40代・50代の「標準的な知性とモラル」を持ち合わせた人々なので、36歳は「若手」と言ってもいいと思います。野田市議補選に立候補した時には、隣にノーマスクのチアガールを置き、街頭演説の最後にバク転をしていたので、本気で「バカなんじゃないかな?」と思ったものでしたが、僕の認識が間違えていただけで、これが「日本の普通」だということに気づかされました。これを間違えてしまうと、この先の分析をすべて間違えてしまうので、今回、現実に気づくことができたことは大きな収穫であると思います。

 渡辺晋宏は、精力的に活動しているN国党員で、2022年5月の野田市議選に落選した後、2022年7月の参院選に千葉県選挙区から立候補しました。「新党くにもり」の梓まりさん、過剰なマスク着用に反対する「自由共和党」の宇田桜子さんらと、ほとんど変わらない数の票を獲得。中村典子にいたっては、幸福実現党の七海ひろこさんより票を獲得しているので、いよいよ本格的に「NHK党」が国民に受け入れられているということになろうかと思います。
 参院選でのガーシー当選により、NHK党は「無敵の人」として、正式に力を得ることになりましたので、これからますます「やりたい放題」になっていくことでしょう。そして、人々はこの「やりたい放題」をより支持していくことになるのだと思います。

 2022年5月の野田市議選では「NHK党」のイメージが悪く、渡辺晋宏は無事に落選したのですが、黒川敦彦幹事長が代表の「つばさの党」から立候補した庄司真生は、上位当選を果たしました。おそらく2019年の参院選でN国党が議席を獲得した直後の柏市議選で大橋昌信が大勝しているように、もし衆院選の後に「NHK党」の選挙が行われるようなら、きっと当選していたことでしょう。


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