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【選挙ウォッチャー】 衆院選2021・静岡5区レポート。

10月19日公示、10月31日投開票で、衆院選が行われました。この静岡5区は、ある意味、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙ではあったのですが、どうしても細野豪志さんの強さの秘密を知りたくて、特に注目されている選挙区ではないのに見に行きました。福島第一原発事故の直後から「原子力ムラ」の立場で活動していた細野豪志さん。あれだけの事故があって、当時は対応に追われる立場だったはずなのに、ゴリゴリの原発推進派になっているところを見ても、「細野豪志は人類の敵」だと思っていますが、そんなふうに思っているのは少数派で、地元の人たちは皆さん、細野豪志が大好きです。

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吉川 赳  39 現 自民党
細野 豪志 50 現 無所属
小野 範和 48 新 立憲民主党
千田 光  43 新 愛地球党

どうして細野豪志さんが地元で人気なのか。それは大阪で維新が熱烈な人気になっているのと同じ構造です。基本的に細野豪志さんはデタラメしか言っていませんが、細野豪志さんが頑張っている議員に見える人たちは、誰もデタラメだと思っていません。僕は「こんなに嘘ばっかり言うのか!」と驚いたのですが、これが嘘であることを誰も検証していないので、めちゃくちゃ強いのです。政治や選挙が「適当な人間ほど強い」というのは、かなりの問題だと思います。


■ 千田光候補の主張

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千田光さんは、お笑い芸人「スピードワゴン」の小沢一敬さんの実弟である小沢頼仁さんが立ち上げた政治団体「愛地球党」から立候補した建設会社社長のオジサンです。この「愛地球党」からは、代表の小沢頼仁さんも含めて5人が立候補する予定でしたが、千田光さん以外の4人が不出馬。唯一、千田光さんだけが「愛地球党」から立候補してきました。「愛地球党」の政治理念は、地球の利益を考える「地球益」ということだそうですが、その選挙公約はなかなかパチキレていて、「消費税を20%にする代わりに所得税を廃止する」「議員定数と報酬の削減」「美しい日本語教育」「日本食の還帰による自己免疫の強化と整腸で医療費削減」「植物リサイクル製の土壌改良家による農薬や化学肥料に頼らない安心安全な農作物を育て、国内自給率を向上させる」など。ユニークと言えばユニークかもしれませんが、日頃から政治に興味を持って一生懸命考えているわけではないということが、この公約から分かります。ちなみに、「愛地球党」は小沢頼仁さんの派手な女性関係を咎めた会社の取締役が住み込みで働いていたオフィスを追い出されたあげく、38万円を盗まれたと訴えて警察沙汰になっており、非常にゴタゴタしています。もしかすると、もう二度と候補者が出てこない政党になってしまうかもしれません。


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