【選挙ウォッチャー】 衆院選2021・新潟5区レポート。
10月19日告示、10月31日投開票で、第49回衆議院議員選挙が行われました。それまでに囁かれていた日程より1週間以上早くなり、与野党ともにバタバタした感じになっていましたが、一番ダメージを喰らってしまったのは、まさかの僕でした。日本全国を取材するためのクラウドファンディングも開始ができず、来年1月20日に発売予定の本の執筆もほとんど進んでいないまま、新型コロナウイルス感染防止のために車に乗って、福岡8区からスタートし、全部で58選挙区を取材してきました。今回、皆様にお届けする「新潟5区」は、その中でも特に面白い選挙区の一つなのですが、ひょんなことから、とっても「新潟5区」が注目されているようなので、この機に便乗して、何はともあれ「新潟5区」を読んでいただくことにいたしました。
泉田 裕彦 59 現 自民党公認
米山 隆一 54 新 無所属(完全無所属)
森 民夫 72 新 無所属(無所属自民系)
なぜ「新潟5区」が注目されているのかと言えば、何と言っても「元新潟県知事対決」だからです。現職の泉田裕彦さんも新潟県知事としての経験があり、米山隆一さんも新潟県知事としての経験があります。そこに、長岡市長だった経験のある森民夫さんが立候補してきたため、かなりの乱戦となりました。もう一つ注目すべき点があるとするならば、泉田裕彦さんには佐渡汽船のフェリーをめぐる疑惑があり、米山隆一さんには「ハッピーメール」で出会った女子大生と援助交際的なことをしていた疑惑があり、どちらが勝つのかが注目されていたのです。
■ 森民夫候補の主張
この選挙のキーパーソンは、ズバリ、森民夫さんです。1999年から2016年にわたり、5期にわたって長岡市長を務め、全国市長会の会長まで務めたことのある重鎮で、かねてから柏崎刈羽原発の再稼働に前向きな人物としても知られています。泉田裕彦さんが出馬を取りやめた2016年の新潟県知事選では、自民党や公明党、連合新潟からの推薦を受けて立候補しましたが、共産党や自由党、社民党などの野党3党に、新社会党や緑の党の応援を受けた米山隆一さんに敗れました。福島第一原発事故以来、泉田裕彦さんも柏崎刈羽原発の再稼働には慎重でしたが、米山隆一さんも慎重派で、辞職するまで原発の再稼働は認めませんでした。今回は2016年以来となる米山隆一さんとの戦いになりましたが、森民夫さんは自民系無所属のため、泉田裕彦さんの票をかなり食ってしまい、米山隆一さんを当選させることに貢献してしまいました。幸い、泉田裕彦さんは比例復活したので、新潟5区からは2人の元新潟県知事が衆議院議員として活躍することになってしまったのですが、敗れた森民夫さんは政界を引退し、今後は若い人の育成に力を尽くしたいと語りました。
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