見出し画像

映画「日本で一番悪い奴ら」が心の奥底にある危うい感情をグラッグラ揺らしてくる

NetflixとAmazonプライムで面白そうな映画がないかチェック。外出自粛で気になる映画はおおよそ見尽くしてしまったせいで・・・ない。Netflixの新機能「シャッフルプレイ」を6回試すも出てこない。これはヘビー(エピソードが多く長編で疲れる)、このストーリーはきっと響かない、などなど。
困った私は、好きな役者で検索してみることにした。

綾野剛」💛
(※たまにバラエティに出演するとき、あまりにも女性に優しいので好きになった。酒と喧嘩が強いという男らしさもステキ)

怒り」見た
リップヴァンウィンクルの花嫁」見た
「東京スワン」ヤクザ系興味ない
で、主演作の「日本で一番悪い奴ら」(2016年)を発見。しかも私の好物、実話をもとにしてる作品。これは期待できる。

結論から言うと、めっちゃくちゃ面白かった!!

綾野剛はひとつの作品のなかで、別人みたいに見えるからすごい。冴えない青年のときは「ちょっと、あれ?私ほんとに好きだっけ…?」と思うくらい顔もむくんで不細工なのに、イケイケの刑事になったときは、そりゃもう輝きを放っている。キュンキュンが止まらない。

ヤクザ系が苦手なので、1か所だけ目を覆ったところはあったけど、あとはもう、ずっとハラハラしっぱなし。暴力、裏切り、夜の街、シャブ中、エロ・・・非日常の危うい世界観にどっぷり入り込んでしまい、目が名離せなかった。そしてチャカ(拳銃)を集めるために、警察が密輸を見逃すとか意味が分からなかった。これが本当にあった事件というから驚きだ。
警察の裏側はこんな感じなのかと思うと、「警視庁24時」が好きな私は心底ガッカリしてしまう。今はもうこんなこと起こっていないと信じるしかない。

印象に残ったシーンは、諸星(綾野剛)が初めてシャブを試すところ。あんなに目がギンギンになっちゃうの!?顔を真っ赤にして、今にも目・口・鼻、穴という穴から何か出てきそう・・・怖い。人間が人間じゃなくなる瞬間ってこんな感じなのかなあ。

映画を見終わって深夜2時。興奮冷めやらぬ状態で、事件について調べてみた。そしてビックリしたことに、この映画のモデルになった人物・稲葉圭昭さんがまだ生きてて、インタビューに応えていた。しかも、映画のワンシーンに登場してるというではないか!(※それがこの記事のヘッダー写真)

薬物・アルコール依存からの回復を支援するNPO法人のアドバイザーをしつつ、札幌で探偵事務所を経営をされているという現在のお姿がこちら。

渋ッッッッ!!!!隠し切れない本物の雰囲気!!!そして、柔道でつぶれたという耳が本当に餃子。刻まれた皺の深さが、すべてを物語っているように見えます。

あの快楽を求めたい……。悪魔のささやきに襲われながらも、ともに暮らす愛猫が心の支えとなっている。(※FLASH 2020.11.06 より)

猫が心の支えとか!!

表面だけ見れば、とんでもない事件を起こしといてよく生きてられるなと思うかもしれない。確かに稲葉さんがしたことはとんでもないけど、元は柔道一筋で頑張ってきた青年で、北海道警という組織がこうさせてしまったのではないか。著書を読んでないので真相はわからず。

けれど、私はこの作品を観てこう感じた。
人間は誰もが強いわけではない。残酷な現実と、無力な自分。抗えないで死を選ぶ人もいる。稲葉さんは今、罪を償いながら、生きることで事件を風化させずにいる。生きていることのほうがよっぽど辛い選択かもしれない。それでも生きている。誰かの役に立ちたいと、必死に生きている
稲葉圭昭さんの人生に、ただの主婦がとてつもなく興味を持てたし、良き作品に出会えたこと、綾野剛を堪能できたことに大満足。

(※この作品に出演しておきながら、コカインで捕まってるピエール瀧のほうが酷くない!?)

本当はこの前に、「今日も嫌がらせ弁当」「レンタルなんもしない人(エピソード3まで)」を見ているが、noteを書く気になれないくらい心に響かなかった。作った人に申し訳ないけど、私にはダメだった。
「今日も嫌がらせ弁当」・・・主婦が見るとあの弁当はただのプレッシャー
「レンタルなんもしない人」・・・Twitterをフォローしてるけど、本物のレンタルさんはもっとクズで面白い

今後も観たい作品が見つからないときは、役者名で検索してみようと思う。今日みたいに掘り出し物が見つかるといいな(*^▽^*)

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?